2014年 10月 17日
2014年世界選手権:種目別あん馬の演技構成 |
2014 Worlds Nanning (CHN) EF PH Routine Guide
2014年の世界選手権・南寧大会:種目別あん馬の演技構成です。
#1 KEATINGS Daniel (GBR)
D:7.1
E:8.033
Score:15.133
高いDスコアを持つが、あん部馬背ロシアン転向の途中で旋回が乱れる。当然1080°でD:7.2の予定だったと思われるが、720°になり難度が1つ下がる。持ちこたえて立て直したのはさすが。
#2 NADDOUR Alexander (USA)
D:6.8
E:8.500
Score:15.300
アメリカのあん馬要員が予選2位で決勝進出。高難度の技を並べ高いDスコアを持つ。危なげなく演技を通したが、わずかな脚の開きや旋回の乱れが見られEスコアが伸び悩む。
#3 TOMMASONE Cyril (FRA)
D:6.9
E:8.700
Score:15.600
2012年まではグループIIがA難度だったが、旋回倒立技を取り入れて一気にDスコアを上げた。最初の技はE難度になる。セア倒立は以前は脚を開いて行っていたが、脚を閉じることが必要になったためしっかり対応している。終末技でわずかにバランスを崩す。
#4 UDE Filip (CRO)
D:6.7
E:9.083
Score:15.783
B難度の移動技がトップ10技に入るが、ブスナリ(DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回)を使うためDスコアは低くない。体をまっすぐに伸ばした旋回で高いEスコアを出す。
#5 LIKHOVITSKIY Andrey (BLR)
D:6.5
E:8.700
Score:15.200
並みいるスペシャリストたちに比べるとDスコアはやや劣る。コンバインでわずかに脚が開いた以外は安定した旋回を見せる。予選ではE難度だった終末技がD難度になった。
#6 SELIGMAN Robert (CRO)
D:6.4
E:9.000
Score:15.400
Dスコアは6.4と高くはないが旋回の質で勝負するタイプのスペシャリスト。終始足先までまっすぐの旋回を続け高いEスコアを出す。
#7 BERKI Krisztian (HUN)
D:7.0
E:9.033
Score:16.033
今年のヨーロッパ選手権では横向きのシュピンデルを入れていたが、今回はマジャール・シュピンデルにしている。あん部馬背ロシアン転向もしっかり1080°回してD:7.0の構成を完遂する。
#8 BERTONCELJ Saso (SLO)
D:6.7
E:8.833
Score:15.533
横向きのシュピンデルを入れて今年のヨーロッパ選手権からDスコアを0.2上げている。安定した旋回で演技を通し切る。
BERKI Krisztian (HUN)
UDE Filip (CRO)
TOMMASONE Cyril (FRA)
Dスコアはキーティングスとベルキが7点台。これをトマゾンやナドゥール、クロアチアやスロベニアのスペシャリストたちが実施で追う構図となっています。世界最高のDスコアを持つマックス・ウィットロック(イギリス)や前年優勝者の亀山耕平は予選落ち。旋回倒立技の実施は3人。難度を大きく上げられるとはいえ、取り入れるのは簡単ではないようです。セアは倒立と横移動ひねりが半々となりました。
最初の演技者で優勝候補のキーティングスは実施が乱れてしまいましたが、それでも1人も落下しないという締まった展開になりました。みないい旋回を見せてEスコアが伸びましたが、こうなるとDスコアの高い選手が有利。このところ大きな大会で優勝を逃していたベルキが王者に返り咲きました。
2014年の世界選手権・南寧大会:種目別あん馬の演技構成です。
#1 KEATINGS Daniel (GBR)
1. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
3. | DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回 | DSA to Hdst 3/3 360 Lower to Flair | G | II |
4. | あん部馬背ロシアン720°転向 | Russian 720 btw Pommels | D | IV |
5. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:7.1
E:8.033
Score:15.133
高いDスコアを持つが、あん部馬背ロシアン転向の途中で旋回が乱れる。当然1080°でD:7.2の予定だったと思われるが、720°になり難度が1つ下がる。持ちこたえて立て直したのはさすが。
#2 NADDOUR Alexander (USA)
1. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
5. | 横向き旋回1回ひねり | Circle 1/1 Spindle | D | II |
6. | トン・フェイ | Tong Fei | D | IV |
7. | ロス | Russian Travel 3/3 360 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.8
E:8.500
Score:15.300
アメリカのあん馬要員が予選2位で決勝進出。高難度の技を並べ高いDスコアを持つ。危なげなく演技を通したが、わずかな脚の開きや旋回の乱れが見られEスコアが伸び悩む。
#3 TOMMASONE Cyril (FRA)
1. | DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして開脚支持 | DSA to Hdst 3/3 360 Lower to Sup | E | II |
---|---|---|---|---|
2. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
3. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
4. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
5. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.9
E:8.700
Score:15.600
2012年まではグループIIがA難度だったが、旋回倒立技を取り入れて一気にDスコアを上げた。最初の技はE難度になる。セア倒立は以前は脚を開いて行っていたが、脚を閉じることが必要になったためしっかり対応している。終末技でわずかにバランスを崩す。
#4 UDE Filip (CRO)
1. | 正交差横移動ひねり逆交差入れ | Front Double Scissor Travel Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回 | DSA to Hdst 3/3 360 Lower to Flair | G | II |
3. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
