2013年 03月 05日
2007年世界選手権:種目別つり輪の演技構成 |
2007 Worlds Stuttgart (GER) EF SR Routine Guide
2007年の世界選手権・シュトゥットガルト大会:種目別つり輪の演技構成です。
#1 SAFOSHKIN Alexander (RUS)
A:6.9
B:9.175
Score:16.075
予定のAスコアは2006年から0.3アップした7.3だったと思われるが、何がどう判定されたのかはっきりしない。屈身ヤマワキ(D)が一瞬停滞しているようにも見えるが、これをホンマ(B)と判定するとどうしてもAスコアが合わない。ここでは、2で伸腕伸身十字倒立(E)への持ち込みが怪しかったため、単なる十字倒立と判定されたものとした。
※コメント欄もご覧ください
#2 CARMONA Regulo (VEN)
A:7.0
B:9.175
Score:16.175
グループIの振動技として後ろ振り上がり倒立経過を入れている。種目別レベルだと屈身ヤマワキ(D)を入れる選手がほとんどなのでどうしてもAスコア的に苦しくなる。力技の決めは悪くない。
#3 VAN GELDER Yuri (NED)
A:7.3
B:9.325
Score:16.625
アザリアンから入り、中水平、十字倒立と引き上げる構成にして組合せ加点でAスコアを上げてきている。終末技は屈身と判定された2006年よりさらに腰が曲がっているように思えたが、今回は伸身で認定された。
#4 冨田洋之 TOMITA Hiroyuki (JPN)
A:6.9
B:9.025
Score:15.925
Aスコア6.9と種目別では苦しい構成。実施はそれほど悪いようには見えないが、Bスコアはかなり減点されてしまっている。着地は少し跳ねる。
#5 JOVTCHEV Jordan (BUL)
A:7.4
B:9.175
Score:16.575
中水平から十字倒立に引き上げて難度と加点をアップ。さらに伸身ヤマワキも入れて2006年からAスコアを0.3も上げている。実施もまずまずで着地も決める。
#6 TAN Kai Wen (USA)
A:7.3
B:9.025
Score:16.325
Aスコアは7.3と高い構成だが、力技の決めが今ひとつでBスコアが伸びない。
#7 YANG Wei (CHN)
A:7.0
B:9.150
Score:16.150
ホンマ中水平(F)で途中に支持局面が見られたため4と5に分割された模様。屈身ヤマワキ(D)でも明らかな停滞がありホンマと判定されてしまった。予定のAスコアは2006年から0.3上げた7.4だったと思われる。伸身新月面の着地はわずかな跳ねに収める。
#8 CHEN Yibing (CHN)
A:7.3
B:9.400
Score:16.700
なぜか陳一冰だけ動画が見当たらない。上は団体決勝の動画で構成は種目別と同じ。2006年からは、前振り上がり中水平(E)をホンマ中水平に変えた上、技の順番を組み変えることにより組合せ加点を稼いでAスコアを上げている。
CHEN Yibing (CHN)
VAN GELDER Yuri (NED)
JOVTCHEV Jordan (BUL)
上位4人が7.3~7.4、下位4人が6.9~7.0とはっきりAスコアが分かれ、Aスコア上位者による実施の争いという構図になっています。この大会における技の認定は非常に厳しく、種目別つり輪でもサフォシュキンと楊威の2人が予定のAスコアを得られませんでした。
上位3人の顔ぶれは2006年と同じ。2位と3位が入れ替わっただけです。陳一冰とヴァン・ゲルダーはAスコアが同じであるばかりか、構成もほとんど共通。Bスコアもわずか0.075差という僅差の戦いでした。
2007年の世界選手権・シュトゥットガルト大会:種目別つり輪の演技構成です。
#1 SAFOSHKIN Alexander (RUS)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 十字倒立 | Inv-Cross | C | IV | |
3. | ホンマ十字懸垂(脚前挙) | Whippet to L-Cross | D | III | |
4. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.1) |
5. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III | |
6. | ~押し上げ上水平支持 | + Press to Planche | D | IV | (CV:0.1) |
7. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
8. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:6.9
B:9.175
Score:16.075
予定のAスコアは2006年から0.3アップした7.3だったと思われるが、何がどう判定されたのかはっきりしない。屈身ヤマワキ(D)が一瞬停滞しているようにも見えるが、これをホンマ(B)と判定するとどうしてもAスコアが合わない。ここでは、2で伸腕伸身十字倒立(E)への持ち込みが怪しかったため、単なる十字倒立と判定されたものとした。
※コメント欄もご覧ください
#2 CARMONA Regulo (VEN)
1. | 後方伸腕伸身逆上がり中水平支持 | Back Roll to Maltese | F | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
3. | 後ろ振り上がり中水平支持 | Back Uprise to Maltese | E | III | |
4. | ~押し上げ上水平支持 | + Press to Planche | D | IV | (CV:0.1) |
5. | ナカヤマ | Back Lever to Cross | D | IV | |
