2015年 11月 07日
2015年世界選手権:種目別鉄棒の演技構成 |
2015 Worlds Glasgow (GBR) EF HB Routine Guide
2015年の世界選手権・グラスゴー大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 BRETSCHNEIDER Andreas (GER)
D:7.2
E:7.766
Score:14.966
2014年にDTBチームチャレンジで発表され、男子初のH難度技となったブレットシュナイダー(コバチ2回ひねり)がついに世界選手権でも披露される。アドラー1回ひねりからヤマワキは連続できず。着地も大きく乱れてしまった。
#2 BROOKS Christopher (USA)
D:6.4
E:7.400
Score:13.800
以前はひねり戻すムニョス/ポッツォを行っていたが、通達を受け修正されている。ヤマワキからリンチ(D)への連続で落下。国内大会では軽々と行っているように見えたが、やはり簡単な組合せではない。予定のDスコアは6.9。
#3 LEYVA Danell (USA)
D:7.3
E:8.400
Score:15.700
リューキン(F)こそやらなくなったが、雄大な手放し技が持ち味。アドラーひねりからの連続も決め、D:7.3の構成を通す。着地も止めて15.700のハイスコアを出す。
#4 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
D:7.1
E:8.733
Score:15.833
団体決勝で落下し、個人総合で回避したカッシーナを決め、今大会のために用意してきたD:7.1の構成を完遂。ひねり技の倒立角度や手放し技の肘の曲がりなど予選で減点されたと思われる箇所を確実に修正してきた。特に手放し技はいずれも腕を伸ばした素晴らしい実施。アドラー1回ひねりは角度を優先したか、一瞬止まりかける。着地がわずかに跳ね悔しそうな表情をするが、得点が出たときは最高のドヤ顔を見せてくれた。
#5 OYAKAWA MARIANO Arthur (BRA)
D:6.5
E:8.666
Score:15.166
Dスコアは高くないが、予選では正確な倒立角度や手放し技で8.800という最高のEスコアを出し決勝に進出した。決勝ではその正確さがやや欠けた印象もあったが、演技をまとめる。
#6 LARDUET Manrique (CUB)
D:7.0
E:8.600
Score:15.600
手放し技はどれも雄大かつベストな位置で掴んでおり素晴らしい出来。終末技でフェドルチェンコを高い精度で実施してくるのも驚異的。本当にとんでもない選手が現れた。
#7 HEGI Oliver (SUI)
D:6.0
E:7.500
Score:13.500
得意のデフで落下。後半では明確な逆手背面車輪を見せる。
#8 HAMBUECHEN Fabian (GER)
D:7.2
E:6.300
Score:13.500
カッシーナ、コールマンはともにバーに近くなりエンドー、け上がりでの処理となる。アドラー系も不正確な実施となり、伸身新月面の着地では手を突いてしまった。個人総合を風邪で棄権していたが、本調子ではなかったか。
内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
LEYVA Danell (USA)
LARDUET Manrique (CUB)
ゆか、あん馬とディフェンディングチャンピオンが次々と予選落ちした今大会の種目別ですが、鉄棒でもオリンピックを含め3連覇中のユプケ・ゾンダーランド(オランダ)が予選落ちという衝撃がありました。D:7.0以上は5人。0.2の組合せ加点を狙う選手も徐々に増えてきています。
内村が今大会調子の出なかった鉄棒で力を出し切って見事な優勝。その修正力はすごいとしか言いようがありません。内村は鉄棒では2013年から3位、2位ときて初めての優勝。そして今大会は団体決勝、個人総合と出場した競技全てで優勝という素晴らしい結果となりました。3位には華々しい世界選手権デビューを飾ったラルドゥエが入りオリンピック出場を確定させています。
2015年の世界選手権・グラスゴー大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 BRETSCHNEIDER Andreas (GER)
1. | ブレットシュナイダー | Bretschneider | H | II |
---|---|---|---|---|
2. | カッシーナ | Cassina | G | II |
3. | コールマン | Kolman | F | II |
4. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV |
6. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV |
7. | ヤマワキ | Yamawaki | D | II |
8. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I |
9. | ワイラー | Weiler | B | III |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.2
E:7.766
Score:14.966
2014年にDTBチームチャレンジで発表され、男子初のH難度技となったブレットシュナイダー(コバチ2回ひねり)がついに世界選手権でも披露される。アドラー1回ひねりからヤマワキは連続できず。着地も大きく乱れてしまった。
#2 BROOKS Christopher (USA)
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
3. | ムニョス/ポッツォ | Munoz - Pozzo | E | II | |
4. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
5. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
~リンチ〈落下〉 | + Lynch | ||||
6. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
7. | ~モズニク | + Moznik | E | II | (CV:0.1) |
8. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
9. | シュタルダー | Stalder | B | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.4
E:7.400
Score:13.800
以前はひねり戻すムニョス/ポッツォを行っていたが、通達を受け修正されている。ヤマワキからリンチ(D)への連続で落下。国内大会では軽々と行っているように見えたが、やはり簡単な組合せではない。予定のDスコアは6.9。
#3 LEYVA Danell (USA)
1. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
3. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
4. | コールマン | Kolman | F | II | |
5. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
6. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
7. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.1) |
8. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.1) |
9. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.3
E:8.400
Score:15.700
リューキン(F)こそやらなくなったが、雄大な手放し技が持ち味。アドラーひねりからの連続も決め、D:7.3の構成を通す。着地も止めて15.700のハイスコアを出す。
#4 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
1. | 屈身コバチ | Kovacs Pk | E | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
3. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
4. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
5. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.1) |
6. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
7. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
8. | エンドー | Endo | B | III | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.1
E:8.733
Score:15.833
団体決勝で落下し、個人総合で回避したカッシーナを決め、今大会のために用意してきたD:7.1の構成を完遂。ひねり技の倒立角度や手放し技の肘の曲がりなど予選で減点されたと思われる箇所を確実に修正してきた。特に手放し技はいずれも腕を伸ばした素晴らしい実施。アドラー1回ひねりは角度を優先したか、一瞬止まりかける。着地がわずかに跳ね悔しそうな表情をするが、得点が出たときは最高のドヤ顔を見せてくれた。
#5 OYAKAWA MARIANO Arthur (BRA)
1. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
3. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
4. | ~リンチ | + Lynch | D | II | (CV:0.2) |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
7. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
8. | トカチェフ | Tkatchev | C | II | |
9. | シュタルダー | Stalder | B | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.5
E:8.666
Score:15.166
Dスコアは高くないが、予選では正確な倒立角度や手放し技で8.800という最高のEスコアを出し決勝に進出した。決勝ではその正確さがやや欠けた印象もあったが、演技をまとめる。
#6 LARDUET Manrique (CUB)
1. | モズニク | Moznik | E | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
3. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.1) |
4. | ~リンチ | + Lynch | D | II | (CV:0.2) |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
7. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
8. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | フェドルチェンコ | Double Back Lay 3/1 | F | V |
D:7.0
E:8.600
Score:15.600
手放し技はどれも雄大かつベストな位置で掴んでおり素晴らしい出来。終末技でフェドルチェンコを高い精度で実施してくるのも驚異的。本当にとんでもない選手が現れた。
#7 HEGI Oliver (SUI)
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ムニョス/ポッツォ | Munoz - Pozzo | E | II | |
3. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
~デフ〈落下〉 | Deff | ||||
4. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
5. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
6. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
7. | 大逆手車輪 | Giant El | B | IV | |
8. | 逆手背面車輪 | Russian Giant | C | IV | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.0
E:7.500
Score:13.500
得意のデフで落下。後半では明確な逆手背面車輪を見せる。
#8 HAMBUECHEN Fabian (GER)
1. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | コールマン | Kolman | F | II | |
3. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
4. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.1) |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
7. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
8. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.2
E:6.300
Score:13.500
カッシーナ、コールマンはともにバーに近くなりエンドー、け上がりでの処理となる。アドラー系も不正確な実施となり、伸身新月面の着地では手を突いてしまった。個人総合を風邪で棄権していたが、本調子ではなかったか。
内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
LEYVA Danell (USA)
LARDUET Manrique (CUB)
ゆか、あん馬とディフェンディングチャンピオンが次々と予選落ちした今大会の種目別ですが、鉄棒でもオリンピックを含め3連覇中のユプケ・ゾンダーランド(オランダ)が予選落ちという衝撃がありました。D:7.0以上は5人。0.2の組合せ加点を狙う選手も徐々に増えてきています。
内村が今大会調子の出なかった鉄棒で力を出し切って見事な優勝。その修正力はすごいとしか言いようがありません。内村は鉄棒では2013年から3位、2位ときて初めての優勝。そして今大会は団体決勝、個人総合と出場した競技全てで優勝という素晴らしい結果となりました。3位には華々しい世界選手権デビューを飾ったラルドゥエが入りオリンピック出場を確定させています。
by kaki_aqr
| 2015-11-07 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(6)
Commented
by
ジョージ
at 2015-11-09 03:28
x
オヤカワ選手はひねり角度も素晴らしいですが、演技中一切膝が緩まなかったのが素晴らしいと思います。手放し技や終末技の抜きで膝を緩ませないのはかなり難しいのでしょうが、そこもこだわりを持って取り組んでいるあたりが評価されたのかなと思います。
確かに終末技の車輪でもまったく膝が開いてないのはすごいですね。
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屈伸コバチ大好き
at 2016-01-07 23:21
x
突然のコメント失礼いたします。今回の鉄棒の種目別決勝では内村選手は個人総合と同じ構成だったと思いますが.これまでの世界選手権では種目別の構成を用意することが少なくなかったと思います。そこで質問ですが,リオ五輪で内村選手が鉄棒の種目別決勝に進出した場合,種目別用の構成を用意すると思いますか?ご意見を聞かせていただければ幸いです。
コメントはいつも歓迎しております。ありがとうございます。
ファンとしてはぜひ種目別用の構成を見てみたいところですが、現実的には団体最優先でしょうし、近年の状況からも「用意しない」と思います。ただ、2014年の鉄棒のように半ばぶっつけですごい構成をやってくることもあるので、そんなサプライズは楽しみにしたいかなと思っています。
ファンとしてはぜひ種目別用の構成を見てみたいところですが、現実的には団体最優先でしょうし、近年の状況からも「用意しない」と思います。ただ、2014年の鉄棒のように半ばぶっつけですごい構成をやってくることもあるので、そんなサプライズは楽しみにしたいかなと思っています。
Commented
by
屈伸コバチ大好き
at 2016-01-08 23:55
x
ご返信たいへんありがとうございます。やはり世界選手権や最近のコメントなどを見ると用意しなさそうな感じはしますよね。ただ,種目別の構成を用意しなくとも種目別で上位に位置できる構成を団体や個人でそもそもやっているというのがすごいなと感じました。
2014年の鉄棒は見ていてとても興奮したので、私もひそかに楽しみにしておきたいと思っております。
2014年の鉄棒は見ていてとても興奮したので、私もひそかに楽しみにしておきたいと思っております。
まさに「オールスペシャリスト」ですよね。リオがとても楽しみです。