2013年 08月 13日
2011年世界選手権:種目別平行棒の演技構成 |
2011 Worlds Tokyo (JPN) EF PB Routine Guide
2011年の世界選手権・東京大会:種目別平行棒の演技構成です。
#1 BERBECAR Marius (ROU)
D:6.6
E:8.666
Score:15.266
テンポよく技を繰り出していく。当時まだ珍しかったバブサー(懸垂前振り上がり開脚抜き懸垂)で場内がどよめく。着地は後ろに1歩。
#2 TSOLAKIDIS Vasileios (GRE)
D:6.5
E:9.033
Score:15.533
2009年に入っていたディアミドフひねり(D)を腕支持から行ってDスコアを0.2アップさせている。これはオリジナル技でツォラキディス2の名が付いている。リチャードなども入り腕支持からの振り上がり技が非常に得意な様子。着地も止める。B難度技が2つ入っており、まだDスコアを上げられる余地がある。
#3 FENG Zhe (CHN)
D:6.6
E:8.600
Score:15.200
5のところで棒下宙返り3/4倒立(E)がぶれ、単棒横向き懸垂で外に出てしまった。予定のDスコアは6.9だったが、2009年2位、2010年優勝のスペシャリストがまさかのミス。
#4 LEYVA Danell (USA)
D:6.4
E:9.233
Score:15.633
F難度のテン・ハイビン(棒下宙返り片腕支持1回ひねり倒立)をまずきれいに決める。その後も流れよくディアミドフ系や倒立系の技を決めていく。2回宙返り系の技を入れず、減点の少ない演技構成と言える。着地も止める。
#5 田中和仁 TANAKA Kazuhito (JPN)
D:6.8
E:8.366
Score:15.166
入り技の腕支持カットでバータッチの大過失。一瞬のことで観客には分からないようなミスだったかもしれないが、大きな減点となる。その後は田中和仁ならではの線の美しい実施を見せる。特にモリスエや終末技の屈身姿勢は素晴らしい。着地も余裕を持ってピタリと決めただけに最初のミスが惜しまれる。
#6 CUCHERAT Yann (FRA)
D:6.4
E:8.933
Score:15.333
ピータースがちょっと流れた感じだったが、演技は無難にまとめる。着地は前に両足1歩。
#7 ZHANG Chenglong (CHN)
D:6.5
E:9.033
Score:15.533
鉄棒のイメージがあるが平行棒も得意な選手。流れのいい演技構成で、実施も一つ一つ大きく決めている。着地は踏ん張ったが1歩動く。
#8 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
D:6.5
E:9.000
Score:15.500
個人総合と同じ構成。3の倒立で1歩歩いてしまう。その後は安定した実施で、着地もピタリと止める。
LEYVA Danell (USA)
TSOLAKIDIS Vasileios (GRE)
ZHANG Chenglong (CHN)
Dスコアは、6.9予定だった馮喆と6.8の田中和仁が抜き出ていましたが、その2人にミスが出ました。その他の選手は6.4~6.6という構成。終末技は2009年から3年に渡り全員が屈身ダブルという状況が続いています。Dスコアを上げるためには終末技の難度アップも重要と思われます。
棒下系と、ベーレやモリスエといった2回宙返り系による構成が相変わらず主流ですが、独特の構成を持つレイバが優勝、ツォラキディスが2位となりました。今後はこのような演技構成の研究が進むのではないでしょうか。田中和仁はD:6.8で優勝のチャンスもあったと思いますが、まさかのミスが出てしまいました。内村は2位との差わずか0.033で、倒立で歩くミスがなければ間違いなく入れ替わっていたでしょう。
2011年の世界選手権・東京大会:種目別平行棒の演技構成です。
#1 BERBECAR Marius (ROU)
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
3. | シャルロ | Basket to 1 Rail Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
5. | ベーレ | Belle | D | III |
6. | バブサー | Bhavsar | E | III |
7. | チッペルト | Tippelt | D | III |
8. | ヒーリー | Healy | D | I |
9. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.6
E:8.666
Score:15.266
テンポよく技を繰り出していく。当時まだ珍しかったバブサー(懸垂前振り上がり開脚抜き懸垂)で場内がどよめく。着地は後ろに1歩。
#2 TSOLAKIDIS Vasileios (GRE)
1. | け上がり開脚抜き倒立 | Glide Kip Strd Cut to Hdst | B | III |
---|---|---|---|---|
2. | ツォラキディス2 | Front Uprise 5/4 Diamidov to 1/4 | F | II |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | リチャード | Front Uprise Diamidov | E | II |
5. | ツォラキディス | Front Uprise Makuts | E | II |
6. | ヒーリー | Healy | D | I |
7. | 前方屈身2回宙返り腕支持 | Double Front Pk to UA | E | I |
8. | 後ろ振り上がり開脚入れ伸腕支持 | Back Uprise Strd Cut to Sup | B | II |
