2013年 09月 03日
2012年ロンドンオリンピック:種目別あん馬の演技構成 |
2012 Olympics London (GBR) EF PH Routine Guide
2012年のロンドンオリンピック:種目別あん馬の演技構成です。
動画が埋め込みできないので、画像をクリックしてください。
#1 TOMMASONE Cyril (FRA)
D:6.5
E:8.641
Score:15.141
2009年から構成が変わっていない。安定した実施ももちろん大事だが、難度のアップにも取り組んで上位を目指して欲しい。最後は微妙な1回ひねりで下りる。
#2 BUSNARI Alberto (ITA)
D:6.6
E:8.800
Score:15.400
浅海から倒立に上げる技を2つ入れている。特にDSA倒立から1回ひねりと3/3移動を経て旋回に続ける技はF難度で自身の名が付いている。7の移動技も珍しく、非常に個性的な演技構成。実施もおおむねまとめてきた。
#3 HIDVEGI Vid (HUN)
D:6.3
E:8.000
Score:14.300
2011年から技の順番をずいぶん入れ替えているが、ウ・グォニアンの後バランスを崩して落下してしまう。
#4 WHITLOCK Max (GBR)
D:6.6
E:9.000
Score:15.600
地元イギリスの19歳が見事な演技を見せる。後半やや疲れた感もあったが、終末技までしっかりと通し切った。
#5 BERKI Krisztian (HUN)
D:6.9
E:9.166
Score:16.066
予選1位のスミスを上回るため3年ぶりにD:6.9の構成を披露する。開脚旋回や交差の大きさが相変らず素晴らしい。終盤、ウ・グォニアンでバランスを崩すのももはや見せ場か。
#6 NAKONECHNYI Vitalii (UKR)
D:6.3
E:8.466
Score:14.766
A難度技が入り、Dスコアは高くない。危ないところがいくつかあったが最後までなんとか通し切る。
#7 BELYAVSKIY David (RUS)
D:6.3
E:8.433
Score:14.733
こちらもB難度技が2つ入り、Dスコアは高くない。シュピンデルがきわどい実施になり、コンバインでは大きく脚が乱れる。
#8 SMITH Louis (GBR)
D:7.0
E:9.066
Score:16.066
2011年にはGコンバインを見せたが、今回はFコンバイン。いつにない丁寧な捌きを見せ、下りもややぎこちなかったがしっかりひねって、D:7.0という非常に高い構成を通す。
BERKI Krisztian (HUN)
SMITH Louis (GBR)
WHITLOCK Max (GBR)
Dスコアは6.3が3人、6.5~6.6が3人という分布で、ベルキの6.9、スミスの7.0がいかに突き抜けた構成かが分かります。同じような構成が多い中、ブスナリの個性的な構成が異彩を放っています。落下は1人だけと多くの選手が安定した実施を見せました。
レベルの高い争いを見せたベルキとスミスはなんと同点に。Eスコアの高い方が上位というタイブレイクルールによりベルキが金メダルとなりました。スミスもいい実施を見せただけに、地元で金を取らせてあげたかったところですが残念。一方、ウィットロックは嬉しい銅メダルとなりました。
2012年のロンドンオリンピック:種目別あん馬の演技構成です。
動画が埋め込みできないので、画像をクリックしてください。
#1 TOMMASONE Cyril (FRA)
1. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
3. | 横向き旋回 | Circle | A | II |
4. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
5. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.5
E:8.641
Score:15.141
2009年から構成が変わっていない。安定した実施ももちろん大事だが、難度のアップにも取り組んで上位を目指して欲しい。最後は微妙な1回ひねりで下りる。
#2 BUSNARI Alberto (ITA)
1. | 正交差とび横移動逆交差入れ | Front Double Scissor Hop Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | シュテクリB | DSB | B | IV |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
5. | DSA倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回 | DSA to Hdst 3/3 360 Lower to Flair | F | IV |
6. | 旋回倒立1回ひねり3/3移動下ろして旋回 | Flair to Hdst 3/3 360 Lower to Flair | E | II |
7. | 1回の旋回で正面横移動 | Front Hop Travel 3/3 | D | III |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | 旋回倒立450°ひねり3/3移動下り | Flair to Hdst Travel 3/3 450 | D | V |
D:6.6
E:8.800
Score:15.400
浅海から倒立に上げる技を2つ入れている。特にDSA倒立から1回ひねりと3/3移動を経て旋回に続ける技はF難度で自身の名が付いている。7の移動技も珍しく、非常に個性的な演技構成。実施もおおむねまとめてきた。
#3 HIDVEGI Vid (HUN)
1. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 縦向き後ろ移動(2/3) | Back Loop Travel 2/3 | B | III |
3. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
4. | 馬端中向き旋回 | Front Loop | A | II |
5. | ウ・グォニアン〈この後落下〉 | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
6. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
7. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.3
E:8.000
Score:14.300
2011年から技の順番をずいぶん入れ替えているが、ウ・グォニアンの後バランスを崩して落下してしまう。
