2013年 06月 07日
内村航平 - 2012年ロンドンオリンピック:個人総合の演技構成 |
UCHIMURA Kohei (JPN)
2012 Olympics London (GBR) AA Routine Guide
内村航平の2012年ロンドンオリンピック:個人総合の演技構成です。
動画が埋め込みできないので、画像をクリックしてください。
#1 あん馬 PH
D:6.3
E:8.766
Score:15.066
予選でミスがあり個人総合9位通過となってしまった内村。決勝もあん馬からという異例のローテーションとなった。そのあん馬は予選で落下した上、なんと終末技を実施できず12.466(D:5.4)というスコア。団体決勝でも終末技に失敗し、抗議の末にDスコアが修正され、辛くも銀メダルを獲得するという波乱の展開を見せた。固唾を呑んで見守るスタート種目となったが、コンバインでバランスを崩しかけまたも見る者をヒヤリとさせる。その後はしっかりと建て直し、緊張の終末技を今大会初めて決めた。
#2 つり輪 SR
D:6.5
E:8.833
Score:15.333
構成は2011年と同じ。つり輪は今大会問題なく予選でE:8.466、団体決勝でE:8.633と尻上がりの実施を見せている。新月面の着地は前に1歩跳ねる。
#3 跳馬 VT
跳馬はロンドンでもシューフェルトで臨んできた。予選ではラインオーバーもあったが、個人総合では目の覚めるような完璧な着地を見せ、完全に調子を取り戻す。
#4 平行棒 PB
D:6.4
E:8.925
Score:15.325
従来と同じ構成だが、これまでベーレとモリスエの間に入れていた前振りカットをやらなくなっている。元々Dスコアに関与しない技だったが、何か他の技に失敗したときのためにこれまで入れていたのだろうか。予選、団体決勝ではベーレは屈身でD:6.5だったが、個人総合ではかかえ込みにして確実な実施を優先している。
#5 鉄棒 HB
D:6.9
E:8.700
Score:15.600
鉄棒は今大会D:7.2の構成を基本としていたが、予選でコールマン(F)で落下、種目別決勝への進出を逃している。種目別ではD:7.7~7.8の構成を用意していたと思われ、メダル圏内だっただけに非常に残念だった。コールマンはポディウムトレーニングの際にも落下しており、個人総合では外して安全策を取ってきた。一方、昨年の種目別で披露したカッシーナは完全に安定しており、今大会では予選から完璧な実施を見せている。新月面の着地は手を回したがピタリと決める。
#6 ゆか FX
D:6.7
E:8.400
Score:15.100
新たに後方7/2~前宙ひねりを取り入れ、後方3/2からの連続をヴァン・ローン(D)から前方5/2に変えて、ひねり技のみの構成でD:6.7と昨年の種目別と同じDスコアを実現している。実施も安定しているようで、予選から全てこの構成で通してきた。しかし、個人総合では前方5/2が低くなり手を突くミス。最後の3回ひねりも後ろに跳ねてしまい、観客に申し訳なさそうにする仕草が印象的だった。
Total D:39.4
Total Score:92.690
Rank:1st
世界選手権3連覇中の絶対王者として金メダル確実といわれた内村でしたが、やはりというべきかオリンピックではまさかの展開が待っていました。Total Dは39.8の構成を用意していましたが、予選ではあん馬と鉄棒で失敗、団体決勝でもあん馬でミス。個人総合では平行棒と鉄棒で安全策と、結局大会を通じて一度も39.8の演技を行うことはできなかったということになります。それでも銀メダルのマルセル・ニューエン(ドイツ)には1.659の大差をつけており、個人総合での圧倒的な強さを見せつける結果となったのはさすがとしか言いようがありません。
2012 Olympics London (GBR) AA Routine Guide
内村航平の2012年ロンドンオリンピック:個人総合の演技構成です。
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#1 あん馬 PH
1. | 逆交差倒立 | Back Scissor to Hdst | D | I |
---|---|---|---|---|
2. | Eフロップ | 4 Flops | E | IV |
3. | Dコンバイン | 2 Flops + R180 | D | IV |
4. | ロス | Russian Travel 3/3 360 | D | IV |
5. | ウ・グォニアン | Russian Travel 3/3 720 | E | IV |
6. | マジャール | Magyar | D | III |
7. | シバド | Sivado | D | III |
8. | 一把手上縦向き旋回 | Pommel Loop | B | II |
9. | 縦向き後ろ移動(2/3) | Back Loop Travel 2/3 | B | III |
10. | DSA倒立3/3移動下り | DSA to Hdst Travel 3/3 | D | V |
D:6.3
E:8.766
Score:15.066
予選でミスがあり個人総合9位通過となってしまった内村。決勝もあん馬からという異例のローテーションとなった。そのあん馬は予選で落下した上、なんと終末技を実施できず12.466(D:5.4)というスコア。団体決勝でも終末技に失敗し、抗議の末にDスコアが修正され、辛くも銀メダルを獲得するという波乱の展開を見せた。固唾を呑んで見守るスタート種目となったが、コンバインでバランスを崩しかけまたも見る者をヒヤリとさせる。その後はしっかりと建て直し、緊張の終末技を今大会初めて決めた。
#2 つり輪 SR
1. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III |
---|---|---|---|---|
2. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV |
3. | 伸腕伸身中水平支持 | Press to Maltese | E | IV |
4. | 後ろ振り上がり十字倒立 | Back Uprise to Inv-Cross | D | III |
5. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II |
6. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I |
