白井健三 - 2016年全日本団体選手権:ゆかの演技 |
2016 JPN Nationals Tokyo TF FX
昨日はニキータ・ナゴルニー(ロシア)の衝撃のゆかを紹介しましたが、我が国も負けてはいません。日本にはこの選手がいます。先日の全日本団体選手権、白井健三のゆかです。
宣言どおり昨年の豊田国際以来となる伸身リ・ジョンソン(後方伸身2回宙返り3回ひねり)を敢行。この技にはすでにシライ3の名が付いており、最高難度のH難度で扱われています。豊田国際ではラインオーバーがありましたが、今回はほぼ着ピタという出来で決めてきました。
Dスコアは同じですが、豊田国際のときとは技の順番を入れ替えています。従来はフィニッシュの前に入れていた側宙を冒頭のシライ3の後に入れているのは、一旦呼吸を整えるためでしょうか。作戦は奏功しているように見えますが、ずっと課題になっている後半の後方5/2~前方5/2がフィニッシュ直前になってしまうのが気になるところです。今回も着地こそ気合で止めはしましたが、前方5/2はギリギリの実施という感があります。
しかし全体としては最後のシライ/グエンまでまとめる素晴らしい演技。16.750という銀河点を叩き出しましたが、大会は首位の順天堂大学にはあと0.05点及ばないという劇的な展開となりました。どこまでもレベルの高い日本の体操にただ驚くばかりです。
1. | シライ3 | Double Back Lay 3/1 | H | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 側方宙返り1回ひねり | Side 1/1 | C | IV | |
3. | 後方宙返り7/2ひねり | Back 7/2 | E | III | |
4. | ~前方宙返り2回ひねり | + Front 2/1 | D | II | (CV:0.2) |
5. | 前方宙返り1回ひねり | Front 1/1 | C | II | |
6. | ~シライ2 | + Front 3/1 | F | II | (CV:0.1) |
7. | 倒立から伸膝前転脚前挙支持経過倒立 | Endo Roll Pk to Hdst | C | I | |
8. | 後方宙返り5/2ひねり | Back 5/2 | D | III | |
9. | ~前方宙返り5/2ひねり | + Front 5/2 | E | II | (CV:0.2) |
10. | シライ/グエン | Back 4/1 | F | III |
D:7.7
E:9.050
Score:16.750
将来的に対角線ではない短いタンブリングで使用するための布石でしょうか。
ブログ主様はどう思いますか?
>来年から同一対角線の連続制限もなくなりますし、
そうなんですね。
では短い方向でやることを見据えてるわけではなさそうですね。
おっしゃる通り、安定感などを考慮してのものかもしれません。
従来の助走前に片足を引く動きは不細工だったので、見た目的にも良くなったと思います。
個人的にタンブリングの助走で好きなのはネモフがやっていたまっすぐ伸ばした脚を前に振り上げる動きですね。最近はあまり見られなくて寂しいです。