内村航平 - 2009年世界選手権：個人総合の演技構成

UCHIMURA Kohei (JPN)
2009 Worlds London (GBR) AA Routine Guide

内村航平の2009年世界選手権・ロンドン大会：個人総合の演技構成です。

#1 ゆか FX

1.	後方宙返り3/2ひねり	Back 3/2	C	III
2.	～前方宙返り2回ひねり	+ Front 2/1	D	II	(CV:0.1)
3.	～前方宙返りひねり	+ Front 1/2	B	II
4.	前方宙返り5/2ひねり	Front 5/2	E	II
5.	後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり	Double Back 2/1	E	III
6.	後方宙返り5/2ひねり	Back 5/2	D	III
7.	～前方宙返り1回ひねり	+ Front 1/1	C	II	(CV:0.1)
8.	フェドルチェンコ	Fedorchenko	C	I
9.	トーマス	Thomas	D	IV
10.	後方宙返り3回ひねり	Back 3/1	D	III

D:6.4
E:9.225
Score:15.625

1本目のシリーズは最後が前方3/2(C)だが、北京オリンピック：種目別のときのように前宙ひねりになってしまった。なお、このような3連続は、2009年からは組合せ加点が1か所しか付かなくなった。大技は新月面を実施。終盤のフェドルチェンコ、トーマス、3回ひねりの流れが確立している。


#2 あん馬 PH

1.	逆交差倒立	Back Scissor to Hdst	D	I
2.	正交差	Front Scissor	A	I
3.	Eフロップ	4 Flops	E	IV
4.	Dコンバイン	2 Flops + R180	D	IV
5.	ウ・グォニアン	Russian Travel 3/3 720	E	IV
6.	マジャール	Magyar	D	III
7.	シバド	Sivado	D	III
8.	一把手上縦向き旋回	Pommel Loop	B	II
9.	シュテクリB	DSB	B	IV
10.	DSA倒立3/3移動下り	DSA to Hdst Travel 3/3	D	V

D:6.0
E:8.900
Score:14.900

2008年のダブルセアからセア倒立に変えてDスコアをアップさせている。フロップとコンバインはSLLSLLR180と連続して実施。


#3 つり輪 SR

1.	後ろ振り上がり中水平支持	Back Uprise to Maltese	E	III
2.	アザリアン	Back Roll to Cross	D	IV
3.	後ろ振り上がり十字倒立	Back Uprise to Inv-Cross	D	III
4.	後ろ振り上がり倒立	Back Uprise to Hdst	C	II
5.	屈身ヤマワキ	Yamawaki Pk	D	I
6.	ヤマワキ	Yamawaki	C	I
7.	ホンマ十字懸垂	Whippet to Cross	D	III
8.	ほん転逆上がり倒立	Felge to Hdst	C	II
9.	後方車輪倒立経過	Back Giant thru Hdst	B	I
10.	後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり下り	Double Back 2/1	E	V

D:6.2
E:9.025
Score:15.225

2009年からけ上がりやホンマからの力静止技の多くが削除されたため、後ろ振り上がりからの中水平と十字倒立を入れている。終末技は難度格上げとなった新月面を取り入れた。


#4 跳馬 VT

		D	E	Pen	Score
シューフェルト	Yurchenko Lay 5/2	6.6	9.450		16.050

安定した跳越で着地は小さく前に両足1歩。


#5 平行棒 PB

1.	前振り上がり開脚抜き倒立	Front Uprise Strd Cut to Hdst	B	II
2.	棒下宙返りひねり倒立	Basket 1/2 to Hdst	E	IV
3.	棒下宙返り倒立	Basket to Hdst	D	IV
4.	後方車輪倒立	Back Giant to Hdst	C	III
5.	ドミトリエンコ	Dimitrenko	E	II
6.	ベーレ	Belle	D	III
7.	モリスエ	Morisue	D	I
8.	懸垂前振り後方かかえ込み宙返りひねり腕支持	Giant Back Toss 1/2	D	III
9.	前方開脚5/4宙返り腕支持	5/4 Front Strd	D	I
10.	後方屈身2回宙返り下り	Double Back Pk	D	V

D:6.4
E:8.325
Score:14.725

2009年からベーレと屈身ベーレのような同じ宙返り技は1度しか行えなくなったため、ドミトリエンコを入れている。また後方車輪を入れたため、6の後の前振りカット(B)はDスコアに関与しなくなった。実施ではベーレの後の前振り上がりがうまくいかずダブルスイングをしてしまう大きなミス。棒下宙返りの後にも少し歩いてしまいEスコアは珍しく低い。


#6 鉄棒 HB

1.	屈身コバチ	Kovacs Pk	E	II
2.	シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手	Stalder Hop 3/2 to MG	D	III
3.	コバチ	Kovacs	D	II
4.	コールマン	Kolman	F	II
5.	後方とび車輪1回ひねり	Hop 1/1	C	I
6.	後方とび車輪3/2ひねり	Hop 3/2 to MG	C	I
7.	エンドー1回ひねり大逆手	Endo 1/1 to El	D	III
8.	大逆手エンドー	Endo El	C	IV
9.	大逆手車輪	Giant El	B	IV
10.	後方伸身2回宙返り2回ひねり下り	Double Back Lay 2/1	E	V

D:6.4
E:8.575
Score:14.975

基本的には2008年の構成と同じだが、大逆手からの持ち換え系が削除されたため、大逆手車輪を入れている。実施では雄大なコバチが素晴らしい。着地が1歩動いてしまったためか悔しそうな表情（笑）。


Total D:38.0
Total Score:91.500
Rank:1st

見事な個人総合初優勝です。2009年のルール改訂ではゆかの組合せ加点の考え方が変わったり、平行棒で多くの技の難度が下がったりと様々な変更がありましたが、しっかり対応してDスコアを確保しています。一方で、鉄棒の組合せ加点が1か所もないなど、まだまだ伸び代があることを感じさせる構成とも言えます。