2013年 10月 04日
内村航平 - 2013年世界選手権:個人総合の演技構成 |
UCHIMURA Kohei (JPN)
2013 Worlds Antwerp (BEL) AA Routine Guide
内村航平の2013年世界選手権・アントワープ大会:個人総合の演技構成です。
#1 ゆか FX
D:6.4
E:9.158
Score:15.558
2012年ロンドンオリンピックでの構成を踏襲しているが、後方7/2~前宙ひねり(E+B)の連続技をただの後方2回ひねりに変え、かなり難度を落としている。その分実施は安定しており1本目、2本目の着地は動いたものの、後半は内村らしい着地を決めていく。
#2 あん馬 PH
D:6.2
E:8.933
Score:15.133
あん馬でもA難度の旋回がトップ10技に入るなど構成を落としている。実施は素晴らしいが、この方向からの映像だとマジャールやシバドといった縦向き移動の角度がやや気になる。
#3 つり輪 SR
D:6.2
E:8.900
Score:15.100
2013年からの力技の連続制限もあり、十字懸垂からの伸腕伸身中水平支持(E)を抜いて2009年頃と同じ構成になっている。力静止技をしっかりと止め力強さを十分に表現。新月面の着地は動く。
#4 跳馬 VT
2013年は、以前から取り組んでいたヨー2を本格的に用いている。高さは物足りないが、着地をまとめて高いEスコアを出す。
#5 平行棒 PB
D:6.4
E:8.933
Score:15.333
平行棒はかなり構成を変えてきた。棒下ひねり倒立(E)と屈身ベーレ(E)を抜き、代わりに難度格上げとなったマクーツ、そしてヒーリーを入れている。いわゆる車輪ライヘルト(D)は腕支持からのハラダに変更、開脚前宙はモリスエからの連続という珍しい流れになっている。
#6 鉄棒 HB
D:6.9
E:8.633
Score:15.533
演技開始とともに会場が水を打ったように静まり返った。鉄棒も一部構成を変えている。バー上の技から手放し技の連続は0.1点しか組合せ加点が付かなくなったにも関わらず、アドラーひねり~コールマンという新たな組合せを取り入れてきた。コールマンが詰まり気味になりほとんどメリットのない組合せのように思われるが、将来的にカッシーナやコバチといった手放し技同士の組合せにつなげていくための布石だろうか。着地は1歩前に跳ね、はにかんだ笑顔を見せる。
Total D:38.1
Total Score:91.990
Rank:1st
今回の世界選手権、内村はかなり演技構成を落として臨みました。昨年のロンドンオリンピックで用意していたTotal D:39.8の構成をそのまま2013-2016年ルールに当てはめると38.6となりますが、それよりもゆかで0.3、あん馬で0.1、つり輪で0.3、平行棒で0.1、鉄棒で0.1低い構成となっています。しかし、跳馬で0.4上げているため合計では38.1。全体的には負担を抑えながら、跳馬の難度を上げることでTotal Dの減少を最小限にしており、6種目を戦う上で効率の良い構成を用意してきたとも言えそうです。
それでもTotal D:38.1は低いレベルではもちろんありません。そして実施は当然極めて安定したものとなり、淡々と競技を進めているようにすら見えました。内村らしい着地がなかなか見られなかったのは残念でしたが、トップに立った2種目目以降は演技をするごとに2位以下を着々と引き離し、終わってみれば唯1人全種目で15点台を出して圧倒的なスコアで優勝。世界選手権4連覇、オリンピックと合わせて5連覇という空前絶後の記録を達成するとともに、美しい体操が一番であることを証明しました。
2013 Worlds Antwerp (BEL) AA Routine Guide
内村航平の2013年世界選手権・アントワープ大会:個人総合の演技構成です。
#1 ゆか FX
1. | 後方宙返り3/2ひねり | Back 3/2 | C | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~前方宙返り5/2ひねり | + Front 5/2 | E | II | (CV:0.1) |
3. | 前方宙返り1回ひねり | Front 1/1 | C | II | |
4. | ~前方宙返り2回ひねり | + Front 2/1 | D | II | (CV:0.1) |
5. | 後方宙返り5/2ひねり | Back 5/2 | D | III | |
6. | ~前方宙返り3/2ひねり | + Front 3/2 | C | II | (CV:0.1) |
7. | 後方宙返り2回ひねり | Back 2/1 | C | III | |
8. | フェドルチェンコ | Fedorchenko | C | I | |
9. | トーマス | Thomas | D | IV | |
10. | 後方宙返り3回ひねり | Back 3/1 | D | III |
D:6.4
E:9.158
Score:15.558
2012年ロンドンオリンピックでの構成を踏襲しているが、後方7/2~前宙ひねり(E+B)の連続技をただの後方2回ひねりに変え、かなり難度を落としている。その分実施は安定しており1本目、2本目の着地は動いたものの、後半は内村らしい着地を決めていく。
#2 あん馬 PH
1. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 横向き旋回 | Circle | A | II |
3. | 一把手上縦向き旋回 | Pommel Loop | B | II |
4. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
5. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
6. | ロス | Russian Travel 3/3 360 | D | IV |
7. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.2
E:8.933
Score:15.133
あん馬でもA難度の旋回がトップ10技に入るなど構成を落としている。実施は素晴らしいが、この方向からの映像だとマジャールやシバドといった縦向き移動の角度がやや気になる。
#3 つり輪 SR
1. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
---|---|---|---|---|
2. | アザリアン | Back Roll to Cross | D | IV |
3. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
4. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
6. | ヤマワキ | Yamawaki | C | I |
7. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
8. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
9. | 後方車輪倒立経過 | Back Giant thru Hdst | B | I |
10. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り | Double Back 2/1 | E | V |
D:6.2
E:8.900
Score:15.100
2013年からの力技の連続制限もあり、十字懸垂からの伸腕伸身中水平支持(E)を抜いて2009年頃と同じ構成になっている。力静止技をしっかりと止め力強さを十分に表現。新月面の着地は動く。
#4 跳馬 VT
D | E | Pen | Score | ||
ヨー2 | Hdsp Front Lay 5/2 | 6.0 | 9.333 | 15.333 |
2013年は、以前から取り組んでいたヨー2を本格的に用いている。高さは物足りないが、着地をまとめて高いEスコアを出す。
#5 平行棒 PB
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | マクーツ | Makuts | E | I |
3. | ヒーリー | Healy | D | I |
4. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
5. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
6. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
7. | ハラダ | Front Uprise Back Toss 1/2 | D | II |
8. | モリスエ | Morisue | D | I |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.4
E:8.933
Score:15.333
平行棒はかなり構成を変えてきた。棒下ひねり倒立(E)と屈身ベーレ(E)を抜き、代わりに難度格上げとなったマクーツ、そしてヒーリーを入れている。いわゆる車輪ライヘルト(D)は腕支持からのハラダに変更、開脚前宙はモリスエからの連続という珍しい流れになっている。
#6 鉄棒 HB
1. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
3. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
4. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.1) |
5. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
6. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
7. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.1) |
8. | エンドー | Endo | B | III | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.9
E:8.633
Score:15.533
演技開始とともに会場が水を打ったように静まり返った。鉄棒も一部構成を変えている。バー上の技から手放し技の連続は0.1点しか組合せ加点が付かなくなったにも関わらず、アドラーひねり~コールマンという新たな組合せを取り入れてきた。コールマンが詰まり気味になりほとんどメリットのない組合せのように思われるが、将来的にカッシーナやコバチといった手放し技同士の組合せにつなげていくための布石だろうか。着地は1歩前に跳ね、はにかんだ笑顔を見せる。
Total D:38.1
Total Score:91.990
Rank:1st
今回の世界選手権、内村はかなり演技構成を落として臨みました。昨年のロンドンオリンピックで用意していたTotal D:39.8の構成をそのまま2013-2016年ルールに当てはめると38.6となりますが、それよりもゆかで0.3、あん馬で0.1、つり輪で0.3、平行棒で0.1、鉄棒で0.1低い構成となっています。しかし、跳馬で0.4上げているため合計では38.1。全体的には負担を抑えながら、跳馬の難度を上げることでTotal Dの減少を最小限にしており、6種目を戦う上で効率の良い構成を用意してきたとも言えそうです。
それでもTotal D:38.1は低いレベルではもちろんありません。そして実施は当然極めて安定したものとなり、淡々と競技を進めているようにすら見えました。内村らしい着地がなかなか見られなかったのは残念でしたが、トップに立った2種目目以降は演技をするごとに2位以下を着々と引き離し、終わってみれば唯1人全種目で15点台を出して圧倒的なスコアで優勝。世界選手権4連覇、オリンピックと合わせて5連覇という空前絶後の記録を達成するとともに、美しい体操が一番であることを証明しました。
by kaki_aqr
| 2013-10-04 07:02
| 内村航平 UCHIMURA
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Comments(4)
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by
名無しのSさん
at 2013-10-04 08:28
x
跳馬ですがヨー2の場合D6.0なのでは
すいません、コピペミスです…。というか、手違いで書きかけの状態でアップされてしまったようです。失礼いたしました。
それにしても内村すごかったですね。
それにしても内村すごかったですね。
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by
名無しのSさん
at 2013-10-04 22:02
x
実をいいますとまだ見てないんですよ。
学校があったので、見る時間もなく、録画したのを見ようにも誰も体操に関心を示さないので「一人の時に見て」と言われるんですよね(笑)
学校があったので、見る時間もなく、録画したのを見ようにも誰も体操に関心を示さないので「一人の時に見て」と言われるんですよね(笑)
そうだったんですね。もうご覧になられたでしょうか。2位争いもすごい展開でした。