6. | け上がり伸身十字倒立 | Kip to Inv-Cross | E | III | |
7. | 後ろ振り上がり倒立経過 | Back Uprise thru Hdst | B | I | |
8. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:7.0
B:9.175
Score:16.175
グループIの振動技として後ろ振り上がり倒立経過を入れている。種目別レベルだと屈身ヤマワキ(D)を入れる選手がほとんどなのでどうしてもAスコア的に苦しくなる。力技の決めは悪くない。
#3 VAN GELDER Yuri (NED)
1. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身中水平支持 | + Press to Maltese | E | IV | (CV:0.1) |
3. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
4. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
5. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
6. | ホンマ中水平支持 | Whippet to Maltese | F | III | |
7. | ~押し上げ上水平支持 | + Press to Planche | D | IV | (CV:0.1) |
8. | け上がり伸身十字倒立 | Kip to Inv-Cross | E | III | |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:7.3
B:9.325
Score:16.625
アザリアンから入り、中水平、十字倒立と引き上げる構成にして組合せ加点でAスコアを上げてきている。終末技は屈身と判定された2006年よりさらに腰が曲がっているように思えたが、今回は伸身で認定された。
#4 冨田洋之 TOMITA Hiroyuki (JPN)
1. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.1) |
3. | ホンマ中水平支持 | Whippet to Maltese | F | III | |
4. | ナカヤマ(脚前挙) | Back Lever to L-Cross | D | IV | |
5. | ~伸腕伸身中水平支持 | + Press to Maltese | E | IV | (CV:0.1) |
6. | ほん転逆上がり十字倒立 | Felge to Inv-Cross | D | III | |
7. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II | |
8. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II | |
10. | バラバノフ | Double Front Pk 1/2 | D | V |
A:6.9
B:9.025
Score:15.925
Aスコア6.9と種目別では苦しい構成。実施はそれほど悪いようには見えないが、Bスコアはかなり減点されてしまっている。着地は少し跳ねる。
#5 JOVTCHEV Jordan (BUL)
1. | ホンマ中水平支持 | Whippet to Maltese | F | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
3. | ボロビオフ(脚前挙) | Inv-Hang to L-Cross | D | IV | |
4. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.1) |
5. | 伸身ヤマワキ | Yamawaki Lay | E | I | |
6. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
7. | ホンマ十字懸垂(脚前挙) | Whippet to L-Cross | D | III | |
8. | ~伸腕伸身中水平支持 | + Press to Maltese | E | IV | (CV:0.1) |
9. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:7.4
B:9.175
Score:16.575
中水平から十字倒立に引き上げて難度と加点をアップ。さらに伸身ヤマワキも入れて2006年からAスコアを0.3も上げている。実施もまずまずで着地も決める。
#6 TAN Kai Wen (USA)
1. | ホンマ中水平支持 | Whippet to Maltese | F | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
3. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
4. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
5. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV | |
6. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.1) |
7. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III | |
8. | ~伸腕伸身中水平支持 | + Press to Maltese | E | IV | (CV:0.1) |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:7.3