#4 WHITLOCK Max (GBR)
1. | 正交差とび横移動逆交差入れ | Front Double Scissor Hop Sdw | C | I |
---|---|---|---|---|
2. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | 縦向き後ろ移動(2/3) | Back Loop Travel 2/3 | B | III |
5. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
6. | マジャール | Magyar | D | III |
7. | シバド | Sivado | D | III |
8. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
9. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.6
E:9.000
Score:15.600
地元イギリスの19歳が見事な演技を見せる。後半やや疲れた感もあったが、終末技までしっかりと通し切った。
#5 BERKI Krisztian (HUN)
1. | 横向き旋回1回ひねり | Flair 1/1 Spindle | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
5. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
6. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
7. | マジャール | Magyar | D | III |
8. | シバド | Sivado | D | III |
9. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:6.9
E:9.166
Score:16.066
予選1位のスミスを上回るため3年ぶりにD:6.9の構成を披露する。開脚旋回や交差の大きさが相変らず素晴らしい。終盤、ウ・グォニアンでバランスを崩すのももはや見せ場か。
#6 NAKONECHNYI Vitalii (UKR)
1. | 正交差ひねり逆交差入れ | Front Double Scissor | B | I |
---|---|---|---|---|
2. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | 馬端中向き旋回 | Front Loop | A | II |
5. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.3
E:8.466
Score:14.766
A難度技が入り、Dスコアは高くない。危ないところがいくつかあったが最後までなんとか通し切る。
#7 BELYAVSKIY David (RUS)
1. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | ショーン | Sohn | D | IV |
3. | 縦向き後ろ移動(2/3) | Back Loop Travel 2/3 | B | III |
4. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
5. | Eコンバイン | 2 Flops + R360 | E | IV |
6. | シュテクリB | DSB | B | IV |
7. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.3
E:8.433
Score:14.733
こちらもB難度技が2つ入り、Dスコアは高くない。シュピンデルがきわどい実施になり、コンバインでは大きく脚が乱れる。
#8 SMITH Louis (GBR)
1. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | 正交差倒立 | Front Scissor to Hdst | D | I |
3. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
4. | Fコンバイン | 2 Flops + R720 | F | IV |
5. | マジャール・シュピンデル | Loop 1/1 Spindle | D | II |
6. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
7. | 馬端馬背ロシアン1080°転向 | Leather Russian 1080 | D | IV |
8. | マジャール | Magyar | D | III |
9. | シバド | Sivado | D | III |
10. | DSA倒立450°ひねり3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 450 | E | V |
D:7.0
E:9.066
Score:16.066
2011年にはGコンバインを見せたが、今回はFコンバイン。いつにない丁寧な捌きを見せ、下りもややぎこちなかったがしっかりひねって、D:7.0という非常に高い構成を通す。
BERKI Krisztian (HUN)
SMITH Louis (GBR)
WHITLOCK Max (GBR)
Dスコアは6.3が3人、6.5~6.6が3人という分布で、ベルキの6.9、スミスの7.0がいかに突き抜けた構成かが分かります。同じような構成が多い中、ブスナリの個性的な構成が異彩を放っています。落下は1人だけと多くの選手が安定した実施を見せました。
レベルの高い争いを見せたベルキとスミスはなんと同点に。Eスコアの高い方が上位というタイブレイクルールによりベルキが金メダルとなりました。スミスもいい実施を見せただけに、地元で金を取らせてあげたかったところですが残念。一方、ウィットロックは嬉しい銅メダルとなりました。
by kaki_aqr
| 2013-09-03 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(9)
Commented
by
名無しのSさん
at 2013-09-03 22:13
x
あん馬は正直あまり詳しくないので何とも言えないのですが、最近は肖欽のような実施の美しさで魅せる選手というのがいないようですね。
もちろんこれは自分が肖欽に入れ込んでいたり、自分が知らないだけで他にいるのかもしれませんが。
張宏涛なんかは肖欽に匹敵もしくはそれ以上の選手(実施の美しさにおいて)だと思うんですが、今回のオリンピックしかり近年の世選には
姿を現していないのですが、どうなんだろう。
ほかの種目がダメだとか?
