2016年 12月 15日
消えゆく技:ヤマシタとび |
Disappearing Elements : Yamashita on VT
跳馬では2013年に切り返し系の跳越が削除されましたが、2017年のルール改訂では一連のヤマシタとびが削除されることになりました。
ヤマシタとび Yamashita
前転とびの一種で、跳馬に着手した後、屈身姿勢から伸身姿勢へと身体を伸ばして着地します。当初は踏み切りから着手までの局面も屈身で跳ばれていたそうですが、その後、このようなかたちに変化したとされています。
発表したのは山下(旧姓)治廣。1962年の世界選手権・プラハ大会において世界の舞台で初めて発表され、その名が付きました。1964年の東京オリンピックではさらにひねりを加えたヤマシタとび1回ひねり、いわゆる新ヤマシタとびを披露。見事金メダルに輝いています。
空中局面での姿勢の変化など、確かに今日の跳馬にはそぐわない面もあるとは思いますが、跳馬の基本技というだけでなく、たいへん優雅な跳越でもあり、削除されてしまうのは非常に惜しまれます。ヤマシタとび1回ひねりは、様々な技にひねりが導入される契機になった画期的な技でもありました。
これでヤマシタの名は採点規則から完全に消えてしまうのでしょうか。実はそうではありません。女子では2017年版採点規則にもまだその名が残っています。男子でも、切り返し系のように中学生以下などの初級者ルールでは引き続き適用されることになるかもしれません。この美しいヤマシタとびという跳越が不滅であることを願うばかりです。
跳馬では2013年に切り返し系の跳越が削除されましたが、2017年のルール改訂では一連のヤマシタとびが削除されることになりました。
ヤマシタとび Yamashita
前転とびの一種で、跳馬に着手した後、屈身姿勢から伸身姿勢へと身体を伸ばして着地します。当初は踏み切りから着手までの局面も屈身で跳ばれていたそうですが、その後、このようなかたちに変化したとされています。
発表したのは山下(旧姓)治廣。1962年の世界選手権・プラハ大会において世界の舞台で初めて発表され、その名が付きました。1964年の東京オリンピックではさらにひねりを加えたヤマシタとび1回ひねり、いわゆる新ヤマシタとびを披露。見事金メダルに輝いています。
空中局面での姿勢の変化など、確かに今日の跳馬にはそぐわない面もあるとは思いますが、跳馬の基本技というだけでなく、たいへん優雅な跳越でもあり、削除されてしまうのは非常に惜しまれます。ヤマシタとび1回ひねりは、様々な技にひねりが導入される契機になった画期的な技でもありました。
これでヤマシタの名は採点規則から完全に消えてしまうのでしょうか。実はそうではありません。女子では2017年版採点規則にもまだその名が残っています。男子でも、切り返し系のように中学生以下などの初級者ルールでは引き続き適用されることになるかもしれません。この美しいヤマシタとびという跳越が不滅であることを願うばかりです。
by kaki_aqr
| 2016-12-15 21:00
| 跳馬 VT
|
Comments(4)
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luehdorf at 2016-12-15 23:30
「山下跳び」もなくなりますか…。さびしいなぁ。
図の「ヤマシタ」は、「ヤマシタⅡ」といっていいもので、当初は屈伸体勢で着手し、第2局面で伸身になるものでした。
当時の跳馬はあん馬のポメルをとったもので、男子は縦向きで長さ160cm。馬首側と馬尾側の40cmに着手しないと着手減点がありました。
屈伸体勢で着手するために当然着手は馬尾で、「手前着手屈伸前転とび」と呼ばれていました。
その後、伸身で着手して屈伸→伸身というさばきが生じ、馬首着手の「ヤマシタ」も行われました。
高2のとき、ひねりのきっかけを屈伸から伸身にするときにもらって、初期の「ヤマシタ」から1回ひねりをやっていましたっけ…。同時にそのまんま抱え込んで2回宙もやっていましたが、屈伸での着手では突き手が効かず、低い着地になってました。
松田先生(山下氏)の先輩から伺った話によると、初めは切り返し系の伸身跳びから前宙をやろうとしたのですが、うまくいかずに、それならすぐに回しちゃえとなったとか…。
図の「ヤマシタ」は、「ヤマシタⅡ」といっていいもので、当初は屈伸体勢で着手し、第2局面で伸身になるものでした。
当時の跳馬はあん馬のポメルをとったもので、男子は縦向きで長さ160cm。馬首側と馬尾側の40cmに着手しないと着手減点がありました。
屈伸体勢で着手するために当然着手は馬尾で、「手前着手屈伸前転とび」と呼ばれていました。
その後、伸身で着手して屈伸→伸身というさばきが生じ、馬首着手の「ヤマシタ」も行われました。
高2のとき、ひねりのきっかけを屈伸から伸身にするときにもらって、初期の「ヤマシタ」から1回ひねりをやっていましたっけ…。同時にそのまんま抱え込んで2回宙もやっていましたが、屈伸での着手では突き手が効かず、低い着地になってました。
松田先生(山下氏)の先輩から伺った話によると、初めは切り返し系の伸身跳びから前宙をやろうとしたのですが、うまくいかずに、それならすぐに回しちゃえとなったとか…。
当初のヤマシタとびは、着手位置の減点を受けない馬尾着手をして、屈身から伸身への屈伸運動で高さと距離を出す、という跳越だったそうですね。
なるほど、最初は伸身とびから前宙をやろうとしていたのですか。貴重なお話をありがとうございます。
なるほど、最初は伸身とびから前宙をやろうとしていたのですか。貴重なお話をありがとうございます。
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by
わい
at 2017-07-09 07:10
x
山下跳び(一回ひねり)はモントリオール五輪でコマネチが。
同大会でネーリーキムが一回半ひねりで行っていましたね。
私的にはそれ以前にヤンツの行った「フツーの山下跳び+一回ひねり」
つまり屈伸体勢をハッキリ示してからのひねりが最高なさばきだと思います。
金子明友(字忘れました)さんの解説によると、このさばきは至難の技だそうです。
うちの中学のとき、体操部の奴が山下跳びの名手で素晴らしい浮きと空中姿勢を見せてくれました。
同大会でネーリーキムが一回半ひねりで行っていましたね。
私的にはそれ以前にヤンツの行った「フツーの山下跳び+一回ひねり」
つまり屈伸体勢をハッキリ示してからのひねりが最高なさばきだと思います。
金子明友(字忘れました)さんの解説によると、このさばきは至難の技だそうです。
うちの中学のとき、体操部の奴が山下跳びの名手で素晴らしい浮きと空中姿勢を見せてくれました。
カリン・ヤンツ選手のヤマシタとび1回ひねりを検索してみました。素晴らしいですね。