2014年 10月 28日
2014年世界選手権:種目別平行棒の演技構成 |
2014 Worlds Nanning (CHN) EF PB Routine Guide
2014年の世界選手権・南寧大会:種目別平行棒の演技構成です。
#1 KUKSENKOV Nikolai (RUS)
D:6.5
E:7.166
Score:13.666
車輪ディアミドフでバランスを崩し、そのまま続けた車輪(C)を失敗してしまう。ヨーロッパ選手権では前方ダブル(E)だったフィニッシュにひねりを加えるが、ここでも手を突いてしまった。B難度技が入っているため、予定のDスコアからは0.1しか下がっていないがEスコアを大きく落とす。
#2 DENG Shudi (CHN)
D:7.1
E:8.533
Score:15.633
李小鵬が発表して以来使い手がいなかった屈身ドミトリエンコを見せる。さらには屈身モリスエ、屈身ベーレと2回宙返り系の技を多く取り入れた最近では珍しくなった構成。その他の技も全てD難度、E難度でDスコアは驚異の7.1。しかし、団体決勝でも失敗したバブサーでまたもバーに脚を当ててしまう。着地もピタリだっただけに惜しまれるミスとなった。
#3 加藤凌平 KATO Ryohei (JPN)
D:6.7
E:8.966
Score:15.666
ベーレを屈身にして予選からDスコアを0.1アップ。全てD難度以上という構成を目立ったミスなく通し、着地も止める。
#4 VERNIAIEV Oleg (UKR)
D:6.9
E:9.225
Score:16.125
ヨーロッパ選手権では9がツイスト(C)だったが今回は0.1アップさせてきた。D:7.2の構成まで持つため、D:6.9でも実施は非常に安定している。F難度の終末技も止めてなんと16点台のスコアを叩き出す。
#5 田中佑典 TANAKA Yusuke (JPN)
D:6.2
E:8.841
Score:15.041
予定のDスコアは6.6だったが、シャルロ(E)で静止できず。それ以外の実施は素晴らしく、失敗があったにも関わらずEスコアは8.841と高い。本来どおりであれば表彰台は固かっただけに残念。
#6 CHENG Ran (CHN)
D:6.8
E:8.066
Score:14.866
熟練した屈身モリスエを見せた後は、シャルロでバランスを崩しかけるが堪えてなんとか静止させる。その後はおおむね順調に演技を続けていたが、最後の屈身ダブルの着地が大きく乱れてしまった。
#7 LEYVA Danell (USA)
D:6.9
E:9.033
Score:15.933
2011年の優勝者。得意のテン・ハイビンをしっかり決める。倒立系の技を中心とした構成は変わっていないが、宙返り系の技としてハラダが入った。前方ダブルのフィニッシュも止める。棒下ひねり倒立と3/4ひねり倒立が同一枠となった今も3/4ひねりの方を使っている珍しい選手。
#8 WHITTENBURG Donnell (USA)
D:6.1
E:8.266
Score:14.366
棒下ひねり倒立(E)に失敗したうえ、シャルロ(E)も止められず大きくDスコアを下げる。予定のDスコアは6.9。モイから開脚前宙というユニークな連続を行う。
VERNIAIEV Oleg (UKR)
LEYVA Danell (USA)
加藤凌平 KATO Ryohei (JPN)
Dスコアは6点台後半が多いですが、ベルニャイエフはD:7.2まであり、鄧書弟はD:7.1もの構成を用意。また中国ではD:7.1の選手が1国2人の制限で予選落ちするなど、平行棒のDスコアもどんどん上がっています。前方系の終末技でDスコアを上げている選手もかなり増えてきました。
ヨーロッパ選手権でも優勝したベルニャイエフが難度と実施を兼ね備えたレベルの高い演技で頭一つ抜き出て優勝。3年ぶりに決勝進出したレイバも高いEスコアを出して表彰台に上りました。実施で勝負した日本勢は加藤が見事な演技で3位に食い込みました。
2014年の世界選手権・南寧大会:種目別平行棒の演技構成です。
#1 KUKSENKOV Nikolai (RUS)
1. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | ヒーリー | Healy | D | I |
3. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
5. | 車輪ディアミドフ | Giant Diamidov | D | III |
後方車輪倒立〈失敗〉 | Back Giant to Hdst | |||
6. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
7. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
8. | 単棒横向き開脚浮腰上がり倒立 | Side Glide Strd Up to Hdst | B | III |
9. | 前振りひねり倒立 | Stützkehr to Hdst | C | I |
10. | 前方かかえ込み2回宙返りひねり下り | Double Front 1/2 | F | V |
D:6.5
E:7.166
Score:13.666
車輪ディアミドフでバランスを崩し、そのまま続けた車輪(C)を失敗してしまう。ヨーロッパ選手権では前方ダブル(E)だったフィニッシュにひねりを加えるが、ここでも手を突いてしまった。B難度技が入っているため、予定のDスコアからは0.1しか下がっていないがEスコアを大きく落とす。
#2 DENG Shudi (CHN)
1. | 屈身ドミトリエンコ | Dimitrenko Pk | F | II |
---|---|---|---|---|
2. | 屈身モリスエ | Morisue Pk | E | I |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
5. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
6. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
7. | バブサー | Bhavsar | E | III |
8. | チッペルト | Tippelt | D | III |
9. | ヒーリー | Healy | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:7.1