まあそれはともかく、あん馬はDスコアにおいてはだいぶ上がってきたと思うので、今後はDスコアではなくEスコア、つまり実施の面での向上を選手に目指してもらいたいですね。
まあ口だけの自分が言うのもなんですが。
もちろんこれは自分が肖欽に入れ込んでいたり、自分が知らないだけで他にいるのかもしれませんが。
張宏涛なんかは肖欽に匹敵もしくはそれ以上の選手(実施の美しさにおいて)だと思うんですが、今回のオリンピックしかり近年の世選には
姿を現していないのですが、どうなんだろう。
ほかの種目がダメだとか?
まあそれはともかく、あん馬はDスコアにおいてはだいぶ上がってきたと思うので、今後はDスコアではなくEスコア、つまり実施の面での向上を選手に目指してもらいたいですね。
まあ口だけの自分が言うのもなんですが。
まぁでも肖欽や張宏涛の旋回はちょっと別格のような気もします。今年の世選は団体戦がありませんが、団体があるとやはり1種目だけ強くても出られないのでしょうね。
Commented
by
ジョージ
at 2013-09-07 22:16
x
張宏涛の他の種目の映像は平行棒くらいしか見たことがないです。おそらくそれ以外の種目はほとんど練習自体やってないと思います。
肖欽や張宏涛の旋回は背面支持局面での肩角度の大きさにあります。柔軟性が相当高くないとできないので、元々の柔軟性が高くて競技を始めた時期が早い選手でないと不可能だと思います。
肖欽や張宏涛の旋回は背面支持局面での肩角度の大きさにあります。柔軟性が相当高くないとできないので、元々の柔軟性が高くて競技を始めた時期が早い選手でないと不可能だと思います。
そこが「腰の高い旋回」と言われるところなんですね。彼らのあん馬はロシアン転向での姿勢や交差の大きさなども素晴らしいと思います。
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名無しのSさん
at 2013-10-18 13:29
x
http://www.youtube.com/watch?v=l-9CX-WOoAQ
これ要素詰め込みすぎな気がするんですが、いまだとDスコアはどんなもんなんでしょう?
これ要素詰め込みすぎな気がするんですが、いまだとDスコアはどんなもんなんでしょう?
確かに要素は多いですね。ただ、今のルールだと難度を取れる技はあまり多くなさそうです。B難度以上はマジャール、シバド、シュテクリB、シュテクリA、Bループ、シュピンデル、1/2シュピンデル、終末くらいでしょうか。フロップが取れないのが痛い。あとはA難度を2つひろって、終末がCなのでD:4.8ってところですかね。自信はありませんが。
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名無しのSさん
at 2013-10-20 02:07
x
じゃあ仮に彼が今の規則にのって演技構成を作った場合、Dスコアはどれだけあげて、Eスコアはどれぐらい伸びると思いますか?
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伸身ローチェ
at 2013-10-20 16:58
x
いまなら
マジャール移動、シバド移動、Eフロップ、D?コンバイン、馬背シュピンデル、馬端シュピンデル、横向き開脚旋回、DSA倒立3/3移動降り
みたいになるんでしょうか技の傾向からいって、難度の時代的な水準やらEスコアは分かりませんが。
マジャール移動、シバド移動、Eフロップ、D?コンバイン、馬背シュピンデル、馬端シュピンデル、横向き開脚旋回、DSA倒立3/3移動降り
みたいになるんでしょうか技の傾向からいって、難度の時代的な水準やらEスコアは分かりませんが。
こればかりは時代もルールも違うので何とも言えないですねぇ。Dスコアも今のルールで出してはみましたが、選手はその時のルールで出来る限りの演技をしているわけで、後世のルールで計算してしまうのもほとんど意味がないんですよね。
構成は伸身ローチェさんが書いてくださっているような感じになるでしょうね。フロップ系は今のルールに従って普通に対応できそうですが、具体的にDスコアがどこまでというのはちょっと分からないですね。旋回の質はかなり高いのでEはかなり出そうです。
構成は伸身ローチェさんが書いてくださっているような感じになるでしょうね。フロップ系は今のルールに従って普通に対応できそうですが、具体的にDスコアがどこまでというのはちょっと分からないですね。旋回の質はかなり高いのでEはかなり出そうです。