9. | ディアミドフ | Diamidov | C | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.5
E:9.033
Score:15.533
2009年に入っていたディアミドフひねり(D)を腕支持から行ってDスコアを0.2アップさせている。これはオリジナル技でツォラキディス2の名が付いている。リチャードなども入り腕支持からの振り上がり技が非常に得意な様子。着地も止める。B難度技が2つ入っており、まだDスコアを上げられる余地がある。
#3 FENG Zhe (CHN)
1. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
---|---|---|---|---|
2. | モリスエ | Morisue | D | I |
3. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
棒下宙返り3/4ひねり倒立〈失敗〉 | Basket 3/4 to Hdst | |||
5. | 単棒横向き開脚浮腰上がり倒立 | Side Glide Strd Up to Hdst | B | III |
6. | 前方開脚5/4宙返り支持 | 5/4 Front Strd to Sup | E | I |
7. | ヒーリー | Healy | D | I |
8. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
9. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.6
E:8.600
Score:15.200
5のところで棒下宙返り3/4倒立(E)がぶれ、単棒横向き懸垂で外に出てしまった。予定のDスコアは6.9だったが、2009年2位、2010年優勝のスペシャリストがまさかのミス。
#4 LEYVA Danell (USA)
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | テン・ハイビン | Basket to Diamidov | F | IV |
3. | 棒下宙返り3/4ひねり倒立 | Basket 3/4 to Hdst | E | IV |
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
5. | 車輪ディアミドフひねり | Giant 5/4 Diamidov to 1/4 | E | III |
6. | 車輪ディアミドフ | Giant Diamidov | D | III |
7. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
8. | ディアミドフ | Diamidov | C | I |
9. | 前振りひねり倒立 | Stützkehr to Hdst | C | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.4
E:9.233
Score:15.633
F難度のテン・ハイビン(棒下宙返り片腕支持1回ひねり倒立)をまずきれいに決める。その後も流れよくディアミドフ系や倒立系の技を決めていく。2回宙返り系の技を入れず、減点の少ない演技構成と言える。着地も止める。
#5 田中和仁 TANAKA Kazuhito (JPN)
1. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返り3/4ひねり倒立 | Basket 3/4 to Hdst | E | IV |
3. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
4. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
5. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
6. | 屈身モリスエ | Morisue Pk | E | I |
7. | 前振りひねり倒立 | Stützkehr to Hdst | C | I |
8. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
9. | 単棒横向き閉脚浮腰上がり倒立 | Side Glide L Up to Hdst | C | III |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.8
E:8.366
Score:15.166
入り技の腕支持カットでバータッチの大過失。一瞬のことで観客には分からないようなミスだったかもしれないが、大きな減点となる。その後は田中和仁ならではの線の美しい実施を見せる。特にモリスエや終末技の屈身姿勢は素晴らしい。着地も余裕を持ってピタリと決めただけに最初のミスが惜しまれる。
#6 CUCHERAT Yann (FRA)
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
3. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
4. | ベーレ | Belle | D | III |
5. | チッペルト | Tippelt | D | III |
6. | 前方開脚5/4宙返り支持 | 5/4 Front Strd to Sup | E | I |
7. | ヒーリー | Healy | D | I |
8. | ピータース | Back Toss 1/4 to Hdst | D | I |