E:8.533
Score:15.633
李小鵬が発表して以来使い手がいなかった屈身ドミトリエンコを見せる。さらには屈身モリスエ、屈身ベーレと2回宙返り系の技を多く取り入れた最近では珍しくなった構成。その他の技も全てD難度、E難度でDスコアは驚異の7.1。しかし、団体決勝でも失敗したバブサーでまたもバーに脚を当ててしまう。着地もピタリだっただけに惜しまれるミスとなった。
#3 加藤凌平 KATO Ryohei (JPN)
1. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
5. | チッペルト | Tippelt | D | III |
6. | モリスエ | Morisue | D | I |
7. | ヒーリー | Healy | D | I |
8. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.7
E:8.966
Score:15.666
ベーレを屈身にして予選からDスコアを0.1アップ。全てD難度以上という構成を目立ったミスなく通し、着地も止める。
#4 VERNIAIEV Oleg (UKR)
1. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
3. | シャルロ | Basket to 1 Rail Hdst | E | IV |
4. | 単棒ヒーリー | 1 Rail Healy | E | I |
5. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
6. | モイ | Moy | C | III |
7. | チッペルト | Tippelt | D | III |
8. | ヒーリー | Healy | D | I |
9. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
10. | 前方かかえ込み2回宙返りひねり下り | Double Front 1/2 | F | V |
D:6.9
E:9.225
Score:16.125
ヨーロッパ選手権では9がツイスト(C)だったが今回は0.1アップさせてきた。D:7.2の構成まで持つため、D:6.9でも実施は非常に安定している。F難度の終末技も止めてなんと16点台のスコアを叩き出す。
#5 田中佑典 TANAKA Yusuke (JPN)
1. | 棒下振り出し腕支持 | Drop Cast | A | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
3. | マクーツ | Makuts | E | I |
4. | ヒーリー | Healy | D | I |
5. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
シャルロ〈失敗〉 | Basket to 1 Rail Hdst | |||
6. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
7. | 前振りひねり倒立 | Stützkehr to Hdst | C | I |
8. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
9. | 単棒横向き閉脚浮腰上がり倒立 | Side Glide L Up to Hdst | C | III |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.2
E:8.841
Score:15.041
予定のDスコアは6.6だったが、シャルロ(E)で静止できず。それ以外の実施は素晴らしく、失敗があったにも関わらずEスコアは8.841と高い。本来どおりであれば表彰台は固かっただけに残念。
#6 CHENG Ran (CHN)
1. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | 屈身モリスエ | Morisue Pk | E | I |
3. | シャルロ | Basket to 1 Rail Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
5. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
6. | ベーレ | Belle | D | III |
7. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
8. | ヒーリー | Healy | D | I |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.8
E:8.066
Score:14.866
熟練した屈身モリスエを見せた後は、シャルロでバランスを崩しかけるが堪えてなんとか静止させる。その後はおおむね順調に演技を続けていたが、最後の屈身ダブルの着地が大きく乱れてしまった。
#7 LEYVA Danell (USA)
1. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
---|---|---|---|---|
2. | テン・ハイビン | Basket to Diamidov | F | IV |
3. | シャルロ | Basket to 1 Rail Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返り3/4ひねり倒立 | Basket 3/4 to Hdst | E | IV |
5. | 車輪ディアミドフひねり | Giant 5/4 Diamidov to 1/4 | E | III |
6. | 車輪ディアミドフ | Giant Diamidov | D | III |
7. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
8. | ハラダ | Front Uprise Back Toss 1/2 | D | II |
9. | 前振りひねり倒立 | Stützkehr to Hdst | C | I |
10. | 前方かかえ込み2回宙返り下り | Double Front | E | V |
