2015年 10月 31日
内村航平 - 2015年世界選手権:個人総合の演技構成 |
UCHIMURA Kohei (JPN)
2015 Worlds Glasgow (GBR) AA Routine Guide
内村航平の2015年世界選手権・グラスゴー大会:個人総合の演技構成です。
#1 ゆか FX
D:6.9
E:8.833
Score:15.733
今年の全日本シニア選手権から見せているD:6.9の新構成。1本目、後方7/2からは前方3/2につなげる。前方1回~前方5/2や後方5/2~前方2回はかつて使っていたことがある連続。予選は新月面で手を突き、トーマスで頭を打って心配されたが、団体決勝からはしっかりまとめている。着地がわずかずつ動くが、申し分のない演技でいいスタートを切る。
#2 あん馬 PH
D:6.2
E:8.900
Score:15.100
あん馬はいつものD:6.2。まったく危なげない安定した旋回で演技を通す。
#3 つり輪 SR
D:6.2
E:8.733
Score:14.933
2014年に難度を上げたつり輪は、再びD:6.2の構成に戻している。実施は極めて安定しており、淡々と技を繰り出している印象。着地もピタリと決める。
#4 跳馬 VT
2015年に入りついにリ・シャオペン(ロンダート、ひねり前転とび前方伸身宙返り5/2ひねり)を完成させた。やはり内村にはロンダート入りのときのこのルーティーンが似合う。D:6.2の大技にも関わらず早くも自分のものにしているという印象で、着地わずかに跳ねる程度という見事な跳越を見せる。
#5 平行棒 PB
D:6.8
E:9.033
Score:15.833
平行棒ではいろいろな構成を試しているが、今大会に向けては全てD難度以上のD:6.8という構成を組んできた。負担の大きいドミトリエンコ(E)を抜いているにも関わらず2013年以降では最高のDスコアになっている。予選ではマクーツが認定されなかったようでD:6.5となったが、団体決勝からは認められている。棒下ひねり倒立がちょっと苦しかったか。着地はここでもピタリ。
#6 鉄棒 HB
D:6.5
E:8.600
Score:15.100
2014年末の豊田国際から屈身コバチを復活させ2015年はD:7.1としているが、団体決勝においてカッシーナ(G)で落下したため、個人総合でも抜いてきた。コールマンもバーに近づきけ上がりになってしまったが、伸身新月面の着地は完璧。世界選手権6連覇を決め、珍しく観客を煽るパフォーマンスを見せる。
Total D:38.8
Total Score:92.332
Rank:1st
今年の内村はリオデジャネイロオリンピックを見据えTotal D:39.4を用意していましたが、予選では平行棒がD:6.5となり、団体決勝と個人総合では鉄棒がD:6.5となったため、6種目で39.4の演技を行うことはできませんでした。しかし、難度を上げてもゆかや跳馬、平行棒の実施はいずれも素晴らしく、Dスコアを上げてもEスコアを決して犠牲にすることのない内村のこだわりがよく現れていたと思います。
一方、世界のライバルたちとの戦いもいつにないものとなりました。3種目めでドネル・ウィッテンバーグ(アメリカ)が0.766差、4種目めでマックス・ウィットロック(イギリス)が0.683差、5種目めでマンリケ・ラルドゥエ(キューバ)が1.200差にまで迫り、いつものようなぶっちぎりの独走とはなりませんでした。特に2位となった19歳のラルドゥエは衝撃の世界選手権デビュー戦となりました。最大の対抗馬と目されたオレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)はあん馬の落下などにより4位に沈みました。
2015 Worlds Glasgow (GBR) AA Routine Guide
内村航平の2015年世界選手権・グラスゴー大会:個人総合の演技構成です。
#1 ゆか FX
1. | 後方宙返り7/2ひねり | Back 7/2 | E | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~前方宙返り3/2ひねり | + Front 3/2 | C | II | (CV:0.1) |
3. | 前方宙返り1回ひねり | Front 1/1 | C | II | |
4. | ~前方宙返り5/2ひねり | + Front 5/2 | E | II | (CV:0.1) |
5. | 後方宙返り5/2ひねり | Back 5/2 | D | III | |
6. | ~前方宙返り2回ひねり | + Front 2/1 | D | II | (CV:0.2) |
7. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり | Double Back 2/1 | E | III | |
8. | フェドルチェンコ | Fedorchenko | C | I | |
9. | トーマス | Thomas | D | IV | |
10. | 後方宙返り3回ひねり | Back 3/1 | D | III |
D:6.9
E:8.833
Score:15.733
今年の全日本シニア選手権から見せているD:6.9の新構成。1本目、後方7/2からは前方3/2につなげる。前方1回~前方5/2や後方5/2~前方2回はかつて使っていたことがある連続。予選は新月面で手を突き、トーマスで頭を打って心配されたが、団体決勝からはしっかりまとめている。着地がわずかずつ動くが、申し分のない演技でいいスタートを切る。
#2 あん馬 PH
1. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 横向き旋回 | Circle | A | II |
3. | 一把手上縦向き旋回 | Pommel Loop | B | II |
4. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
5. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
6. | ロス | Russian Travel 3/3 360 | D | IV |
7. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.2
E:8.900
Score:15.100
あん馬はいつものD:6.2。まったく危なげない安定した旋回で演技を通す。
#3 つり輪 SR
1. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
---|---|---|---|---|
2. | アザリアン | Back Roll to Cross | D | IV |
3. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
4. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
6. | ヤマワキ | Yamawaki | C | I |
7. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
8. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
9. | 後方車輪倒立経過 | Back Giant thru Hdst | B | I |
10. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り | Double Back 2/1 | E | V |
D:6.2
E:8.733
Score:14.933
2014年に難度を上げたつり輪は、再びD:6.2の構成に戻している。実施は極めて安定しており、淡々と技を繰り出している印象。着地もピタリと決める。
#4 跳馬 VT
D | E | Pen | Score | ||
リ・シャオペン | RO 1/2 Hdsp Front Lay 5/2 | 6.2 | 9.433 | 15.633 |
2015年に入りついにリ・シャオペン(ロンダート、ひねり前転とび前方伸身宙返り5/2ひねり)を完成させた。やはり内村にはロンダート入りのときのこのルーティーンが似合う。D:6.2の大技にも関わらず早くも自分のものにしているという印象で、着地わずかに跳ねる程度という見事な跳越を見せる。
#5 平行棒 PB
1. | マクーツ | Makuts | E | I |
---|---|---|---|---|
2. | ヒーリー | Healy | D | I |
3. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
5. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
6. | ハラダ | Front Uprise Back Toss 1/2 | D | II |
7. | モリスエ | Morisue | D | I |
8. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.8
E:9.033
Score:15.833
平行棒ではいろいろな構成を試しているが、今大会に向けては全てD難度以上のD:6.8という構成を組んできた。負担の大きいドミトリエンコ(E)を抜いているにも関わらず2013年以降では最高のDスコアになっている。予選ではマクーツが認定されなかったようでD:6.5となったが、団体決勝からは認められている。棒下ひねり倒立がちょっと苦しかったか。着地はここでもピタリ。
#6 鉄棒 HB
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 屈身コバチ | Kovacs Pk | E | II | |
3. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
4. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
5. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.1) |
6. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
7. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
8. | エンドー | Endo | B | III | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.5
E:8.600
Score:15.100
2014年末の豊田国際から屈身コバチを復活させ2015年はD:7.1としているが、団体決勝においてカッシーナ(G)で落下したため、個人総合でも抜いてきた。コールマンもバーに近づきけ上がりになってしまったが、伸身新月面の着地は完璧。世界選手権6連覇を決め、珍しく観客を煽るパフォーマンスを見せる。
Total D:38.8
Total Score:92.332
Rank:1st
今年の内村はリオデジャネイロオリンピックを見据えTotal D:39.4を用意していましたが、予選では平行棒がD:6.5となり、団体決勝と個人総合では鉄棒がD:6.5となったため、6種目で39.4の演技を行うことはできませんでした。しかし、難度を上げてもゆかや跳馬、平行棒の実施はいずれも素晴らしく、Dスコアを上げてもEスコアを決して犠牲にすることのない内村のこだわりがよく現れていたと思います。
一方、世界のライバルたちとの戦いもいつにないものとなりました。3種目めでドネル・ウィッテンバーグ(アメリカ)が0.766差、4種目めでマックス・ウィットロック(イギリス)が0.683差、5種目めでマンリケ・ラルドゥエ(キューバ)が1.200差にまで迫り、いつものようなぶっちぎりの独走とはなりませんでした。特に2位となった19歳のラルドゥエは衝撃の世界選手権デビュー戦となりました。最大の対抗馬と目されたオレグ・ベルニャイエフ(ウクライナ)はあん馬の落下などにより4位に沈みました。
by kaki_aqr
| 2015-10-31 21:00
| 内村航平 UCHIMURA
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