9. | 単棒横向き閉脚浮腰上がり倒立 | Side Glide L Up to Hdst | C | III |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.4
E:8.933
Score:15.333
ピータースがちょっと流れた感じだったが、演技は無難にまとめる。着地は前に両足1歩。
#7 ZHANG Chenglong (CHN)
1. | 後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持 | Back Uprise Front Pk to Sup | D | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返り3/4ひねり倒立 | Basket 3/4 to Hdst | E | IV |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
5. | 車輪ディアミドフ | Giant Diamidov | D | III |
6. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
7. | ディアミドフ | Diamidov | C | I |
8. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
9. | ヒーリー | Healy | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.5
E:9.033
Score:15.533
鉄棒のイメージがあるが平行棒も得意な選手。流れのいい演技構成で、実施も一つ一つ大きく決めている。着地は踏ん張ったが1歩動く。
#8 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
5. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
6. | 屈身ベーレ | Belle Pk | E | III |
7. | モリスエ | Morisue | D | I |
8. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.5
E:9.000
Score:15.500
個人総合と同じ構成。3の倒立で1歩歩いてしまう。その後は安定した実施で、着地もピタリと止める。
LEYVA Danell (USA)
TSOLAKIDIS Vasileios (GRE)
ZHANG Chenglong (CHN)
Dスコアは、6.9予定だった馮喆と6.8の田中和仁が抜き出ていましたが、その2人にミスが出ました。その他の選手は6.4~6.6という構成。終末技は2009年から3年に渡り全員が屈身ダブルという状況が続いています。Dスコアを上げるためには終末技の難度アップも重要と思われます。
棒下系と、ベーレやモリスエといった2回宙返り系による構成が相変わらず主流ですが、独特の構成を持つレイバが優勝、ツォラキディスが2位となりました。今後はこのような演技構成の研究が進むのではないでしょうか。田中和仁はD:6.8で優勝のチャンスもあったと思いますが、まさかのミスが出てしまいました。内村は2位との差わずか0.033で、倒立で歩くミスがなければ間違いなく入れ替わっていたでしょう。
by kaki_aqr
| 2013-08-13 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(5)
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by
名無しのSさん
at 2013-08-15 02:23
x
リーバの平行棒は素晴らしいですね。
こういった流れのある演技というのは見ていて気持ちいいですし。
バルセロナ五輪でのシェルボの演技に通じるものがありますね。
Ka.Ki. さんがおっしゃるように皆がベーレ等を実施する中独自の演技で構成してくるのも素晴らしいですし。
リーバ選手は個人総合だったかな?で鉄棒で落下して(確かリューキンで顎をぶつけた)落胆しているところをコーチ兼父親に慰められているのがすごくかわいそうだったので、平行棒での優勝は良かったねとも思えましたし。
こういった流れのある演技というのは見ていて気持ちいいですし。
バルセロナ五輪でのシェルボの演技に通じるものがありますね。
Ka.Ki. さんがおっしゃるように皆がベーレ等を実施する中独自の演技で構成してくるのも素晴らしいですし。
リーバ選手は個人総合だったかな?で鉄棒で落下して(確かリューキンで顎をぶつけた)落胆しているところをコーチ兼父親に慰められているのがすごくかわいそうだったので、平行棒での優勝は良かったねとも思えましたし。
リーバの平行棒はいいですね。テンポがよすぎて、もう終末技?って思ってしまうくらいです。
そうですね、個人総合の鉄棒でした。私もまったく同じように思いました。良かったですよね。
そうですね、個人総合の鉄棒でした。私もまったく同じように思いました。良かったですよね。
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名無しのSさん
at 2014-02-03 04:00
x
リーバは開脚抜き倒立がかなりうまいですね。
脚が棒にくっつきそうな実施が多々あったりする中、安心して見られます。
脚が棒にくっつきそうな実施が多々あったりする中、安心して見られます。
確かにかなり腰が高くていいですね。ただ、この前振り上がりはあまりよくないと思います。他にグループIIの技もないし腕支持は苦手なのかもしれません。
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名無しのSさん
at 2014-02-03 21:00
x
確かに力に頼りがちな印象を受けますね。