2013年 09月 17日
2012年ロンドンオリンピック:種目別鉄棒の演技構成 |
2012 Olympics London (GBR) EF HB Routine Guide
2012年のロンドンオリンピック:種目別鉄棒の演技構成です。
動画が埋め込みできないので、画像をクリックしてください。
#1 LEYVA Danell (USA)
D:7.2
E:8.633
Score:15.833
リューキンと伸身コバチという派手な手放し技が入る演技構成。アドラーとびからのエンドーにも組合せ加点をあげたくなる。全体的には荒々しい実施で、着地も決まらない。
#2 ZHANG Chenglong (CHN)
D:7.7
E:8.566
Score:16.266
2011年からはモズニクが伸身に変わってDスコアが0.1上がり、技の順番も変わっている。実施はところどころ乱れがあり、着地もほぼ決まっているのだが上体が動いてしまう。
#3 GARIBOV Emin (RUS)
D:7.1
E:8.233
Score:15.333
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまいヤマワキに連続できなかった。全体的にはスマートな技捌き。リバルコが巧い。着地は跳ねる。
#4 ZOU Kai (CHN)
D:7.9
E:8.466
Score:16.366
これまでも連続技中心の構成だったが、さらにその連続技をつなげて4連続技とし、ついにD:7.9にまで達する。アドラー1回ひねりがややぎこちない捌きになった。着地少しよろめく。
#5 HAMBUECHEN Fabiuan (GER)
D:7.5
E:8.900
Score:16.400
3連続技にアドラーひねりも加えて4連続としたD:7.7の構成も練習していたようだが、本番は2011年と同じ構成となった。力強く安定した実施で着地もわずかな跳ねに抑える。
#6 ZONDERLAND Epke (NED)
D:7.9
E:8.633
Score:16.533
カッシーナ~コバチ~コールマンという手放し技の3連続を入れた驚異的な構成を完遂。実施などお構いなしといった感じで、脚割れなどが目に余るが、着地はいつもの強さで止める。
#7 HORTON Jonathan (USA)
D:6.8
E:8.666
Score:15.466
難度の高い手放し技が入るが、連続技は1か所だけでB難度技が2つ入るなどDスコアは高くない。最後はフェドルチェンコ(F)かと思われるような大きな飛び出しだったが、2回ひねりに留まった。
#8 KIM Ji-Hoon (KOR)
D:7.1
E:8.033
Score:15.133
珍しいダブルホップターンが入る。連続技の後が毎回け上がりで流れが悪いのが気になる。着地は大きく乱れる。
ZONDERLAND Epke (NED)
HAMBUECHEN Fabian (GER)
ZOU Kai (CHN)
ついにゾンダーランドと鄒凱がD:7.9に。単なる連続技ではなく3連続、4連続と続けて組合せ加点を大きく稼ぐことが求められるようになってきました。D:6.8~7.2の下位4人はもはや蚊帳の外といった状態です。
世界選手権で2位が2回のゾンダーランドがオリンピックの舞台でついに金メダル。しかし、難度ばかりが重視され、実施はおざなりという演技はやはり憂慮せずにいられません。Eスコアについては、あまりに厳格すぎるとまた色々と問題があるとは思いますが、現状を考えるといま少しは厳しくしてもいいのではないかと思います。
2012年のロンドンオリンピック:種目別鉄棒の演技構成です。
動画が埋め込みできないので、画像をクリックしてください。
#1 LEYVA Danell (USA)
1. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
3. | リューキン | Liukin | F | II | |
4. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
6. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.2) |
7. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
8. | アドラーとび倒立 | Jam Hop | D | IV | |
9. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.2
E:8.633
Score:15.833
リューキンと伸身コバチという派手な手放し技が入る演技構成。アドラーとびからのエンドーにも組合せ加点をあげたくなる。全体的には荒々しい実施で、着地も決まらない。
#2 ZHANG Chenglong (CHN)
1. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
3. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
4. | ~モズニク | + Moznik | E | II | (CV:0.2) |
5. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
7. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
8. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
9. | ~バラバノフ | + Balabanov | D | II | (CV:0.2) |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.7
E:8.566
Score:16.266
2011年からはモズニクが伸身に変わってDスコアが0.1上がり、技の順番も変わっている。実施はところどころ乱れがあり、着地もほぼ決まっているのだが上体が動いてしまう。
#3 GARIBOV Emin (RUS)
1. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
3. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
4. | ~モズニク | + Moznik | E | II | (CV:0.2) |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
6. | ヤマワキ | Yamawaki | D | II | |
7. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
8. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
9. | アドラー | Jam | C | IV | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.1
E:8.233
Score:15.333
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまいヤマワキに連続できなかった。全体的にはスマートな技捌き。リバルコが巧い。着地は跳ねる。
#4 ZOU Kai (CHN)
1. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.2) |
3. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
