2013年ヨーロッパ選手権：種目別あん馬の演技構成

2013 Europeans Moscow (RUS) EF PH Routine Guide

2013年のヨーロッパ選手権・モスクワ大会：種目別あん馬の演技構成です。

#1 UDE Filip (CRO)

1.	正交差横移動ひねり逆交差入れ	Front Double Scissor Travel Sdw	C	I
	DSA倒立3/3移動〈落下〉	DSA to Hdst 3/3
2.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
3.	縦向き前移動(1/2)	Front Loop Travel 1/2	B	III
4.	あん部馬背縦向き旋回	Loop btw Pommels	B	II
5.	あん部馬背ロシアン1080°転向	Russian 1080 btw Pommels	E	IV
6.	ベレンキ	Belenki	D	IV
7.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
8.	マジャール	Magyar	D	III
9.	シバド	Sivado	D	III
10.	DSA倒立3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3	D	V

D:6.2
E:8.066
Score:14.266

交差の後、DSA倒立に上げるが3/3移動まで行ったところでバランスを崩して落下してしまう。G難度のブスナリを狙ったものと思われる。その後はいい旋回を見せただけに残念。


#2 WHITLOCK Max (GBR)

1.	正交差横移動ひねり逆交差入れ	Front Double Scissor Travel Sdw	C	I
2.	Fコンバイン	2 Flops + R720	F	IV
3.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
4.	縦向き後ろ移動(2/3)	Back Loop Travel 2/3	B	III
5.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
6.	マジャール	Magyar	D	III
7.	シバド	Sivado	D	III
8.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
9.	馬端馬背ロシアン1080°転向	Leather Russian 1080	D	IV
10.	DSA倒立450°ひねり3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3 450	E	V

D:6.7
E:8.800
Score:15.500

Fコンバインを成功させる。シュピンデルでやや腰が曲がるが、その後は立て直し終盤のロシアン系も危なげない。最後もしっかりひねってE難度で下りる。


#3 BERKI Krisztian (HUN)

1.	正交差倒立	Front Scissor to Hdst	D	I
2.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
3.	Eコンバイン	2 Flops + R360	E	IV
4.	縦向き後ろ移動(2/3)	Back Loop Travel 2/3	B	III
5.	馬端馬背ロシアン1080°転向	Leather Russian 1080	D	IV
6.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
7.	マジャール	Magyar	D	III
8.	シバド	Sivado	D	III
9.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
10.	DSA倒立450°ひねり3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3 450	E	V

D:6.7
E:8.833
Score:15.533

ベルキのいつものD:6.7の構成。ゆったりとした大きな旋回で確実に演技を続けていく。終末技でも素晴らしい倒立移動ひねりを見せるが、着地が動くという珍しいミスが出た。


#4 BUSNARI Alberto (ITA)

1.	正交差横移動ひねり逆交差入れ	Front Double Scissor Travel Sdw	C	I
2.	シュテクリB	DSB	B	IV
3.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
4.	Dコンバイン	2 Flops + R180	D	IV
5.	DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回	DSA to Hdst 3/3 360 Lower to Flair	G	II
6.	旋回倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回	Flair to Hdst 3/3 360 Lower to Flair	F	II
7.	正面横移動連続（あん部馬背着手）	Front Travel 3/3 Hands btw P	C	III
8.	マジャール	Magyar	D	III
9.	シバド	Sivado	D	III
10.	旋回倒立450°ひねり3/3移動下り	Flair to Hdst Travel 3/3 450	D	V

D:6.7
E:8.733
Score:15.433

旋回倒立技の難度格上げにより何もしなくてもDスコアが上昇した。ロンドンオリンピックと比べると横移動の技をC難度に落としているにも関わらずDスコアは0.1上がっている。着地直前の倒立で手を上げるアピールが小気味いい。


#5 MERDINYAN Harutyum (ARM)

1.	正交差横移動ひねり逆交差入れ	Front Double Scissor Travel Sdw	C	I
2.	Dコンバイン	2 Flops + R180	D	IV
3.	一把手上縦向き旋回	Pommel Loop	B	II
4.	あん部馬背ロシアン1080°転向	Russian 1080 btw Pommels	E	IV
5.	あん部馬背縦向き旋回	Loop btw Pommels	B	II
6.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
7.	マジャール	Magyar	D	III
8.	シバド	Sivado	D	III
9.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
10.	DSA倒立450°ひねり3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3 450	E	V

D:6.4
E:8.966
Score:15.366

B難度が2つ入りDスコアは6.4と種目別クラスでは高くはないが、実施は非常に安定している印象。最後にフロップを持ってきて終末技につなげるのは最近では珍しくなった構成。


#6 KEATINGS Daniel (GBR)

1.	正交差倒立	Front Scissor to Hdst	D	I
2.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
3.	あん部馬背ロシアン1080°転向	Russian 1080 btw Pommels	E	IV
4.	縦向き後ろ移動(1/2)	Back Loop Travel 1/2	B	III
5.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
6.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
7.	馬端馬背ロシアン1080°転向	Leather Russian 1080	D	IV
8.	マジャール	Magyar	D	III
9.	シバド	Sivado	D	III
10.	DSA倒立450°ひねり3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3 450	E	V

D:6.7
E:8.900
Score:15.600

ロシアン転向を2つ入れて難度を稼ぐ構成。終末技のひねりがややぎこちない感があるが、全体としては危なげない安定した実施。


#7 TRUYENS Donna Donny (BEL)

1.	正交差倒立	Front Scissor to Hdst	D	I
2.	あん部馬背ロシアン1080°転向	Russian 1080 btw Pommels	E	IV
3.	あん部馬背縦向き旋回	Loop btw Pommels	B	II
4.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
5.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
6.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
7.	モギルニー	Moguilny	D	IV
8.	マジャール	Magyar	D	III
9.	シバド	Sivado	D	III
10.	DSA倒立3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3	D	V

D:6.6
E:8.533
Score:15.133

きれいな旋回を見せるが、ウ・グォニアンやモギルニーでは脚が割れてしまった。以前、終末技の倒立が上がらないことがあったが、今回も少し力を使った。


#8 BERTONCELJ Saso (SLO)

1.	正交差横移動ひねり逆交差入れ	Front Double Scissor Travel Sdw	C	I
2.	ショーン	Sohn	D	IV
3.	Eコンバイン	2 Flops + R360	E	IV
4.	一把手上縦向き旋回	Pommel Loop	B	II
5.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
6.	マジャール・シュピンデル	Loop 1/1 Spindle	D	II
7.	マジャール	Magyar	D	III
8.	シバド	Sivado	D	III
9.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
10.	DSA倒立3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3	D	V

D:6.5
E:8.500
Score:15.000

鬼門のコンバインは乗り越えたが、ウ・グォニアンで大きく脚が割れる。何とか落下せず演技を通し切った。


KEATINGS Daniel (GBR)
BERKI Krisztian (HUN)
WHITLOCK Max (GBR)

あん馬はあまり大きなルール改訂がなかったため、2012年以前と比べて演技の傾向に大きな変化はありません。交差系でセア倒立ではなく横移動ひねりが多いことやあん部馬背での技がよく見られることはヨーロッパの特徴でしょうか。難度格上げとなった旋回倒立技はウーデが取り入れたものの落下しており、簡単な技ではないことがうかがえます。

Dスコアの最高は6.7で4人が並び、実施勝負となりました。キーティングは予選は8位でしたが、安定した実施でE:8.900を出して優勝。世界選手権とオリンピック合わせて3連覇中のベルキは小さなミスが出て2位となりました。