2016年ヨーロッパ選手権：種目別鉄棒の演技構成

2016 Europeans Bern (SUI) EF HB Routine Guide

2016年のヨーロッパ選手権・ベルン大会：種目別鉄棒の演技構成です。

#1 SAMILOGLU Umit (TUR)

1.	カッシーナ	Cassina	G	II
2.	コールマン〈落下して再試技〉	Kolman	F	II
3.	トカチェフ	Tkatchev	C	II
4.	～リンチ	+ Lynch	D	II	(CV:0.1)
5.	アドラー1回ひねり片逆手	Jam 1/1 to MG	D	IV
6.	アドラー	Jam	C	IV
7.	逆手背面車輪	Russian Giant	C	IV
8.	シュタルダー	Stalder	B	III
9.	後方とび車輪1回ひねり	Hop 1/1	C	I
10.	後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り	Double Back 2/1	D	V

D:6.5
E:7.633
Score:14.133

コールマンで落下するが、果敢に再試技。実施は雄大で見応えがある。終末技はかかえ込みの新月面。週末技の要求を満たせるD難度技だが、使う選手は少なく珍しい。


#2 THOMAS Kristian (GBR)

1.	ヤマワキ	Yamawaki	D	II
2.	リューキン	Liukin	F	II
3.	シュタルダーとび1回ひねり	Stalder Hop 1/1	C	III
4.	シュタルダーとび3/2ひねり大逆手	Stalder Hop 3/2 to El	E	III
5.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
6.	～伸身トカチェフ	+ Tkatchev Lay	D	II	(CV:0.1)
7.	リンチ	Lynch	D	II
8.	シュタルダー	Stalder	B	III
9.	後方とび車輪1回ひねり	Hop 1/1	C	I
10.	後方伸身2回宙返り1回ひねり下り	Double Back Lay 1/1	D	V

D:6.5
E:8.500
Score:15.000

リューキンの使い手。掴んだ後はけ上がりになったが見事に決めた。大柄な選手でどの技も迫力がある。伸身ムーンサルトの着地を決める。


#3 BAUMANN Christian (SUI)

1.	ヤマワキ	Yamawaki	D	II
2.	エンドー1回ひねり大逆手	Endo 1/1 to El	D	III
3.	コールマン	Kolman	F	II
4.	シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手	Stalder Hop 3/2 to MG	D	III
5.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
6.	リバルコ	Rybalko	D	I
7.	アドラー	Jam	C	IV
8.	大逆手車輪	Giant El	B	IV
9.	逆手背面車輪	Russian Giant	C	IV
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	V

D:6.5
E:7.958
Score:14.458

リバルコや、アドラーからの逆手背面など柔軟性を感じさせる実施。


#4 VERNIAIEV Oleg (UKR)

1.	ヤマワキ	Yamawaki	D	II
2.	モズニク	Moznik	E	II
3.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
4.	リンチ	Lynch	D	II
5.	アドラー1回ひねり片逆手	Jam 1/1 to MG	D	IV
	～ムニョス〈落下〉	+ Munoz
6.	エンドー1回ひねり大逆手	Endo 1/1 to El	D	III
7.	大逆手エンドー	Endo El	C	IV
8.	前方車輪1回ひねり大逆手	1/1 to El	C	I
9.	エンドー	Endo	B	III
10.	フェドルチェンコ	Double Back Lay 3/1	F	V

D:6.4
E:7.233
Score:13.633

アドラーひねりからリンチに連続できず、アドラー1回ひねりからムニョス(E)への連続で落下。終末技は最近取り組んでいるフェドルチェンコで下りる。


#5 BELYAVSKIY David (RUS)

1.	ツォウ・リミン	Zou Limin	C	I
2.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
3.	伸身トカチェフ	Tkatchev Lay	D	II
4.	リンチ	Lynch	D	II
5.	エンドー1回ひねり片大逆手	Endo 1/1 to MG	C	III
6.	アドラー1回ひねり片逆手	Jam 1/1 to MG	D	IV
7.	～ヤマワキ	+ Yamawaki	D	II	(CV:0.1)
8.	後方浮腰回転後ろ振り出し順手背面懸垂	Stoop in to Back Toss	C	IV
9.	ケステ	Koste	C	IV
10.	後方伸身2回宙返り1回ひねり下り	Double Back Lay 1/1	D	V

