2016年 12月 01日
2017年版採点規則のQ&A |
2017 Code of Points FAQ
2017年版採点規則の大陸間審判講習会が11月27日からスロバキアのブラチスラヴァで始まっています。これに先立ち、FIG公式サイトの同講習会のページに11月20日付で2017年採点規則のQ&Aがアップされました。
講習会後にはこのQ&Aも更新されるとのことですが、現時点でFIG公用語で全世界に公開されているものですので、ここで内容をまとめておきたいと思います。今後、更新版が同じようなかたちで公開されるのか、いきなり採点規則の修正版として公開されるのかは分かりませんが、FIG公式サイトで動きがあった場合はできるだけ対応したいと思います。
なお、2017年版採点規則はFIG公式サイトのこちらで公開されており、当サイトではこちらの記事などに変更点をまとめています。日本体操協会の『男子体操競技情報』では10月31日付で発行された『情報24号』にその内容がまとめられており、追加情報も記載されています。
いつものことですが、解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は必ず原本を直接確認するか、協会の公式発表をお待ちください。また「⇒」以降は例によって私のコメント(戯言)になります。
0. 一般条項 General
Q1. 「繰り返し」と「特別な繰り返し」の違いは何か?
A1. 「特別な繰り返し」は跳馬を除く全ての種目に記載されている。同系統の技を一演技中2回までに制限するもので、D審判によって難度の高い技から2技が認定されるものである。一方、基本的な「繰り返し」は、同じ技(同一枠の技)が一演技中2回実施されることであり、D審判によって出現順に難度が認定される。
注:特別な繰り返しにおいても出現順とするものもある。
Q2. 終末技を実施しなかった場合、演技で難度をカウントできるのは何技までか?
A2. シニアは9技、ジュニアは7技まで。
⇒従来どおりです。
Q3. ゆかの2回宙返り(シニア)や、つり輪の振動倒立のような構成上要求される技がトップ10技に入らない場合も10技がカウントされるか?
A3. はい。構成上要求される技が実施されていなくても10技がカウントされるが、0.3のペナルティ(ND)が適用される。
Q4. D審判による減点とはどのように適用されるものか?
A4. 全てのD審判による減点は決定点からの減点である。DスコアやEスコアから直接引かれるものではなく、ゆかや跳馬のラインオーバーと同じ方法で適用される。
1. ゆか FX
Q1. 宙返り技で意図的に横向き着地した場合はどう判定されるか?
A1. D審判によって認定されず、E審判によって通常の実施減点がなされる。
注:意図的な横向き着地に対する特定の減点はない。
Q2. I-94「開脚旋回とび1回ひねり倒立、開脚旋回(2回とんで)」について、1回とんで180°ひねりのみが実施されたらどう判定されるか
A2. D審判によって認定されず、E審判によって通常の実施減点がなされる。
Q3. I-105「開脚旋回270°以上ひねり(2回以内の旋回で)直接倒立」はどのような意味か?
A3. 2回目の旋回から直ちに倒立を行わなければならないことを意味している。シュピンデルの後に余分な旋回が加わった場合は2技に分割される。
Q4. 組合せ加点は一演技中2回までであるが、選手はさらに連続技を実施することができるか?
A4. はい。組合せ加点は高いものから2つまでが適用される。
⇒当初版採点規則では記載がありませんでしたが、解決しました。現在の白井健三の構成のようにE+D(0.2)、C+F(0.1)、D+E(0.2)の順で連続技を行っても、0.2を2か所取ってもらえます。
Q5. 中技で後方宙返り2回ひねりを実施し、終末技で後方宙返り5/2ひねりを実施しようとしてひねりが不十分になり、2回ひねりと判定されたらどうなるか?
A5. 通常、ゆかでは常に終末技が最初にカウントされるが、この場合は終末技は基本的な繰り返しとみなされ、D審判によって難度及びグループ要求を与えられない。
Q6. 後ろとびひねり(1回)宙返りはなくなったのか?
