マリウス・ウルジカ - 2004年ワールドカップ・グラスゴー大会:平行棒の演技 |
2004 World Cup Glasgow (GBR) EF PB
ルーマニアのマリウス・ウルジカといえばあん馬の名手ですが、平行棒もユニークで見応えのある演技をしていました。
動画は2004年のワールドカップ・グラスゴー大会から。ツイスト単棒持ちからヒーリー連続、そしてオリジナルのウルジカ(前方宙返り1回ひねり腕支持)の流れが見事。ウルジカは現在は格上げされてE難度ですが、なかなか使い手がいない技です。
当時は平行棒にも組合せ加点があったため、このような息つく間もない連続技がしばしば見られました。棒下倒立~ベーレのような組合せは倒立を経過するのであまり連続技という感じがしませんが、支持や懸垂からそのまま次の技につなげるような実施は現在でも組合せ加点を認めて評価をしてもいいのではないかと思ったりします。
難度加点 | 組合せ加点 | |||
単棒横向き開脚浮腰上がり倒立 | B | IV | ||
棒下宙返り倒立 | D | III | 0.1 | |
~ベーレ | E | III | 0.2 | 0.2 |
前振りひねり単棒倒立 | C | I | ||
単棒ヒーリー | E | I | 0.2 | |
~ヒーリー | D | I | 0.1 | 0.2 |
~ウルジカ | D | I | 0.1 | 0.1 |
後ろ振り上がり開脚入れ支持 | B | II | ||
後方屈身2回宙返り下り | D | V | 0.1 |
SV:10.0 (加点1.3/1.2)
Score:9.725
Rank:2nd
演技時間は10点満点制から現在の方式に変わって確実に長くなっていますが、この演技は当時としてもかなりスピーディーだと思います。
モリスエのような後方宙返り系で上腕二頭筋で受けるより、痛みも少ないはずなのに(経験上)、どうしてこの技を試みる人がいないのかと思うばかりです。
ツイストの単棒受けから直接ヒーリー支持の精度もすごいですね。
息をもつかせない短い演技時間、かつての監物永三さんの鉄棒が思い起こされます。
何が難しいと言うと、単純にひねりの技術です。離手時から受けまで身体が1/2回転しかしない間に、tilt twistを掛けなければいけません。
離手時にひねりを加えようとしたら、2本のバーの上に斜めを向いて全身が乗っちゃいます。
しかし、屈伸ベーレ・モリスエ、ドミトリエンコ、などと比べ、Jr.選手にも実施の可能性が秘められた技だと思います。
例えばべーレ~リチャード、タナカ~ホンマなど。
あとあん馬ですがショーン~べズコを実施するとどうなるんですかね?
分割されるのかそれともマクーツなどのようにひとつの技として扱ってもらえるのか?
ショーン~ベズゴは、上向き正全転向が終った背面支持からそのまま下向き逆全転向に入るという感じでしょうか。正面支持を経ていないので1技として認められるかもしれないですが、人間業ではなさそうな感じですね(笑)。