7. | ヤマワキ | Yamawaki | C | I |
8. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II |
10. | 後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り | Double Back 2/1 | E | V |
D:6.5
E:8.833
Score:15.333
構成は2011年と同じ。つり輪は今大会問題なく予選でE:8.466、団体決勝でE:8.633と尻上がりの実施を見せている。新月面の着地は前に1歩跳ねる。
#3 跳馬 VT
D | E | Pen | Score | ||
シューフェルト | Yurchenko Lay 5/2 | 6.6 | 9.666 | 16.266 |
跳馬はロンドンでもシューフェルトで臨んできた。予選ではラインオーバーもあったが、個人総合では目の覚めるような完璧な着地を見せ、完全に調子を取り戻す。
#4 平行棒 PB
1. | 前振り上がり開脚抜き倒立 | Front Uprise Strd Cut to Hdst | B | II |
---|---|---|---|---|
2. | 棒下宙返りひねり倒立 | Basket 1/2 to Hdst | E | IV |
3. | 棒下宙返り倒立 | Basket to Hdst | D | IV |
4. | 後方車輪倒立 | Back Giant to Hdst | C | III |
5. | ドミトリエンコ | Dimitrenko | E | II |
6. | ベーレ | Belle | D | III |
7. | モリスエ | Morisue | D | I |
8. | 懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持 | Giant Back Toss 1/2 | D | III |
9. | 前方開脚5/4宙返り腕支持 | 5/4 Front Strd | D | I |
10. | 後方屈身2回宙返り下り | Double Back Pk | D | V |
D:6.4
E:8.925
Score:15.325
従来と同じ構成だが、これまでベーレとモリスエの間に入れていた前振りカットをやらなくなっている。元々Dスコアに関与しない技だったが、何か他の技に失敗したときのためにこれまで入れていたのだろうか。予選、団体決勝ではベーレは屈身でD:6.5だったが、個人総合ではかかえ込みにして確実な実施を優先している。
#5 鉄棒 HB
1. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.2) |
3. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
4. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
7. | エンドー | Endo | B | III | |
8. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
9. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.9
E:8.700
Score:15.600
鉄棒は今大会D:7.2の構成を基本としていたが、予選でコールマン(F)で落下、種目別決勝への進出を逃している。種目別ではD:7.7~7.8の構成を用意していたと思われ、メダル圏内だっただけに非常に残念だった。コールマンはポディウムトレーニングの際にも落下しており、個人総合では外して安全策を取ってきた。一方、昨年の種目別で披露したカッシーナは完全に安定しており、今大会では予選から完璧な実施を見せている。新月面の着地は手を回したがピタリと決める。
#6 ゆか FX
1. | 後方宙返り7/2ひねり | Back 7/2 | E | III | |
---|---|---|---|---|---|
~前方宙返りひねり | + Front 1/2 | B | II | (CV:0.1) | |
2. | 後方宙返り3/2ひねり | Back 3/2 | C | III | |
3. | ~前方宙返り5/2ひねり | + Front 5/2 | E | II | (CV:0.1) |
4. | 前方宙返り1回ひねり | Front 1/1 | C | II | |
5. | ~前方宙返り2回ひねり | + Front 2/1 | D | II | (CV:0.1) |
6. | 後方宙返り5/2ひねり | Back 5/2 | D | III | |
7. | ~前方宙返り3/2ひねり | + Front 3/2 | C | II | (CV:0.1) |
8. | フェドルチェンコ | Fedorchenko | C | I | |
9. | トーマス | Thomas | D | IV | |
10. | 後方宙返り3回ひねり | Back 3/1 | D | III |
D:6.7
E:8.400
Score:15.100
新たに後方7/2~前宙ひねりを取り入れ、後方3/2からの連続をヴァン・ローン(D)から前方5/2に変えて、ひねり技のみの構成でD:6.7と昨年の種目別と同じDスコアを実現している。実施も安定しているようで、予選から全てこの構成で通してきた。しかし、個人総合では前方5/2が低くなり手を突くミス。最後の3回ひねりも後ろに跳ねてしまい、観客に申し訳なさそうにする仕草が印象的だった。
Total D:39.4
Total Score:92.690
Rank:1st
世界選手権3連覇中の絶対王者として金メダル確実といわれた内村でしたが、やはりというべきかオリンピックではまさかの展開が待っていました。Total Dは39.8の構成を用意していましたが、予選ではあん馬と鉄棒で失敗、団体決勝でもあん馬でミス。個人総合では平行棒と鉄棒で安全策と、結局大会を通じて一度も39.8の演技を行うことはできなかったということになります。それでも銀メダルのマルセル・ニューエン(ドイツ)には1.659の大差をつけており、個人総合での圧倒的な強さを見せつける結果となったのはさすがとしか言いようがありません。
by kaki_aqr
| 2013-06-07 21:00
| 内村航平 UCHIMURA
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