A6. III-7後方かかえ込み(屈身)宙返りひねり(A)には、後ろとびひねり前方かかえ込み(屈身)宙返りが含まれる。III-8後方伸身宙返りひねり(B)には後ろとびひねり前方伸身宙返りが含まれる。次の採点規則にて修正する。
Q7. 難度表にひねり数の多いかかえ込み(屈身)宙返りがないが、これらの宙返りが行われた場合、どう判定されるか
A7. 難度表にないかかえ込み(屈身)宙返りは、伸身宙返りの扱いになり、E審判によって「あいまいな姿勢」による小欠点、中欠点または大欠点を受ける。
⇒現行ルールでは1/2ひねり以上は全て"Any salto"となっており姿勢は問われませんでしたが、今後は厳格になります。
Q8. 同じ対角線を直接連続して2回以上使用することに対する減点はないのか?
A8. 減点はない。構成上の要求は全てのコーナーを使用することであり、さもなければ0.3のペナルティ(ND)となる。
Q9. 伸身宙返りで選手の腰や膝がわずかに曲がった場合、どのようにかかえ込みや屈身と判定するか?
A9. 伸身宙返りにおいて、腰が45°以上曲がった場合は屈身とみなされる。腰が曲がり、膝が45°以上曲がった場合はかかえ込みとみなされる。
注:難度表には1回ひねり以上の屈身宙返り(前方、後方)は記載されていない。1回ひねり以上の屈身宙返りを実施した場合は、D審判は伸身宙返りと判定するが、E審判によって「あいまいな姿勢」として相応の減点がなされる。同様の原則は3/2ひねりを超える前方かかえ込み宙返りと1/2ひねりを超える後方かかえ込み宙返りにも適用される。
⇒姿勢の判定については従来どおりです。以前のゆかの記事で、後方かかえ込み(屈身)宙返り1回ひねりが難度表にないと指摘しましたが、今回の内容によれば後方はかかえ込み(屈身)の3/2ひねりがあるのが間違いのようです。
Q10. タンブリングの着地を完全に終えてから、次の技に移行するためにとび正面支持臥を用いた場合も減点されるか?
A10. いいえ。タンブリングから直接連続したり、着地をごまかすように実施するのでなければ、とび正面支持臥に対する減点はない。
2. あん馬 PH
Q1. 難度表に縦向き前移動(1/3)がないが、どうなったか?
A1. 縦向き前移動(1/3)はII-14一把手上縦向き旋回と同じ扱いになる。把手上への前移動は1/4転向を伴っても伴わなくてもB難度のループであり、フロップやコンバインの開始技に数えることができる。したがって、縦向き前移動(1/3)そのものは難度表からなくなった。
Q2. 「演技全体として閉脚旋回や開脚旋回の大きさがない」の減点がないが、旋回の大きさがないことに対する減点は今後どうなるか?
A2. 理想的な旋回は身体を完全に伸ばした実施である。大きさがない場合は、個々の旋回ごとではなく、個々の技ごとに減点される。反った姿勢は許される。個々の技における腰の曲がりは個々の旋回ごとに技術的欠点として減点される。1つの技に両方の減点をすることができる。
Q3. 「フロップとコンバインは、一把手上から片手を外した最低1回の旋回によって分割されなければならない。」について、LLSSLLR180(Eフロップ+Dコンバイン)が実施されたら、どう判定されるか?
A3. フロップやコンバイン技の後に一把手上で行われる技を続けた場合、難度は認められない。旋回から倒立になる技(一把手上旋回からのブスナリなど)は除く。LLSSLLR180が実施された場合、Eフロップのみが認められる。一把手上の残りの技は認定されない。
Q4. 選手が一把手上で同じ旋回(シュテクリBまたはループ)を3回続けたら、どう判定されるか? 例:LLLS
A4. 3回連続して実施された後の一把手上の技の難度は認められない。旋回から倒立になる技(一把手上旋回からのブスナリなど)は除く。
例:LLLSの場合、最初のループだけがB難度となる(B+繰り返し+繰り返し+不認定)。
⇒現行はB+繰り返し+繰り返し+Bの判定でした。
Q5. 1/4下向き逆転向からロシアン転向技に入る実施を見かけるが、これはロシアン転向技の開始局面となりうるか?
