2015年世界選手権：種目別平行棒の演技構成

2015 Worlds Glasgow (GBR) EF PB Routine Guide

2015年の世界選手権・グラスゴー大会：種目別平行棒の演技構成です。

#1 STEPKO Oleg (AZE)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	マクーツ	Makuts	E	I
3.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
4.	単棒ヒーリー	1 Rail Healy	E	I
5.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
6.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
7.	前方開脚5/4宙返り支持	5/4 Front Strd to Sup	E	I
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:7.0
E:8.966
Score:15.966

シャルロや単棒ヒーリーを取り入れ7.0と大きくDスコアをアップさせている。7の後のモイ(C)はもはやトップ10技に入っていないが、チッペルトにつなぐ都合もあり演技に入っている。屈身ダブルの着地をほぼ止める。


#2 YOU Hao (CHN)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	ドミトリエンコ	Dimitrenko	E	II
3.	タナカ	Tanaka	F	III
4.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
5.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
6.	屈身ベーレ	Belle Pk	E	III
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:7.3
E:8.916
Score:16.216

タナカと終末技、2つのF難度を始め高難度技のオンパレードでDスコアはなんと7.3。2回宙返り系の多い構成だが、意外なほど高いEスコアが出て16.216という超高得点となる。


#3 LEYVA Danell (USA)

1.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
2.	棒下宙返り3/4ひねり倒立	Basket 3/4 to Hdst	E	IV
3.	テン・ハイビン	Basket to Diamidov	F	IV
4.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
5.	車輪ディアミドフひねり	Giant 5/4 Diamidov to 1/4	E	III
6.	車輪ディアミドフ	Giant Diamidov	D	III
7.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
8.	ハラダ	Front Uprise Back Toss 1/2	D	II
9.	前振りひねり倒立	Stützkehr to Hdst	C	I
10.	前方かかえ込み2回宙返り下り	Double Front	E	V

D:6.9
E:8.766
Score:15.666

基本的には2014年と同じ構成。2はテン・ハイビンに行こうとして咄嗟に3/4ひねりに変えたか。ワールドカップで発表したあの怪しげな車輪ディアミドフ単棒倒立は今大会は実施していない。却下されたのかどうかは不明。


#4 VERNIAIEV Oleg (UKR)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
4.	単棒ヒーリー	1 Rail Healy	E	I
5.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
6.	チッペルト	Tippelt	D	III
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	ヒーリー	Healy	D	I
9.	ピータース	Back Toss 1/4 to Hdst	D	I
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:7.1
E:8.966
Score:16.066

個人総合ではマクーツ(E)を入れてD:7.2としたが、種目別では抜いてきた。それでもDスコアは7.1と高い。着地は1歩前に跳ねる。


#5 LARDUET Manrique (CUB)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
3.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
4.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
5.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
6.	前方開脚5/4宙返り腕支持	5/4 Front Strd	D	I
7.	ヒーリー	Healy	D	I
8.	バブサー	Bhavsar	E	III
9.	チッペルト	Tippelt	D	III
10.	前方かかえ込み2回宙返りひねり下り	Double Front 1/2	F	V

D:6.9
E:8.833
Score:15.733

予選や個人総合ではD:6.7だったがシャルロを入れてDスコアを上げてきた。開脚前宙や終末技の高さがすごい。着地も止める。


#6 WILSON Nile (GBR)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
4.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
5.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
6.	ベーレ	Belle	D	III
7.	前方開脚5/4宙返り腕支持	5/4 Front Strd	D	I
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.6
E:8.633
Score:15.233

イギリス期待の19歳。種目別では少々苦しいD:6.6で、減点箇所もないわけではないが、足先まで神経の行き届いた丁寧な演技という印象を受ける。


#7 DENG Shudi (CHN)

1.	屈身ドミトリエンコ	Dimitrenko Pk	F	II
2.	屈身モリスエ	Morisue Pk	E	I
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
4.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
5.	屈身ベーレ	Belle Pk	E	III
6.	前方開脚5/4宙返り腕支持	5/4 Front Strd	D	I
7.	バブサー	Bhavsar	E	III
8.	チッペルト	Tippelt	D	III
9.	ヒーリー	Healy	D	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:7.1
E:8.866
Score:15.966

2014年と同じ構成。屈身の2回宙返りを次々と行う。昨年はバブサーでの失敗があったが、今年はしっかり決めている。着地は手を回して少し後ろに跳ねる。


#8 田中佑典 TANAKA Yusuke (JPN)

1.	後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持	Back Uprise Front Pk to Sup	D	II
2.	マクーツ	Makuts	E	I
3.	ヒーリー	Healy	D	I
4.	シャルロ	Basket to 1 Rail Hdst	E	IV
5.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
6.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
7.	前振りひねり倒立	Stützkehr to Hdst	C	I
8.	ピータース	Back Toss 1/4 to Hdst	D	I
9.	単棒横向き閉脚浮腰上がり倒立	Side Glide L Up to Hdst	C	III
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.6
E:9.000
Score:15.600

団体決勝で落下したシャルロはここでも危なかったが何とか決める。それ以外はほぼ完璧な実施で着地も止めて9.000というEスコアを出す。平行棒のスペシャリストとしてはもう少し難度と精度を上げていきたい。

YOU Hao (CHN)
VERNIAIEV Oleg (UKR)
STEPKO Oleg (AZE)
DENG Shudi (CHN)


上がり続ける平行棒のDスコア。2015年はついにD:6.9以上が6人、うちD:7.0以上が4人という状態になりました。中国の選手は高難度の技を積極的に取り入れていますし、終末技が屈身ダブルの選手もさらにDスコアを上げてくる可能性が十分にあります。

最初の演技者から15.966というハイレベルの戦い。大きなミスをした選手はおらず、D:7.0以上の選手4人がそのまま表彰台に上りました。まだまだDスコアが上がりそうな平行棒は、1年先には誰が勝っているか分からないという状態になっています。