B:9.025
Score:16.325
Aスコアは7.3と高い構成だが、力技の決めが今ひとつでBスコアが伸びない。
#7 YANG Wei (CHN)
1. | け上がり中水平支持 | Kip to Maltese | E | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
3. | け上がり伸身十字倒立 | Kip to Inv-Cross | E | III | |
4. | ホンマ | Whippet | B | I | |
5. | 中水平支持 | Maltese | D | IV | |
6. | ~押し上げ上水平支持 | + Press to Planche | D | IV | (CV:0.1) |
ホンマ〈繰り返し〉 | Whippet | ||||
7. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
8. | ほん転逆上がり倒立 | Felge to Hdst | C | II | |
9. | 屈身グチョギー | Guczoghy Pk | D | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | F | V |
A:7.0
B:9.150
Score:16.150
ホンマ中水平(F)で途中に支持局面が見られたため4と5に分割された模様。屈身ヤマワキ(D)でも明らかな停滞がありホンマと判定されてしまった。予定のAスコアは2006年から0.3上げた7.4だったと思われる。伸身新月面の着地はわずかな跳ねに収める。
#8 CHEN Yibing (CHN)
1. | アザリアン(脚前挙) | Back Roll to L-Cross | D | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~伸腕伸身中水平支持 | + Press to Maltese | E | IV | (CV:0.1) |
3. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.2) |
4. | 屈身ヤマワキ | Yamawaki Pk | D | I | |
5. | 後ろ振り上がり上水平支持 | Back Uprise to Planche | D | III | |
6. | ホンマ十字懸垂 | Whippet to Cross | D | III | |
7. | ~伸腕伸身力十字倒立 | + Press to Inv-Cross | E | IV | (CV:0.1) |
8. | ホンマ中水平支持 | Whippet to Maltese | F | III | |
9. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise to Hdst | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | D | V |
A:7.3
B:9.400
Score:16.700
なぜか陳一冰だけ動画が見当たらない。上は団体決勝の動画で構成は種目別と同じ。2006年からは、前振り上がり中水平(E)をホンマ中水平に変えた上、技の順番を組み変えることにより組合せ加点を稼いでAスコアを上げている。
CHEN Yibing (CHN)
VAN GELDER Yuri (NED)
JOVTCHEV Jordan (BUL)
上位4人が7.3~7.4、下位4人が6.9~7.0とはっきりAスコアが分かれ、Aスコア上位者による実施の争いという構図になっています。この大会における技の認定は非常に厳しく、種目別つり輪でもサフォシュキンと楊威の2人が予定のAスコアを得られませんでした。
上位3人の顔ぶれは2006年と同じ。2位と3位が入れ替わっただけです。陳一冰とヴァン・ゲルダーはAスコアが同じであるばかりか、構成もほとんど共通。Bスコアもわずか0.075差という僅差の戦いでした。
by kaki_aqr
| 2013-03-05 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
|
Comments(4)
Commented
by
ジョージ
at 2013-09-08 04:56
x
サフォシュキンは最初の逆上がり中水平を勢いをつけて捌いているように見えることから後方け上がり中水平のE難度で判定され、静止があいまいな後ろ振り上がり上水平が不認定なように見えます。これにより9技になったので支持振り下ろしのA難度が入ってAスコアが0.4落ちたと思います。
ここは本当に悩んだところです。なるほど。最初のは確かに反動を使っているようにも見えます。
後ろ振り上がり上水平も静止が曖昧といえば曖昧ですね。しかし、どちらもけっこう厳しい判定ですね。とても勉強になります。ありがとうございます。
後ろ振り上がり上水平も静止が曖昧といえば曖昧ですね。しかし、どちらもけっこう厳しい判定ですね。とても勉強になります。ありがとうございます。
Commented
by
名無しのSさん
at 2013-09-09 21:04
x
こういった意見はとても参考になりますね。
判定に関してはこれぐらい厳しくてもいいと思います。
最近は難度ばかり求めてEスコアがおろそかにされてる気がするので。
判定に関してはこれぐらい厳しくてもいいと思います。
最近は難度ばかり求めてEスコアがおろそかにされてる気がするので。
技の判定は本当に難しいですね。D審判は「判定が疑わしい場合には、選手に対して不利益にならないように対処」すると採点規則にもあるので、大体の場合は認めてもらえる方向で判定されることが多いと思いますが、選手はそれに甘えることなく「その意図に疑う余地のないほど明確にはっきりと」(←これも採点規則より)技を実施しなてくはなりませんね。