A5. 正面支持からの1/4下向き逆転向はロシアン転向技の開始局面である。
⇒以前、指摘した気になるロスも有効ということになります。
Q6. 外向き縦向き支持から開始されるロシアン転向下りは、転向した度数を全て含めて数えることができるが、下向き転向下りに要求される開始局面は何か?
A6. 下向き転向下りは常に中向き縦向き支持から開始される。
Q7. p.57には「トン・フェイの3つのタイプは1周の旋回が必要」と記載されているが、これは難度表の説明と整合していない。正しい説明はどちらか?
A7. 難度表の説明が正しい。全てのトン・フェイは、採点規則に記載されている技(旋回、ロシアン転向、移動技など)に続けることが求められる。次の技を開始した後に落下した場合は、トン・フェイは認定される。
⇒やっとなんとなく分かりました。縦向き~縦向き支持の180°転向でも次の技につなげればD難度ということになります。
Q8. ロシアン転向技、ロシアン転向移動技、フロップやコンバイン技の途中で落下した場合、どう判定されるか?
A8. 部分的に難度が与えられることはない。全てのロシアン転向技、ロシアン転向移動技、フロップやコンバイン技は、採点規則に記載されている技に続けることが求められる。次の技を開始した後に落下した場合は、これらの技は認定される。
⇒トン・フェイと同様の判定方法になるようです。
Q9. 「一把手上の全ての交差倒立技は腕あるいは把手を換えなければならない」とあるが、どういうことか?
A9. 倒立に入るときと反対の向きで技を終えなければならないことを意味する。そうでない場合は不認定となり、E審判によって通常の実施減点が適用される。
Q10. 特別な繰り返し条項「縦向きでの3/3移動は、前移動1回、後ろ移動1回のみ」に6つの移動技が記載されているが、このルールが適用される移動技は8つでないか?
A10. はい。開脚旋回で縦向き前移動(3/3)、開脚旋回で縦向き後ろ移動(3/3)も適用される。
Q11. III-16 2回の旋回で背面横移動(馬端馬背から両把手を越えて逆馬端馬背)(D)を、一方の把手を使って開始し、もう一方を使って終了したらどう判定されるか?
A11. 2回の旋回で背面横移動(馬端馬背から両把手を越えて逆馬端馬背、把手を使用して)としてC難度とする。III-39に追加する。
3. つり輪 SR
Q1. 「終末姿勢が同一の力技は各グループ1回まで」について、どの技が力技の終末姿勢としてみなされるか。
A1. 難度表II-1~15の技(2秒)も力技の終末姿勢に含まれる。例外として、I-68後ろ振り上がり開脚前挙支持(2秒)は、グループIIまたはIIIの技が連続していないとするための技として用いることができる。
注:開脚前挙支持は、後ろ振り上がりから実施された場合は力技の終末姿勢とはみなさない。
Q2. グループIIIの懸垂前振り上がり脚前挙支持(2秒)、前方ほん転逆上がり脚前挙支持(2秒)、け上がり脚前挙支持(2秒)は、「グループIIまたはIIIの技は直接3回を超えて続けることはできない。」のルールでカウントされる技か?
A2. はい。このルールにおける振動からの力静止技とみなされる。
注:後ろ振り上がり脚前挙支持(2秒)が実施された場合、グループIとIIの2技に分割される。全ての力静止技は振動技と組合わせることによって難度を上げることはできない。
⇒最後の文は「難度表にない振動からの力静止技は分割される」という意味だと思います。開脚でない後ろ振り上がり脚前挙支持(2秒)という技は難度表にないので、I-37後ろ振り上がり支持とII-1脚前挙支持(2秒)の2技に分割されます。
Q3. 脚上挙支持または脚上挙十字懸垂において脚部は垂直でなければならないか?
A3. はい。さもなければ角度の逸脱として減点となり、さらにその他の通常の実施減点も適用される。
Q4. グループIIまたはIIIの技が直接3回続けられた後、あるいはグループIIまたはIIIの技の間に実施されたB難度以上の振動技が不認定となった場合どうなるか?
A4. その後のグループIIまたはIIIの技は認定されない。
注:このB難度以上の振動技は、トップ10技、グループ内5技に入っていなければならない。
Q5. 振動倒立技(2秒)がトップ10技から外れてしまった場合はどうなるか?
