2013年 06月 04日
2009年世界選手権:種目別鉄棒の演技構成 |
2009 Worlds London (GBR) EF HB Routine Guide
2009年の世界選手権・ロンドン大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 CASSINA Igor (ITA)
D:6.7
E:8.925
Score:15.625
2009年のルール改訂でG難度が新設、最高難度技となったオリジナルを最初に決める。ヤマワキも連続でしっかり決めるが、終末技は1回ひねりに落としており2008年からは0.1アップのDスコアに留まっている。
#2 TSAREVICH Aliaksandr (BLR)
D:6.0
E:8.375
Score:14.375
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまったためヤマワキを実施しなかったものと思われる。終末技の3回宙返りは脚を閉じたいい姿勢だったが、着地を止めることはできなかった。
#3 LEYVA Danell (USA)
D:7.0
E:8.600
Score:15.600
懸垂振り出しから直ちにアドラーに入る特徴的な動きから始まる。雄大な伸身コバチ、アドラーとびと独特の構成で魅せる。着地もピタリと決めた。
#4 ZOU Kai (CHN)
D:7.5
E:8.650
Score:16.150
組合せ加点を4か所で稼ぎDスコアを7.5にまで上げている。しかし、演技の流れは相変わらず悪い。連続技をぶつ切れで4つ見せているだけの演技という印象。苦手の着地はなんとか収めている。
#5 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
D:6.4
E:8.775
Score:15.175
個人総合と同じ構成。実施は見事だが、連続技が一つもなく6.4というDスコアでは種目別では分が悪い。着地は腕を回したがしっかり止める。
#6 ZONDERLAND Epke (NED)
D:7.3
E:8.525
Score:15.825
組合せ加点は1か所だが、カッシーナとコールマンという高難度の手放し技で、Dスコアは7.3と高い。コールマンのかかえ込み姿勢がやや不明瞭か。ゲイロード2(E)は元々屈身姿勢の技で、ゾンダーランドがかかえ込みで行ったためD難度での認定となっている。こちらも脚の開きが見られる。
#7 HORTON Jonathan (USA)
D:6.7
E:6.550
Score:13.250
カッシーナ、伸身コバチを決めるが、コールマンで落下。予定のDスコアは7.2か。最後は果敢にフェドルチェンコに挑むが前につぶれるような着地になってしまった。
#8 PEGAN Aljaz (SLO)
D:7.0
E:8.500
Score:15.500
得意のペガン~リバルコに加え、新たにリンチへの連続を取り入れDスコアを上げている。ベテランならではの安定した実施はさすが。3回宙返りの着地は前に大きく動いてしまう。
ZOU Kai (CHN)
ZONDERLAND Epke (NED)
CASSINA Igor (ITA)
鉄棒は2009-2012年ルールでも大きな変更がありませんでした。アドラー1回ひねりが片逆手か逆手かで難度が分かれるようになりましたが、まだ逆手で実施している選手はほとんどいません。大逆手からの持ち換え系の技の削除についても、種目別レベルのトップ選手の場合すでにB難度技は構成に含まれないので、あまり影響はありません。
優勝は組合せ加点で高いDスコアを稼いだ鄒凱。ついにD:7.5という演技構成が現れ、鉄棒のDスコア上昇は留まるところをしらないといった状態になっています。このような連続技にこだわりすぎた演技構成への反省から、2013年のルール改訂では組合せ加点の規定が変更されることになります。
2009年の世界選手権・ロンドン大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 CASSINA Igor (ITA)
1. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | コールマン | Kolman | F | II | |
3. | コバチ | Kovacs | D | II | |
4. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
5. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
6. | エンドー | Endo | B | III | |
7. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
8. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
9. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
D:6.7
E:8.925
Score:15.625
2009年のルール改訂でG難度が新設、最高難度技となったオリジナルを最初に決める。ヤマワキも連続でしっかり決めるが、終末技は1回ひねりに落としており2008年からは0.1アップのDスコアに留まっている。
#2 TSAREVICH Aliaksandr (BLR)
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III |
---|---|---|---|---|
2. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III |
3. | コバチ | Kovacs | D | II |
4. | リバルコ | Rybalko | D | I |
5. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV |
6. | シュタルダーひねり大逆手 | Stalder Higgins to El | C | III |
7. | アドラー | Jam | C | IV |
8. | 大逆手車輪 | Giant El | B | IV |
9. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III |
10. | 後方かかえ込み3回宙返り下り | Triple Back | E | V |
D:6.0
E:8.375
Score:14.375
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまったためヤマワキを実施しなかったものと思われる。終末技の3回宙返りは脚を閉じたいい姿勢だったが、着地を止めることはできなかった。
#3 LEYVA Danell (USA)
1. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
3. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
4. | コバチ | Kovacs | D | II | |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
6. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.2) |
7. | アドラーとび倒立 | Jam Hop | D | IV | |
8. | 前方車輪1回ひねり大逆手 | 1/1 to El | C | I | |
9. | 閉脚エンドー1回ひねり大逆手 | Endo Pk 1/1 to El | D | IV | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.0