4. | 縦向き前移動(1/2) | Front Loop Travel 1/2 | B | III |
5. | あん部馬背ロシアン1080°転向 | Russian 1080 btw Pommels | E | IV |
6. | ベレンキ | Belenki | D | IV |
7. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.7
E:9.083
Score:15.783
B難度の移動技がトップ10技に入るが、ブスナリ(DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回)を使うためDスコアは低くない。体をまっすぐに伸ばした旋回で高いEスコアを出す。
#5 LIKHOVITSKIY Andrey (BLR)
1. | 正交差横移動ひねり逆交差入れ | Front Double Scissor Travel Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
3. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
4. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
5. | トン・フェイ | Tong Fei | D | IV |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | マジャール | Magyar | D | III |
8. | シバド | Sivado | D | III |
9. | 一把手上縦向き旋回 | Pommel Loop | B | II |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.5
E:8.700
Score:15.200
並みいるスペシャリストたちに比べるとDスコアはやや劣る。コンバインでわずかに脚が開いた以外は安定した旋回を見せる。予選ではE難度だった終末技がD難度になった。
#6 SELIGMAN Robert (CRO)
1. | 正交差横移動ひねり逆交差入れ | Front Double Scissor Travel Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | 横向き旋回1回ひねり | Circle 1/1 Spindle | D | II |
3. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
4. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
5. | 縦向き後ろ移動(2/3) | Back Loop Travel 2/3 | B | III |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | ロシアン1080°転向下り | Russian 1080 | D | V |
D:6.4
E:9.000
Score:15.400
Dスコアは6.4と高くはないが旋回の質で勝負するタイプのスペシャリスト。終始足先までまっすぐの旋回を続け高いEスコアを出す。
#7 BERKI Krisztian (HUN)
1. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
5. | あん部馬背ロシアン1080°転向 | Russian 1080 btw Pommels | E | IV |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:7.0
E:9.033
Score:16.033
今年のヨーロッパ選手権では横向きのシュピンデルを入れていたが、今回はマジャール・シュピンデルにしている。あん部馬背ロシアン転向もしっかり1080°回してD:7.0の構成を完遂する。
#8 BERTONCELJ Saso (SLO)
1. | 正交差横移動ひねり逆交差入れ | Front Double Scissor Travel Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | ショーン | Sohn | D | IV |
3. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
4. | 横向き旋回1回ひねり | [Flair | Circle] 1/1 Spindle | D | II |
5. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
6. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
7. | マジャール | Magyar | D | III |
8. | シバド | Sivado | D | III |
9. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.7
E:8.833
Score:15.533
横向きのシュピンデルを入れて今年のヨーロッパ選手権からDスコアを0.2上げている。安定した旋回で演技を通し切る。
BERKI Krisztian (HUN)
UDE Filip (CRO)
TOMMASONE Cyril (FRA)
Dスコアはキーティングスとベルキが7点台。これをトマゾンやナドゥール、クロアチアやスロベニアのスペシャリストたちが実施で追う構図となっています。世界最高のDスコアを持つマックス・ウィットロック(イギリス)や前年優勝者の亀山耕平は予選落ち。旋回倒立技の実施は3人。難度を大きく上げられるとはいえ、取り入れるのは簡単ではないようです。セアは倒立と横移動ひねりが半々となりました。
最初の演技者で優勝候補のキーティングスは実施が乱れてしまいましたが、それでも1人も落下しないという締まった展開になりました。みないい旋回を見せてEスコアが伸びましたが、こうなるとDスコアの高い選手が有利。このところ大きな大会で優勝を逃していたベルキが王者に返り咲きました。
by kaki_aqr
| 2014-10-17 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(2)
Commented
by
かみん
at 2014-10-17 22:37
x
ベルキ選手ってわざわざ難しいやり方を通してますよね。交差倒立二つの間にセアを挟まなかったり、馬背ロシアンから直接ウ・グォニアンにつなげたり。ブスナリを入れずにD7,0を超すところといい、こだわりの職人という感じがして好きです。
が、個人的にはロンドンで見て度肝を抜かれた開脚シュピンデルやってほしかったです…
全体的に、数年前と比べて旋回の質も上がっているように感じます。DもEも両立して、スペシャリストはすごいですね。
が、個人的にはロンドンで見て度肝を抜かれた開脚シュピンデルやってほしかったです…
全体的に、数年前と比べて旋回の質も上がっているように感じます。DもEも両立して、スペシャリストはすごいですね。
こだわりの職人に同感です。ロンドンオリンピック以降、ちょこちょこ構成を変えていましたが、あの開脚シュピンデルが見られないのはちょっと寂しい気もしますね。