A5. Dスコアはトップ10技で算出されるが、振動倒立技が含まれない場合は、0.3のペナルティ(ND)が適用される。
Q6. 後ろ振り上がり十字懸垂(2秒)の腕が水平から50°の角度で実施され、その後、中水平支持(2秒)に引き上げられた場合、どう判定されるか?
A6. 後ろ振り上がり十字懸垂(2秒)は認定されず、D難度の中水平支持(2秒)のみが認定される。E審判は十字懸垂の角度の逸脱に対して0.5の減点を課す。中水平支持には特定の減点は引き継がれない。
Q7. 輪の高さで前方宙返り直接十字(脚前挙十字)懸垂(2秒)の腕が水平から50°の角度で実施された場合、どう判定されるか?
A7. 認定されない。振動からの力静止技が認定されない場合に部分的な難度が与えられることはない。
⇒従来どおりです。
4. 跳馬 VT
Q1. 価値点表2ページ目の第二局面が「同じ」または「類似している」ことを表す①、②、③のような番号が示されているが、これはどのようなものか?
A1. 種目別予選及び決勝において2つの跳越技を実施する際に、2つの跳越の技番号の下2桁が同じで、この表に示されている番号が同じ場合は2本目の跳越に2.0のペナルティ(ND)が適用される。例えば、II-70伸身ツカハラとびとIII-70伸身ユルチェンコとびの2つの跳越はともに①の番号が示されている。
⇒ちょっと意訳していますが、こういうことだと思います。
Q2. 価値点表の1ページ目に①、②、③の番号がないのはなぜか?
A2. 1ページ目の全ての跳越については第二局面が同じまたは類似していることに対する減点はない。
注:1ページ目の跳越についても、種目別予選及び決勝において1本目と同じグループの跳越を実施した場合は2.0のペナルティ(ND)となる。
5. 平行棒 PB
Q1. 棒下宙返り倒立、棒下宙返り単棒倒立(ヒーリーにつなげない)、棒下宙返りひねり倒立を実施したら、どう判定されるか?
A1. 特別な繰り返し条項においては難度の高いものから2技が数えられるが、この場合は、棒下宙返り倒立と棒下宙返り単棒倒立は同一枠であり、単純な繰り返しとなる。棒下宙返り倒立と棒下宙返りひねり倒立に難度が与えられる。
Q2.「棒下宙返りから倒立になる技は最大2回まで認められる」について、III-108チョウ・シーションは含まれないのか?
A2. III-108は記載漏れであった。III-108とIII-114の番号も間違っている。これらは枠内の説明はそのままで、番号を入れ替えることになる。
Q3. 「モイや後方車輪系の技では体が水平位を通過するまで脚を曲げてはならない。」について、どれだけの減点が適用されるか?
A3.小欠点または中欠点となる。減点表に追加する。
⇒これも当初版採点規則では記載がありませんでしたが、解決しました。
6. 鉄棒 HB
Q1. 「バーを越えて宙返りをする手放し技は車輪につなげなければならず、さもなければE審判により0.3の減点となる。」について、別の手放し技に連続することができれば減点はないか?
A1. はい。
Q2. シュタルダーとび1回ひねり大逆手または片大逆手、あるいは類似した回転方向が反転する技が採点規則からなくなったが、このような実施をしたらどう判定されるか?
A2. 不認定となり、E審判によって「技が意図する方向へ続かない」ことに対して0.5の減点となる。
Q3.「全てのアドラー系の技は倒立から行う必要はない。」について、エンドーやシュタルダー系の技に、車輪や前の技から早い角度で技に入った場合、減点はあるか?
