エクササイズ・オブ・ザ・イヤー2015 |
毎年、年の瀬に選んでいる「今年の演技」です。2015年はいずれも日本人の演技からいくつかの候補があり悩みましたが、その中から国内大会ではありますが9月の全日本シニア選手権における植松鉱治の鉄棒を選びたいと思います。
動画はこちらから
1. | 屈身コバチ | Kovacs Pk | E | II | |
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2. | ~コバチ | + Kovacs | D | II | (CV:0.2) |
3. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.2) |
4. | ~かかえ込みゲイロード2 | + Gaylord2 Tk | D | II | (CV:0.2) |
5. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
6. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
7. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
8. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
9. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:7.7 (正しくはD:7.6)
E:8.700
Score:16.400
この大会、植松は例を見ない4連続手放し技を披露しました。オリンピックと世界選手権合わせて鉄棒3連覇のユプケ・ゾンダーランド(オランダ)でも3連続か2連続を2回という構成しか試合では見せていません。昔であればトカチェフ4連続を行うような演技もありましたが、このような4連続は試合では初めてではないでしょうか。
出たDスコアはなんと7.7。実はこの演技は通しの動画が見当たらないのですが、映っている内容から、上記の構成で正しいDスコアは7.6と思われます。ゲイロード2は屈身を予定していたかもしれず、その場合はD:7.7となります。植松の演技のあまりの見事さにこのDスコアが出てしまったようです。
実は植松はカッシーナ(G)も持っているため、Dスコアだけを考えればこのような構成をやる必要はなかったかもしれません。事実、過去にはカッシーナ単発と3連続手放し技でD:7.7となる構成も組んでいます。しかし現在の上限である4つの手放し技を連続するというのは大きなロマンだったのでしょう。それを実現し、ファンの心をがっちりと掴んだ忘れられない演技になりました。
日本を代表する鉄棒のスペシャリストは今期を持って引退。11月の全日本団体選手権が最後の試合となりました。長い間お疲れさまでした。
過去のエクササイズ・オブ・ザ・イヤー
・エクササイズ・オブ・ザ・イヤー2014
・エクササイズ・オブ・ザ・イヤー2013
2015年もこのブログをご覧になってくださりありがとうございました。今年は体操ニッポンが世界選手権で37年ぶりの優勝を果たし、素晴らしい年になりました。もう大晦日ではありますが、皆さまもどうぞよいお年をお迎えください。