2016年ヨーロッパ選手権：種目別平行棒の演技構成

2016 Europeans Bern (SUI) EF PB Routine Guide

2016年のヨーロッパ選手権・ベルン大会：種目別平行棒の演技構成です。

#1 MUNTEAN Andrei Vasile (ROU)

1.	前振り上がり開脚抜き倒立	Front Uprise Strd Cut to Hdst	B	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
4.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
5.	ヒーリー	Healy	D	I
6.	後ろ振り倒立	Back Swing to Hdst	A	I
7.	モイ	Moy	C	III
8.	バブサー	Bhavsar	E	III
9.	チッペルト	Tippelt	D	III
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.2
E:8.758
Score:14.958

予定のDスコアは6.6。目立った失敗のない演技に見えるが、シャルロから単棒ヒーリー(E)につなげることができなかった。2013年や2014年のヨーロッパ選手権でもシャルロや単棒ヒーリーで失敗しており、鬼門になっている。


#2 NAGORNYY Nikita (RUS)

1.	棒下振り出し腕支持	Drop Cast	A	IV
2.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
4.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
5.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
6.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
7.	マクーツ	Makuts	E	I
8.	ヒーリー	Healy	D	I
9.	ディアミドフ	Diamidov	C	I
	ディアミドフひねり〈落下〉	5/4 Diamidov to 1/4
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:6.5
E:7.600
Score:14.100

最後にディアミドフひねり(D)に失敗して落下。いつもはきれいなディアミドフ系を見せるが、その前のディアミドフから少し乱れていた。予定はD:6.8。


#3 VERNIAIEV Oleg (UKR)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
4.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
5.	チッペルト	Tippelt	D	III
6.	バブサー	Bhavsar	E	III
7.	ヒーリー	Healy	D	I
8.	ピータース	Back Toss 1/4 to Hdst	D	I
9.	前振りひねり倒立	Stutzkehr to Hdst	C	I
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:6.9
E:8.816
Score:15.716

予選と同じD:6.9だが、シャルロで少し乱れているため、この決勝で単棒ヒーリー(E)を入れたD:7.1を狙っていたのかは不明。Dツイストで外に傾きながらも両棒に戻れるのがすごい。終末技は止めるが、やや準備感のない着地になった。


#4 BELYAVSKIY David (RUS)

1.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
2.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
3.	リチャード	Front Uprise Diamidov	E	II
4.	チッペルト	Tippelt	D	III
5.	バブサー	Bhavsar	E	III
6.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
7.	ヒーリー	Healy	D	I
8.	ピータース	Back Toss 1/4 to Hdst	D	I
9.	前振りひねり倒立	Stutzkehr to Hdst	C	I
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:6.9
E:9.133
Score:16.033

シャルロ、リチャード、バブサーと持てるE難度技を全て盛り込んだD:6.9のフル構成でベルニャイエフに挑む。スムーズな演技運びで着地もピタリと止め、16点を超える高得点を出してトップに立った。


#5 NGUYEN Marcel (GER)

1.	横向き立ちから逆上がり1/4ひねり倒立	Shoot Up 1/4 to Hdst	D	IV
2.	ドミトリエンコ	Dimitrenko	E	II
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
4.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
5.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
6.	車輪ディアミドフ	Giant Diamidov	D	III
7.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
8.	ベーレ	Belle	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	カトウ・ヒロユキ	Double Back 1/1	G	V

D:7.0
E:8.566
Score:15.566

D:7.0とベルニャイエフやベルヤフスキーを上回る構成だが、Eスコアで及ばない。2回宙返り系の受けではそこまで引かれていないと思うが、ところどころで足割れが目立つためか。カトウ・ヒロユキの安定した着地はさすが。


#6 BAUMANN Christian (SUI)

1.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
2.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
3.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
4.	マクーツ	Makuts	E	I
5.	ヒーリー	Healy	D	I
6.	モイ	Moy	C	III
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	前振りひねり倒立	Stutzkehr to Hdst	C	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.6
E:7.733
Score:14.333

予選ではE:9.066を出しているが、決勝では最初の棒下ひねり倒立で乱れ、その後も最後まで苦しい実施が続いた。落下はないが7点台のEスコアとなる。


#7 BRAEGGER Pablo (SUI)

1.	逆上がりひねり倒立	Felge 1/2 to Hdst	E	IV
2.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
3.	バブサー	Bhavsar	E	III
4.	け上がり支持	Kip	A	III
5.	チッペルト	Tippelt	D	III
6.	ヒーリー	Healy	D	I
7.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
8.	ディアミドフ	Diamidov	C	I
	ディアミドフひねり〈失敗〉	5/4 Diamidov to 1/4
9.	前振りひねり倒立	Stutzkehr to Hdst	C	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.2
E:7.733
Score:13.933

ディアミドフひねり(D)で両棒に戻れず、単棒横向き懸垂で外に出るがリカバリーしきれず落下してしまう。予定はD:6.5。


#8 BERBECAR Marius Daniel (ROU)

1.	前振り上がり開脚抜き倒立	Front Uprise Strd Cut to Hdst	B	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
	シャルロ〈失敗〉	Basket to 1 Rail Hdst
4.	単棒横向き開脚浮腰上がり倒立	Side Glide Strd Up to Hdst	B	III
5.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
6.	ベーレ	Belle	D	III
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.2 （正しくはD:6.1）
E:8.800
Score:15.000

予定のDスコアは6.7。この選手もシャルロ(E)が鬼門。D:6.2が出ているためB難度の横向き開脚上がりが取られているようだが、グループIIIが5つになっている。


BELYAVSKIY David (RUS)
VERNIAIEV Oleg (UKR)
NGUYEN Marcel (GER)

平行棒も激戦区。オレグ・ステプコ（アゼルバイジャン）らがリザーブに回っています。Dスコアの分布としては6.8～7.0の選手で優勝を争うレベルになっており、そのためには前方系の終末技が欠かせなくなっています。

Dスコアが上がり続けた結果、失敗や落下するケースも増えています。今回も半数の選手が予定の構成を通せませんでした。そんな中、自身最高の構成でかつ素晴らしい実施を見せたベルヤフスキーの演技が光りました。