A3. はい。全てのエンドー(大逆手を含む)やシュタルダー系の技に早い角度で入った場合は「振動や倒立経過での角度の逸脱」の減点となる。
注:エンドーを、入り技として懸垂振り出しから行う場合や、手放し技の後に行う場合は、け上がりよりも洗練された実施であることから、入り角度の減点はない。
⇒すでに『情報24号』にも記載があります。大逆手エンドーに早い角度で入る実施は、国内でもよく見受けられ、対応が必要になります。シュタルダーに早い角度で入るのは昔の映像でよく見かけました。近年はほとんど見ませんが、あれは逆に味があって好きだったのですが。
2017年版採点規則の大陸間審判講習会が11月27日からスロバキアのブラチスラヴァで始まっています。これに先立ち、FIG公式サイトの同講習会のページに11月20日付で2017年採点規則のQ&Aがアップされました。
講習会後にはこのQ&Aも更新されるとのことですが、現時点でFIG公用語で全世界に公開されているものですので、ここで内容をまとめておきたいと思います。今後、更新版が同じようなかたちで公開されるのか、いきなり採点規則の修正版として公開されるのかは分かりませんが、FIG公式サイトで動きがあった場合はできるだけ対応したいと思います。
なお、2017年版採点規則はFIG公式サイトのこちらで公開されており、当サイトではこちらの記事などに変更点をまとめています。日本体操協会の『男子体操競技情報』では10月31日付で発行された『情報24号』にその内容がまとめられており、追加情報も記載されています。
いつものことですが、解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は必ず原本を直接確認するか、協会の公式発表をお待ちください。また「⇒」以降は例によって私のコメント(戯言)になります。
0. 一般条項 General
Q1. 「繰り返し」と「特別な繰り返し」の違いは何か?
A1. 「特別な繰り返し」は跳馬を除く全ての種目に記載されている。同系統の技を一演技中2回までに制限するもので、D審判によって難度の高い技から2技が認定されるものである。一方、基本的な「繰り返し」は、同じ技(同一枠の技)が一演技中2回実施されることであり、D審判によって出現順に難度が認定される。
注:特別な繰り返しにおいても出現順とするものもある。
Q2. 終末技を実施しなかった場合、演技で難度をカウントできるのは何技までか?
A2. シニアは9技、ジュニアは7技まで。
⇒従来どおりです。
Q3. ゆかの2回宙返り(シニア)や、つり輪の振動倒立のような構成上要求される技がトップ10技に入らない場合も10技がカウントされるか?
A3. はい。構成上要求される技が実施されていなくても10技がカウントされるが、0.3のペナルティ(ND)が適用される。
Q4. D審判による減点とはどのように適用されるものか?
A4. 全てのD審判による減点は決定点からの減点である。DスコアやEスコアから直接引かれるものではなく、ゆかや跳馬のラインオーバーと同じ方法で適用される。
1. ゆか FX
Q1. 宙返り技で意図的に横向き着地した場合はどう判定されるか?
A1. D審判によって認定されず、E審判によって通常の実施減点がなされる。
注:意図的な横向き着地に対する特定の減点はない。
Q2. I-94「開脚旋回とび1回ひねり倒立、開脚旋回(2回とんで)」について、1回とんで180°ひねりのみが実施されたらどう判定されるか
A2. D審判によって認定されず、E審判によって通常の実施減点がなされる。
Q3. I-105「開脚旋回270°以上ひねり(2回以内の旋回で)直接倒立」はどのような意味か?
A3. 2回目の旋回から直ちに倒立を行わなければならないことを意味している。シュピンデルの後に余分な旋回が加わった場合は2技に分割される。
Q4. 組合せ加点は一演技中2回までであるが、選手はさらに連続技を実施することができるか?
A4. はい。組合せ加点は高いものから2つまでが適用される。
⇒当初版採点規則では記載がありませんでしたが、解決しました。現在の白井健三の構成のようにE+D(0.2)、C+F(0.1)、D+E(0.2)の順で連続技を行っても、0.2を2か所取ってもらえます。
Q5. 中技で後方宙返り2回ひねりを実施し、終末技で後方宙返り5/2ひねりを実施しようとしてひねりが不十分になり、2回ひねりと判定されたらどうなるか?
A5. 通常、ゆかでは常に終末技が最初にカウントされるが、この場合は終末技は基本的な繰り返しとみなされ、D審判によって難度及びグループ要求を与えられない。
Q6. 後ろとびひねり(1回)宙返りはなくなったのか?