E:8.600
Score:15.600
懸垂振り出しから直ちにアドラーに入る特徴的な動きから始まる。雄大な伸身コバチ、アドラーとびと独特の構成で魅せる。着地もピタリと決めた。
#4 ZOU Kai (CHN)
1. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
3. | ~伸身トカチェフ | + Tkatchev Lay | D | II | (CV:0.2) |
4. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
5. | ~ポゴレロフ | + Pogolerov | E | II | (CV:0.2) |
6. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
7. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
8. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
9. | ~バラバノフ | + Balabanov | D | II | (CV:0.2) |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.5
E:8.650
Score:16.150
組合せ加点を4か所で稼ぎDスコアを7.5にまで上げている。しかし、演技の流れは相変わらず悪い。連続技をぶつ切れで4つ見せているだけの演技という印象。苦手の着地はなんとか収めている。
#5 内村航平 UCHIMURA Kohei (JPN)
1. | 屈身コバチ | Kovacs Pk | E | II |
---|---|---|---|---|
2. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III |
3. | コバチ | Kovacs | D | II |
4. | コールマン | Kolman | F | II |
5. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I |
6. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I |
7. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III |
8. | 大逆手エンドー | Endo El | C | IV |
9. | 大逆手車輪 | Giant El | B | IV |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:6.4
E:8.775
Score:15.175
個人総合と同じ構成。実施は見事だが、連続技が一つもなく6.4というDスコアでは種目別では分が悪い。着地は腕を回したがしっかり止める。
#6 ZONDERLAND Epke (NED)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
3. | コールマン | Kolman | F | II | |
4. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
6. | ~かかえ込みゲイロード2 | + Gaylord2 Tk | D | II | (CV:0.2) |
7. | アドラー | Jam | C | IV | |
8. | アドラー1回ひねり逆手 | Jam 1/1 to UG | E | IV | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
D:7.3
E:8.525
Score:15.825
組合せ加点は1か所だが、カッシーナとコールマンという高難度の手放し技で、Dスコアは7.3と高い。コールマンのかかえ込み姿勢がやや不明瞭か。ゲイロード2(E)は元々屈身姿勢の技で、ゾンダーランドがかかえ込みで行ったためD難度での認定となっている。こちらも脚の開きが見られる。
#7 HORTON Jonathan (USA)
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
3. | アドラー1回ひねり片逆手 | Jam 1/1 to MG | D | IV | |
4. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
5. | カッシーナ | Cassina | G | II | |
6. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
コールマン〈落下〉 | Kolman | ||||
7. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
8. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
9. | 前方車輪1回ひねり大逆手 | 1/1 to El | C | I | |
10. | フェドルチェンコ | Double Back Lay 3/1 | F | V |
D:6.7
E:6.550
Score:13.250
カッシーナ、伸身コバチを決めるが、コールマンで落下。予定のDスコアは7.2か。最後は果敢にフェドルチェンコに挑むが前につぶれるような着地になってしまった。
#8 PEGAN Aljaz (SLO)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ペガン | Pegan | E | II | |
3. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
4. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
6. | ~リンチ | + Lynch | D | II | (CV:0.2) |
7. | シュタルダーとび1回ひねり大逆手 | Stalder Hop 1/1 to El | D | III | |
8. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方かかえ込み3回宙返り下り | Triple Back | E | V |
D:7.0
E:8.500
Score:15.500
得意のペガン~リバルコに加え、新たにリンチへの連続を取り入れDスコアを上げている。ベテランならではの安定した実施はさすが。3回宙返りの着地は前に大きく動いてしまう。
ZOU Kai (CHN)
ZONDERLAND Epke (NED)
CASSINA Igor (ITA)
鉄棒は2009-2012年ルールでも大きな変更がありませんでした。アドラー1回ひねりが片逆手か逆手かで難度が分かれるようになりましたが、まだ逆手で実施している選手はほとんどいません。大逆手からの持ち換え系の技の削除についても、種目別レベルのトップ選手の場合すでにB難度技は構成に含まれないので、あまり影響はありません。
優勝は組合せ加点で高いDスコアを稼いだ鄒凱。ついにD:7.5という演技構成が現れ、鉄棒のDスコア上昇は留まるところをしらないといった状態になっています。このような連続技にこだわりすぎた演技構成への反省から、2013年のルール改訂では組合せ加点の規定が変更されることになります。
by kaki_aqr
| 2013-06-04 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
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