4. | ~バラバノフ | + Balabanov | D | II | (CV:0.2) |
5. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
6. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
7. | ~ポゴレロフ | + Pogolerov | E | II | (CV:0.2) |
8. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
9. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.9
E:8.466
Score:16.366
これまでも連続技中心の構成だったが、さらにその連続技をつなげて4連続技とし、ついにD:7.9にまで達する。アドラー1回ひねりがややぎこちない捌きになった。着地少しよろめく。
#5 HAMBUECHEN Fabiuan (GER)
1. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | コールマン | Kolman | F | II | |
3. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
4. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
5. | ~ポゴレロフ | + Pogolerov | E | II | (CV:0.2) |
6. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
7. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
8. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.5
E:8.900
Score:16.400
3連続技にアドラーひねりも加えて4連続としたD:7.7の構成も練習していたようだが、本番は2011年と同じ構成となった。力強く安定した実施で着地もわずかな跳ねに抑える。
#6 ZONDERLAND Epke (NED)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
3. | ~コバチ | + Kovacs | D | II | (CV:0.2) |
4. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.2) |
5. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
6. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
7. | ~ゲイロード2 | + Gaylord2 | E | II | (CV:0.2) |
8. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.9
E:8.633
Score:16.533
カッシーナ~コバチ~コールマンという手放し技の3連続を入れた驚異的な構成を完遂。実施などお構いなしといった感じで、脚割れなどが目に余るが、着地はいつもの強さで止める。
#7 HORTON Jonathan (USA)
1. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
---|---|---|---|---|---|
2. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
3. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
4. | コールマン | Kolman | F | II | |
5. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
6. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
7. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
8. | シュタルダー | Stalder | B | III | |
9. | 後方片手車輪 | 1 Arm Back Giant | B | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.8
E:8.666
Score:15.466
難度の高い手放し技が入るが、連続技は1か所だけでB難度技が2つ入るなどDスコアは高くない。最後はフェドルチェンコ(F)かと思われるような大きな飛び出しだったが、2回ひねりに留まった。
#8 KIM Ji-Hoon (KOR)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | コールマン | Kolman | F | II | |
3. | コバチ | Kovacs | D | II | |
4. | 後方とび車輪2回ひねり | Hop 2/1 | D | I | |
5. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
6. | ~バラバノフ | + Balabanov | D | II | (CV:0.2) |
7. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
8. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.1
E:8.033
Score:15.133
珍しいダブルホップターンが入る。連続技の後が毎回け上がりで流れが悪いのが気になる。着地は大きく乱れる。
ZONDERLAND Epke (NED)
HAMBUECHEN Fabian (GER)
ZOU Kai (CHN)
ついにゾンダーランドと鄒凱がD:7.9に。単なる連続技ではなく3連続、4連続と続けて組合せ加点を大きく稼ぐことが求められるようになってきました。D:6.8~7.2の下位4人はもはや蚊帳の外といった状態です。
世界選手権で2位が2回のゾンダーランドがオリンピックの舞台でついに金メダル。しかし、難度ばかりが重視され、実施はおざなりという演技はやはり憂慮せずにいられません。Eスコアについては、あまりに厳格すぎるとまた色々と問題があるとは思いますが、現状を考えるといま少しは厳しくしてもいいのではないかと思います。
by kaki_aqr
| 2013-09-17 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(12)
Commented
by
名無しのSさん
at 2013-09-17 21:15
x
ヤマワキやイェーガーなどの受けによく見られますが、あれは本来そのまま車輪につなげるのが理想的だと思うんですが、蹴上がりやエンドーを行っている選手が多い。
これは減点対象になりうるんでしょうか?
ズーカイのような明らかに勢いが足りないので実施しているのは論外として、内村といった比較的美しい演技をする選手でも用いる場面が見られます(特にヤマワキ)。
個人的には演技の流れが損なわれているような気がするのであまり好ましく思えないんですが、どうなんでしょう。
これは減点対象になりうるんでしょうか?