A6. III-7後方かかえ込み(屈身)宙返りひねり(A)には、後ろとびひねり前方かかえ込み(屈身)宙返りが含まれる。III-8後方伸身宙返りひねり(B)には後ろとびひねり前方伸身宙返りが含まれる。次の採点規則にて修正する。
Q7. 難度表にひねり数の多いかかえ込み(屈身)宙返りがないが、これらの宙返りが行われた場合、どう判定されるか
A7. 難度表にないかかえ込み(屈身)宙返りは、伸身宙返りの扱いになり、E審判によって「あいまいな姿勢」による小欠点、中欠点または大欠点を受ける。
⇒現行ルールでは1/2ひねり以上は全て"Any salto"となっており姿勢は問われませんでしたが、今後は厳格になります。
Q8. 同じ対角線を直接連続して2回以上使用することに対する減点はないのか?
A8. 減点はない。構成上の要求は全てのコーナーを使用することであり、さもなければ0.3のペナルティ(ND)となる。
Q9. 伸身宙返りで選手の腰や膝がわずかに曲がった場合、どのようにかかえ込みや屈身と判定するか?
A9. 伸身宙返りにおいて、腰が45°以上曲がった場合は屈身とみなされる。腰が曲がり、膝が45°以上曲がった場合はかかえ込みとみなされる。
注:難度表には1回ひねり以上の屈身宙返り(前方、後方)は記載されていない。1回ひねり以上の屈身宙返りを実施した場合は、D審判は伸身宙返りと判定するが、E審判によって「あいまいな姿勢」として相応の減点がなされる。同様の原則は3/2ひねりを超える前方かかえ込み宙返りと1/2ひねりを超える後方かかえ込み宙返りにも適用される。
⇒姿勢の判定については従来どおりです。以前のゆかの記事で、後方かかえ込み(屈身)宙返り1回ひねりが難度表にないと指摘しましたが、今回の内容によれば後方はかかえ込み(屈身)の3/2ひねりがあるのが間違いのようです。
Q10. タンブリングの着地を完全に終えてから、次の技に移行するためにとび正面支持臥を用いた場合も減点されるか?
A10. いいえ。タンブリングから直接連続したり、着地をごまかすように実施するのでなければ、とび正面支持臥に対する減点はない。
2. あん馬 PH
Q1. 難度表に縦向き前移動(1/3)がないが、どうなったか?
A1. 縦向き前移動(1/3)はII-14一把手上縦向き旋回と同じ扱いになる。把手上への前移動は1/4転向を伴っても伴わなくてもB難度のループであり、フロップやコンバインの開始技に数えることができる。したがって、縦向き前移動(1/3)そのものは難度表からなくなった。
Q2. 「演技全体として閉脚旋回や開脚旋回の大きさがない」の減点がないが、旋回の大きさがないことに対する減点は今後どうなるか?
A2. 理想的な旋回は身体を完全に伸ばした実施である。大きさがない場合は、個々の旋回ごとではなく、個々の技ごとに減点される。反った姿勢は許される。個々の技における腰の曲がりは個々の旋回ごとに技術的欠点として減点される。1つの技に両方の減点をすることができる。
Q3. 「フロップとコンバインは、一把手上から片手を外した最低1回の旋回によって分割されなければならない。」について、LLSSLLR180(Eフロップ+Dコンバイン)が実施されたら、どう判定されるか?
A3. フロップやコンバイン技の後に一把手上で行われる技を続けた場合、難度は認められない。旋回から倒立になる技(一把手上旋回からのブスナリなど)は除く。LLSSLLR180が実施された場合、Eフロップのみが認められる。一把手上の残りの技は認定されない。
Q4. 選手が一把手上で同じ旋回(シュテクリBまたはループ)を3回続けたら、どう判定されるか? 例:LLLS
A4. 3回連続して実施された後の一把手上の技の難度は認められない。旋回から倒立になる技(一把手上旋回からのブスナリなど)は除く。
例:LLLSの場合、最初のループだけがB難度となる(B+繰り返し+繰り返し+不認定)。
⇒現行はB+繰り返し+繰り返し+Bの判定でした。
Q5. 1/4下向き逆転向からロシアン転向技に入る実施を見かけるが、これはロシアン転向技の開始局面となりうるか?