D:6.2
E:8.741
Score:14.941

後半の順手背面が見せ場。Dスコアは高くないが、堅実な実施を見せ着地も止める。1日で6種目全てを行う種目別決勝で4種目に出場。最後はさすがに疲れた様子も見せたが、どの演技も失敗なく通したのは素晴らしいの一言。


#6 BRAEGGER Pablo (SUI)

1.	エンドー1回ひねり大逆手	Endo 1/1 to El	D	III
2.	コールマン	Kolman	F	II
3.	モズニク	Moznik	E	II
4.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
5.	伸身トカチェフ	Tkatchev Lay	D	II
6.	リバルコ	Rybalko	D	I
7.	アドラー1回ひねり片逆手	Jam 1/1 to MG	D	IV
8.	～ヤマワキ	+ Yamawaki	D	II	(CV:0.1)
9.	後方とび車輪1回ひねり	Hop 1/1	C	I
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	V

D:6.9
E:7.866
Score:14.766

大きなコールマンやモズニクを見せる。アドラーひねりが戻ってしまい伸身トカチェフへの連続ができなかった。カッシーナ(G)を入れたD:7.2を行ったこともあるが、今大会での予定Dスコアは7.0か。


#7 MARAS Vlasios (GRE)

1.	ペガン	Pegan	E	II
2.	リバルコ	Rybalko	D	I
3.	エンドー1回ひねり大逆手	Endo 1/1 to El	D	III
4.	～バラバノフ	+ Balabanov	D	II	(CV:0.1)
5.	エンドー	Endo	B	III
6.	アドラー1回ひねり片逆手	Jam 1/1 to MG	D	IV
7.	～ヤマワキ	+ Yamawaki	D	II	(CV:0.1)
	シュタルダーとび3/2ひねり大逆手〈落下〉	Stalder Hop 3/2 to El
8.	ツォウ・リミン	Zou Limin	C	I
9.	アドラー	Jam	C	IV
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	V

D:6.5
E:7.033
Score:13.533

かつて世界選手権を2連覇し、ヨーロッパ選手権も5回制している古豪。ペガンから入り、バラバノフへの連続技など得意の前方系の手放し技を存分に見せる。しかし、後半に入ったところでひねり技で落下。予定のDスコアは6.8か。惜しい。


#8 WILSON Nile (GBR)

1.	カッシーナ	Cassina	G	II
2.	コールマン	Kolman	F	II
3.	リバルコ	Rybalko	D	I
4.	アドラー1回ひねり逆手	Jam 1/1 to UG	E	IV
5.	アドラーひねり	Jam 1/2	D	IV
6.	～伸身トカチェフ	+ Tkatchev Lay	D	II	(CV:0.1)
7.	トカチェフ	Tkatchev	C	II
8.	シュタルダー	Stalder	B	III
9.	後方とび車輪1回ひねり	Hop 1/1	C	I
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	V

D:6.9
E:8.400
Score:15.300

カッシーナ、コールマンから入る。D:6.9の構成をそつなくこなし、Eスコアもまずまずで15.300という高得点。最終演技者が絵に描いたようなごぼう抜きを果たす。


WILSON Nile (GBR)
THOMAS Kristian (GBR)
BELYAVSKIY David (RUS)

主な予選落ちはマリヨ・モズニク（クロアチア）やマルセル・ニューエン（ドイツ）ら。Dスコアは6.9が最高ですが、落下の危険性もあり、また実施減点もしっかり取られる鉄棒ですから勝負はどう転ぶか分かりません。

そんな中、ウィルソン、トーマスというイギリス勢がワンツーフィニッシュ。3位のベルヤフスキーは、今大会ロシアチームの団体優勝に加え、種目別4種目中、3種目で表彰台に上るという素晴らしい結果を残しました。