ズーカイのような明らかに勢いが足りないので実施しているのは論外として、内村といった比較的美しい演技をする選手でも用いる場面が見られます(特にヤマワキ)。
個人的には演技の流れが損なわれているような気がするのであまり好ましく思えないんですが、どうなんでしょう。
個人的にはヤマワキのような車輪につなげにくそうな技からのエンドーは仕方ないと思うんですけど、やはりけ上がりは気になりますよね。審判じゃないのではっきりとしたことは分かりませんが、やはり流れよく車輪につなげている演技とは差をつけなくてはならないと思います。「手放し技において雄大性に欠ける」という減点項目もあるので、その辺で引けるのかなと思っています。
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by
伸身ローチェ
at 2013-09-19 03:46
x
ときどきEスコアに加点があったらどうなるだろうと思ったりします。
Commented
by
ジョージ
at 2013-09-19 20:20
x
け上がりが上手な選手(最近はあまりいませんが)は棒に胴体を一切触れずに勢いよく捌けるので、お腹をつける捌きは基本的に減点してます。おそらく鄒凱くらいの捌きだと0.3は減点があると思います。
>伸身ローチェさん
先日の全米選手権では、高いEスコアや終末技の着ピタに対して内規加点が適用されていましたが、これは選手に実施を意識させるいい内規だと思いました。
先日の全米選手権では、高いEスコアや終末技の着ピタに対して内規加点が適用されていましたが、これは選手に実施を意識させるいい内規だと思いました。
>ジョージさん
いつも勉強になります。ありがとうございます。昔は演技にけ上がりよく入ってましたもんね。
鄒凱はそのけ上がりが3回入ってるからつらいですね。
いつも勉強になります。ありがとうございます。昔は演技にけ上がりよく入ってましたもんね。
鄒凱はそのけ上がりが3回入ってるからつらいですね。
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by
名無しのSさん
at 2013-09-19 22:09
x
個人的にはEスコアには加点を付けるのではなく、減点の基準を大きくしたほうがいいと思います。
生半可な実施であればDスコアの上昇分をEスコアの減点が相殺もしくは上回る(結果的にマイナスになる)ような採点であれば、選手も安易に難度を高めようとはしないでしょうし。
生半可な実施であればDスコアの上昇分をEスコアの減点が相殺もしくは上回る(結果的にマイナスになる)ような採点であれば、選手も安易に難度を高めようとはしないでしょうし。
美しい体操が見たいのはもちろんで、減点はもっとしっかり取って欲しいと思います。ただ、あまり減点幅を大きくしすぎると誰も難しい技をやらないようになるのではという懸念もあるかと思います。きちんと出来るようになるまでやるなと言われればそれももちろんなのですが。無難な構成ばかりというのもつまらないなと思って、今回の記事の最後もちょっと控えめな書き方になりました。
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名無しのSさん
at 2014-01-27 09:04
x
リバルコは、肩の柔軟性がないと実施するのはやっぱり難しいんでしょうか?
ホップターンひねりなんかリバルコすればいいのにと思って見ているんですが。
あと今思ったんですが、鄒凱はいろいろ実施面でいわれていますが、シュタルダーリバルコなど大逆手系がかなりうまいですね。
捌きの後の肩幅も申し分ないですし。
ホップターンひねりなんかリバルコすればいいのにと思って見ているんですが。
あと今思ったんですが、鄒凱はいろいろ実施面でいわれていますが、シュタルダーリバルコなど大逆手系がかなりうまいですね。
捌きの後の肩幅も申し分ないですし。
やはり握りそこねたりするリスクが逆手より大きいんでしょうね。もちろん柔軟性もあると思います。
鄒凱は逆手と変わらないような握り幅ですもんね。本当に大逆手か?と目を凝らしてしまうくらいです。思いつくところではマラスもそんな感じですね。相当な柔軟性を感じます。
鄒凱は逆手と変わらないような握り幅ですもんね。本当に大逆手か?と目を凝らしてしまうくらいです。思いつくところではマラスもそんな感じですね。相当な柔軟性を感じます。
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by
名無しのSさん
at 2014-01-27 21:03
x
やはり柔軟性が必要なんですか。
マンナとかはできるんですかね?
http://www.youtube.com/watch?v=CyjM5DU15bY
マンナとかはできるんですかね?
http://www.youtube.com/watch?v=CyjM5DU15bY
アドラーがいける人ならいけそうな気がしますが、どうなんでしょうね。