A5. 正面支持からの1/4下向き逆転向はロシアン転向技の開始局面である。
⇒以前、指摘した気になるロスも有効ということになります。
Q6. 外向き縦向き支持から開始されるロシアン転向下りは、転向した度数を全て含めて数えることができるが、下向き転向下りに要求される開始局面は何か?
A6. 下向き転向下りは常に中向き縦向き支持から開始される。
Q7. p.57には「トン・フェイの3つのタイプは1周の旋回が必要」と記載されているが、これは難度表の説明と整合していない。正しい説明はどちらか?
A7. 難度表の説明が正しい。全てのトン・フェイは、採点規則に記載されている技(旋回、ロシアン転向、移動技など)に続けることが求められる。次の技を開始した後に落下した場合は、トン・フェイは認定される。
⇒やっとなんとなく分かりました。縦向き~縦向き支持の180°転向でも次の技につなげればD難度ということになります。
Q8. ロシアン転向技、ロシアン転向移動技、フロップやコンバイン技の途中で落下した場合、どう判定されるか?
A8. 部分的に難度が与えられることはない。全てのロシアン転向技、ロシアン転向移動技、フロップやコンバイン技は、採点規則に記載されている技に続けることが求められる。次の技を開始した後に落下した場合は、これらの技は認定される。
⇒トン・フェイと同様の判定方法になるようです。
Q9. 「一把手上の全ての交差倒立技は腕あるいは把手を換えなければならない」とあるが、どういうことか?
A9. 倒立に入るときと反対の向きで技を終えなければならないことを意味する。そうでない場合は不認定となり、E審判によって通常の実施減点が適用される。
Q10. 特別な繰り返し条項「縦向きでの3/3移動は、前移動1回、後ろ移動1回のみ」に6つの移動技が記載されているが、このルールが適用される移動技は8つでないか?
A10. はい。開脚旋回で縦向き前移動(3/3)、開脚旋回で縦向き後ろ移動(3/3)も適用される。
Q11. III-16 2回の旋回で背面横移動(馬端馬背から両把手を越えて逆馬端馬背)(D)を、一方の把手を使って開始し、もう一方を使って終了したらどう判定されるか?
A11. 2回の旋回で背面横移動(馬端馬背から両把手を越えて逆馬端馬背、把手を使用して)としてC難度とする。III-39に追加する。
3. つり輪 SR
Q1. 「終末姿勢が同一の力技は各グループ1回まで」について、どの技が力技の終末姿勢としてみなされるか。
A1. 難度表II-1~15の技(2秒)も力技の終末姿勢に含まれる。例外として、I-68後ろ振り上がり開脚前挙支持(2秒)は、グループIIまたはIIIの技が連続していないとするための技として用いることができる。
注:開脚前挙支持は、後ろ振り上がりから実施された場合は力技の終末姿勢とはみなさない。
Q2. グループIIIの懸垂前振り上がり脚前挙支持(2秒)、前方ほん転逆上がり脚前挙支持(2秒)、け上がり脚前挙支持(2秒)は、「グループIIまたはIIIの技は直接3回を超えて続けることはできない。」のルールでカウントされる技か?
A2. はい。このルールにおける振動からの力静止技とみなされる。
注:後ろ振り上がり脚前挙支持(2秒)が実施された場合、グループIとIIの2技に分割される。全ての力静止技は振動技と組合わせることによって難度を上げることはできない。
⇒最後の文は「難度表にない振動からの力静止技は分割される」という意味だと思います。開脚でない後ろ振り上がり脚前挙支持(2秒)という技は難度表にないので、I-37後ろ振り上がり支持とII-1脚前挙支持(2秒)の2技に分割されます。
Q3. 脚上挙支持または脚上挙十字懸垂において脚部は垂直でなければならないか?
A3. はい。さもなければ角度の逸脱として減点となり、さらにその他の通常の実施減点も適用される。
Q4. グループIIまたはIIIの技が直接3回続けられた後、あるいはグループIIまたはIIIの技の間に実施されたB難度以上の振動技が不認定となった場合どうなるか?
