2013年 10月 22日
2013年世界選手権:種目別つり輪の演技構成 |
2013 Worlds Antwerp (BEL) EF SR Routine Guide
2013年の世界選手権・アントワープ大会:種目別つり輪の演技構成です。
#1 AIT SAID Samir (FRA)
D:6.8
E:8.700
Score:15.500
後転からの水平技を2つ入れているが、背面水平懸垂を経過するような捌き方が気になる。ナカヤマの十字懸垂で手のひらを開きアピール。フィニッシュ前の倒立で少し傾く。着地がやや低くなり前に跳ねる。
#2 BALANDIN Aleksandr (RUS)
D:6.9
E:8.833
Score:15.733
得意の懸垂からの引き上げ技を2つ見せる。3は新たに申請した技でバランディン3の名が付いた。力技の連続を切るために7の前に難度が計上されないヤマワキを入れている。終末技はムーンサルトに変わった。着地はほぼ止める。
#3 NABARRETE ZANETTI Arthur (BRA)
D:6.8
E:9.000
Score:15.800
2013年のルール改訂に対応し、2012年までの後ろ振り上がり開脚上水平(C)をほん転逆上がり倒立に変えている。予選では背面水平から上水平に引き上げる新技(F)を実施し、4を中水平(E)にしたD:6.9の構成だったが、決勝ではD:6.8にしている。力技の決めが相変らず素晴らしく、着地もピタリと決める。
#4 PINHEIRO RODRIGUES Danny (FRA)
D:6.9
E:7.666
Score:14.566
自身の名も付く上向き中水平を入れてD:6.9という高い構成。2009年は前方系の着地で失敗したが、今回もムーンサルトが低い着地になり前に手を突いてしまう。
#5 WYNN Brandon (USA)
D:6.7
E:8.966
Score:15.666
ピネダ(正面水平懸垂経過十字懸垂)から入るが、続く十字倒立が伸身(E)ではなく屈身で判定された模様で、予選で6.8だったDスコアが0.1下がってしまう。こちらも力技の連続を切るために7の前に脚前挙支持を入れている。着地は止める。
#6 LIU Yang (CHN)
D:6.8
E:8.833
Score:15.633
本家以外なかなか使い手のいないバランディン2から入るが、開始時の懸垂姿勢がかなり気になる。十字倒立の姿勢は素晴らしい。その他の力技の姿勢もよかったが、終末技で脚が開き着地も前に跳ねる。
#7 VAN GELDER Lambertus (NED)
D:6.9
E:8.633
Score:15.533
新たにカルモナ(背面懸垂経過引き上げ十字倒立)などを取り入れF難度技が3つ、D:6.9という高い構成を持ってくる。終末技を久々にムーンサルトに戻し何とか止めるが、相変らず屈身に取られても仕方ないような微妙な姿勢。
#8 山室光史 YAMAMURO Koji (JPN)
D:6.8
E:8.633
Score:15.433
新たに入れた3は2013年から難度格上げになった技。もう少しスムーズに押し上げられるといいが。最後に新月面を取り入れ世界で戦えるDスコアにしてきたのは評価できる。力技の姿勢は、特に後半で腰の曲がりなど気になるところがある。
NABARRETE ZANETTI Arthur (BRA)
BALANDIN Aleksandr (RUS)
WYNN Brandon (USA)
2013年のルール改訂で、グループIII・IVの連続がそれまでの4回までから3回までに変更となりました。種目別クラスの選手はみな例外なく影響を受け構成の見直しをしています。中にはこの連続を区切るためだけにヤマワキや前振り上がり脚前挙を入れている選手も見受けられます。6.8で頭打ち状態だったDスコアですが、今回は終末技がD難度であるにも関わらず6.9にまで上げてきた選手が3人もいました。いずれもE・F難度技が複数入る非常に力強い構成となっています。
ペトロウニアス(ギリシャ)、モランディ(イタリア)、モリナリ(アルゼンチン)がリザーブという予選から熾烈な種目別の争いでした。一つ一つの力技の決めが勝負を分ける実施勝負を制したのはロンドンの金メダリスト、ザネッティ。やはりという感じではありますが、今回は着地も決めて磐石の出来。バランディンを始めとするD:6.9の選手たちを実施で上回りました。
2013年の世界選手権・アントワープ大会:種目別つり輪の演技構成です。
#1 AIT SAID Samir (FRA)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり上水平支持 | Back Roll to Planche | E | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
3. | 伸腕伸身力十字倒立 | Press to Inv-Cross | E | IV |
4. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
6. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
7. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
8. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.8
E:8.700
Score:15.500
後転からの水平技を2つ入れているが、背面水平懸垂を経過するような捌き方が気になる。ナカヤマの十字懸垂で手のひらを開きアピール。フィニッシュ前の倒立で少し傾く。着地がやや低くなり前に跳ねる。
#2 BALANDIN Aleksandr (RUS)
1. | バランディン2 | Vertical Pull Up to Inv-Cross | E | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
3. | バランディン3 | Vertical Pull Up to Planche | E | IV |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
5. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
6. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