D:6.9
E:9.033
Score:15.933
2011年の優勝者。得意のテン・ハイビンをしっかり決める。倒立系の技を中心とした構成は変わっていないが、宙返り系の技としてハラダが入った。前方ダブルのフィニッシュも止める。棒下ひねり倒立と3/4ひねり倒立が同一枠となった今も3/4ひねりの方を使っている珍しい選手。
#8 WHITTENBURG Donnell (USA)
1. | 棒下振り出し腕支持 | Drop Cast | A | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
3. | 後ろ振り倒立 | Back Swing to Hdst | A | I |
棒下宙返りひねり倒立〈失敗〉 | Basket 1/2 to Hdst | |||
シャルロ〈失敗〉 | Basket to 1 Rail Hdst | |||
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
5. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
6. | モイ | Moy | C | III |
7. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
8. | ハラダ | Front Uprise Back Toss 1/2 | D | II |
9. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
10. | 前方かかえ込み2回宙返りひねり下り | Double Front 1/2 | F | V |
D:6.1
E:8.266
Score:14.366
棒下ひねり倒立(E)に失敗したうえ、シャルロ(E)も止められず大きくDスコアを下げる。予定のDスコアは6.9。モイから開脚前宙というユニークな連続を行う。
VERNIAIEV Oleg (UKR)
LEYVA Danell (USA)
加藤凌平 KATO Ryohei (JPN)
Dスコアは6点台後半が多いですが、ベルニャイエフはD:7.2まであり、鄧書弟はD:7.1もの構成を用意。また中国ではD:7.1の選手が1国2人の制限で予選落ちするなど、平行棒のDスコアもどんどん上がっています。前方系の終末技でDスコアを上げている選手もかなり増えてきました。
ヨーロッパ選手権でも優勝したベルニャイエフが難度と実施を兼ね備えたレベルの高い演技で頭一つ抜き出て優勝。3年ぶりに決勝進出したレイバも高いEスコアを出して表彰台に上りました。実施で勝負した日本勢は加藤が見事な演技で3位に食い込みました。
by kaki_aqr
| 2014-10-28 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(2)
Commented
by
名無しのSさん
at 2014-10-28 21:30
x
今回の平行棒は全体的に採点が甘めだったんですかね。
個人総合の時のベルニャイエフのE得点は高めに感じましたし(これに関しては種目別も同様)、内村の演技に関しては最初の棒下倒立ひねりにはじまり、これはかなりやばいんじゃないかと思いましたが(それまでがよかったのでなおさら)、E8.5以上?とかなり高めの点数が出ていました。
リーバの平行棒も手の持ち替えや移動など減点箇所が多々あるようにかんじましたが(特に下りの際の移動は顕著)、Eは9点台と高めに出ているように感じます。
田中の平行棒は今までの中でもかなり実施が素晴らしかったので、E9.3?でも割と納得できたんですが。
ところで田中兄弟の平行棒ですが、実施を重視しているのは演技を見ててもわかるんですが、意識しすぎて動きが他の選手と比べると硬い印象を受けるのですが、どうなんでしょう。
また仮にそうとられた場合多少減点されることはあるんでしょうか?実施を大事にするのもわかりますが、今回のベルニャイエフ(過去だと李小鵬とかですか)のような流れのいいダイナミックな演技も重要だと思うので。
あとひとつだけ
ベルニャイエフのピータースですが、いつも倒立にはまっていない気がするのですが(ひねりでごまかしている印象を受ける)、ここらへんはどう評価されてるのかなあ。
個人総合の時のベルニャイエフのE得点は高めに感じましたし(これに関しては種目別も同様)、内村の演技に関しては最初の棒下倒立ひねりにはじまり、これはかなりやばいんじゃないかと思いましたが(それまでがよかったのでなおさら)、E8.5以上?とかなり高めの点数が出ていました。
リーバの平行棒も手の持ち替えや移動など減点箇所が多々あるようにかんじましたが(特に下りの際の移動は顕著)、Eは9点台と高めに出ているように感じます。
田中の平行棒は今までの中でもかなり実施が素晴らしかったので、E9.3?でも割と納得できたんですが。
ところで田中兄弟の平行棒ですが、実施を重視しているのは演技を見ててもわかるんですが、意識しすぎて動きが他の選手と比べると硬い印象を受けるのですが、どうなんでしょう。
また仮にそうとられた場合多少減点されることはあるんでしょうか?実施を大事にするのもわかりますが、今回のベルニャイエフ(過去だと李小鵬とかですか)のような流れのいいダイナミックな演技も重要だと思うので。
あとひとつだけ
ベルニャイエフのピータースですが、いつも倒立にはまっていない気がするのですが(ひねりでごまかしている印象を受ける)、ここらへんはどう評価されてるのかなあ。
辛めだった鉄棒とは対称的に平行棒はEスコアが出ましたね。レイバの「下りの際の移動」とは前振り上がりのところですか。あれは減点になるんですかね。
田中は見るからに硬い感じがしましたね。減点まであるかどうかは分かりませんが、流れのいい演技はやはり印象がいいですよね。雄大な実施が評価されるのは言わずもがなですし。
Dツイストの倒立は静止までする必要はないですが、今回のベルニャイエフのはちょっとコントロールされていない感があるので減点ですかね。個人総合のときのような実施なら十分な気がします。
田中は見るからに硬い感じがしましたね。減点まであるかどうかは分かりませんが、流れのいい演技はやはり印象がいいですよね。雄大な実施が評価されるのは言わずもがなですし。
Dツイストの倒立は静止までする必要はないですが、今回のベルニャイエフのはちょっとコントロールされていない感があるので減点ですかね。個人総合のときのような実施なら十分な気がします。