ヤマワキ | Yamawaki | C | I | |
7. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
8. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.9
E:8.833
Score:15.733
得意の懸垂からの引き上げ技を2つ見せる。3は新たに申請した技でバランディン3の名が付いた。力技の連続を切るために7の前に難度が計上されないヤマワキを入れている。終末技はムーンサルトに変わった。着地はほぼ止める。
#3 NABARRETE ZANETTI Arthur (BRA)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり上水平支持 | Back Roll to Planche | E | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 背面水平懸垂から引き上げ中水平支持 | Back Lever Press to Maltese | F | IV |
3. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
4. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
5. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
6. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
7. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
8. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.8
E:9.000
Score:15.800
2013年のルール改訂に対応し、2012年までの後ろ振り上がり開脚上水平(C)をほん転逆上がり倒立に変えている。予選では背面水平から上水平に引き上げる新技(F)を実施し、4を中水平(E)にしたD:6.9の構成だったが、決勝ではD:6.8にしている。力技の決めが相変らず素晴らしく、着地もピタリと決める。
#4 PINHEIRO RODRIGUES Danny (FRA)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
---|---|---|---|---|
2. | ロドリゲス | Front Uprise to Victorian | F | III |
3. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
5. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
6. | 上向き中水平支持 | Victorian | E | IV |
7. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
8. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.9
E:7.666
Score:14.566
自身の名も付く上向き中水平を入れてD:6.9という高い構成。2009年は前方系の着地で失敗したが、今回もムーンサルトが低い着地になり前に手を突いてしまう。
#5 WYNN Brandon (USA)
1. | ピネダ(脚前挙) | Front Lever to L-Cross | D | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 伸腕屈身力十字倒立 | Pike Press to Inv-Cross | D | IV |
3. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
5. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
6. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
前振り上がり脚前挙支持 | Front Uprise to L-Sit | B | I | |
7. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
8. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.7
E:8.966
Score:15.666
ピネダ(正面水平懸垂経過十字懸垂)から入るが、続く十字倒立が伸身(E)ではなく屈身で判定された模様で、予選で6.8だったDスコアが0.1下がってしまう。こちらも力技の連続を切るために7の前に脚前挙支持を入れている。着地は止める。
#6 LIU Yang (CHN)
1. | バランディン2 | Vertical Pull Up to Inv-Cross | E | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
3. | 伸腕伸身力十字倒立 | Press to Inv-Cross | E | IV |
ヤマワキ | Yamawaki | C | I | |
4. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
6. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
7. | 伸腕伸身中水平支持 | Press to Maltese | E | IV |
8. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.8
E:8.833
Score:15.633
本家以外なかなか使い手のいないバランディン2から入るが、開始時の懸垂姿勢がかなり気になる。十字倒立の姿勢は素晴らしい。その他の力技の姿勢もよかったが、終末技で脚が開き着地も前に跳ねる。
#7 VAN GELDER Lambertus (NED)
1. | カルモナ | Rear Hang to Inv-Cross | F | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 背面水平懸垂から引き上げ中水平支持 | Back Lever Press to Maltese | F | IV |
3. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
4. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
5. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
6. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV |
7. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
8. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.9
E:8.633
Score:15.533
新たにカルモナ(背面懸垂経過引き上げ十字倒立)などを取り入れF難度技が3つ、D:6.9という高い構成を持ってくる。終末技を久々にムーンサルトに戻し何とか止めるが、相変らず屈身に取られても仕方ないような微妙な姿勢。
#8 山室光史 YAMAMURO Koji (JPN)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
3. | 押し上げ倒立 | Press to Hdst | D | IV |
4. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
6. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
7. | アザリアン | Back Roll to Cross | D | IV |
8. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | F | V |
D:6.8
E:8.633
Score:15.433
新たに入れた3は2013年から難度格上げになった技。もう少しスムーズに押し上げられるといいが。最後に新月面を取り入れ世界で戦えるDスコアにしてきたのは評価できる。力技の姿勢は、特に後半で腰の曲がりなど気になるところがある。
NABARRETE ZANETTI Arthur (BRA)
BALANDIN Aleksandr (RUS)
WYNN Brandon (USA)
2013年のルール改訂で、グループIII・IVの連続がそれまでの4回までから3回までに変更となりました。種目別クラスの選手はみな例外なく影響を受け構成の見直しをしています。中にはこの連続を区切るためだけにヤマワキや前振り上がり脚前挙を入れている選手も見受けられます。6.8で頭打ち状態だったDスコアですが、今回は終末技がD難度であるにも関わらず6.9にまで上げてきた選手が3人もいました。いずれもE・F難度技が複数入る非常に力強い構成となっています。
ペトロウニアス(ギリシャ)、モランディ(イタリア)、モリナリ(アルゼンチン)がリザーブという予選から熾烈な種目別の争いでした。一つ一つの力技の決めが勝負を分ける実施勝負を制したのはロンドンの金メダリスト、ザネッティ。やはりという感じではありますが、今回は着地も決めて磐石の出来。バランディンを始めとするD:6.9の選手たちを実施で上回りました。
by kaki_aqr
| 2013-10-22 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(5)
Commented
by
名無しのSさん
at 2013-10-22 21:52
x
後転からの力技(ここでは上水平、中水平とします)は主に
・懸垂から逆懸垂に持ち込む際に腕もしくは腰が曲がっている(正面水平懸垂などには普段実施しないのであまり馴染みがないのかな?)
・ゆっくりとした実施ではなく少し急ぎ足になっている
・一度停滞して勢いを使って実施をしている
・他の姿勢(十字懸垂、中水平など)から持ち込む際の腰の曲り(一時的とはいえ正面中水平を経過するのでつらいのは仕方ないが)
・背面水平を経過しているような実施(力不足で腹が落ちているようにも見える)
といったものが多いですが(ほかにもあったら教えてください)、
完璧な実施をしているような選手っていますかね?
いろいろ見てきましたがそういった実施例は一度も見たことがないので。
・懸垂から逆懸垂に持ち込む際に腕もしくは腰が曲がっている(正面水平懸垂などには普段実施しないのであまり馴染みがないのかな?)
・ゆっくりとした実施ではなく少し急ぎ足になっている
・一度停滞して勢いを使って実施をしている
・他の姿勢(十字懸垂、中水平など)から持ち込む際の腰の曲り(一時的とはいえ正面中水平を経過するのでつらいのは仕方ないが)
・背面水平を経過しているような実施(力不足で腹が落ちているようにも見える)
といったものが多いですが(ほかにもあったら教えてください)、
完璧な実施をしているような選手っていますかね?
いろいろ見てきましたがそういった実施例は一度も見たことがないので。
採点規則の絵にあるような体も腕もまっすぐなままの実施はなかなかないですね。アザリアンも輪の高さで回っているとすごくかっこいいんですが。これ!という実施があったら私もぜひ教えて欲しいです。
Commented
by
名無しのSさん
at 2013-10-24 22:49
x
バランディンなんかは結構いい方だと思いますね。
ちょっと急ぎ足ではありますが。
ちょっと急ぎ足ではありますが。
Commented
by
名無し
at 2013-10-24 22:52
x
あとアザリアンの実施はなんといっても本家の実施が良いですね。
腕も長いので見栄えもいいですし、ゆったりとした実施なので迫力もありますしね。
腕も長いので見栄えもいいですし、ゆったりとした実施なので迫力もありますしね。
なるほど。バランディン選手は、一旦懸垂にゆっくり下ろす動き(今回だと後転中水平からバランディン3にいくところ)が個人的に好きです。
アザリアン選手の実施はさすがですよね。あの頃の映像を今でもこうしてネットで見られるのは素晴らしいことです。当時は横向きの十字懸垂とかがあったんですよね。
アザリアン選手の実施はさすがですよね。あの頃の映像を今でもこうしてネットで見られるのは素晴らしいことです。当時は横向きの十字懸垂とかがあったんですよね。