A4. その後のグループIIまたはIIIの技は認定されない。
注:このB難度以上の振動技は、トップ10技、グループ内5技に入っていなければならない。
Q5. 振動倒立技(2秒)がトップ10技から外れてしまった場合はどうなるか?
A5. Dスコアはトップ10技で算出されるが、振動倒立技が含まれない場合は、0.3のペナルティ(ND)が適用される。
Q6. 後ろ振り上がり十字懸垂(2秒)の腕が水平から50°の角度で実施され、その後、中水平支持(2秒)に引き上げられた場合、どう判定されるか?
A6. 後ろ振り上がり十字懸垂(2秒)は認定されず、D難度の中水平支持(2秒)のみが認定される。E審判は十字懸垂の角度の逸脱に対して0.5の減点を課す。中水平支持には特定の減点は引き継がれない。
Q7. 輪の高さで前方宙返り直接十字(脚前挙十字)懸垂(2秒)の腕が水平から50°の角度で実施された場合、どう判定されるか?
A7. 認定されない。振動からの力静止技が認定されない場合に部分的な難度が与えられることはない。
⇒従来どおりです。
4. 跳馬 VT
Q1. 価値点表2ページ目の第二局面が「同じ」または「類似している」ことを表す①、②、③のような番号が示されているが、これはどのようなものか?
A1. 種目別予選及び決勝において2つの跳越技を実施する際に、2つの跳越の技番号の下2桁が同じで、この表に示されている番号が同じ場合は2本目の跳越に2.0のペナルティ(ND)が適用される。例えば、II-70伸身ツカハラとびとIII-70伸身ユルチェンコとびの2つの跳越はともに①の番号が示されている。
⇒ちょっと意訳していますが、こういうことだと思います。
Q2. 価値点表の1ページ目に①、②、③の番号がないのはなぜか?
A2. 1ページ目の全ての跳越については第二局面が同じまたは類似していることに対する減点はない。
注:1ページ目の跳越についても、種目別予選及び決勝において1本目と同じグループの跳越を実施した場合は2.0のペナルティ(ND)となる。
5. 平行棒 PB
Q1. 棒下宙返り倒立、棒下宙返り単棒倒立(ヒーリーにつなげない)、棒下宙返りひねり倒立を実施したら、どう判定されるか?
A1. 特別な繰り返し条項においては難度の高いものから2技が数えられるが、この場合は、棒下宙返り倒立と棒下宙返り単棒倒立は同一枠であり、単純な繰り返しとなる。棒下宙返り倒立と棒下宙返りひねり倒立に難度が与えられる。
Q2.「棒下宙返りから倒立になる技は最大2回まで認められる」について、III-108チョウ・シーションは含まれないのか?
A2. III-108は記載漏れであった。III-108とIII-114の番号も間違っている。これらは枠内の説明はそのままで、番号を入れ替えることになる。
Q3. 「モイや後方車輪系の技では体が水平位を通過するまで脚を曲げてはならない。」について、どれだけの減点が適用されるか?
A3.小欠点または中欠点となる。減点表に追加する。
⇒これも当初版採点規則では記載がありませんでしたが、解決しました。
6. 鉄棒 HB
Q1. 「バーを越えて宙返りをする手放し技は車輪につなげなければならず、さもなければE審判により0.3の減点となる。」について、別の手放し技に連続することができれば減点はないか?
A1. はい。
Q2. シュタルダーとび1回ひねり大逆手または片大逆手、あるいは類似した回転方向が反転する技が採点規則からなくなったが、このような実施をしたらどう判定されるか?
A2. 不認定となり、E審判によって「技が意図する方向へ続かない」ことに対して0.5の減点となる。
Q3.「全てのアドラー系の技は倒立から行う必要はない。」について、エンドーやシュタルダー系の技に、車輪や前の技から早い角度で技に入った場合、減点はあるか?
A3. はい。全てのエンドー(大逆手を含む)やシュタルダー系の技に早い角度で入った場合は「振動や倒立経過での角度の逸脱」の減点となる。
注:エンドーを、入り技として懸垂振り出しから行う場合や、手放し技の後に行う場合は、け上がりよりも洗練された実施であることから、入り角度の減点はない。
⇒すでに『情報24号』にも記載があります。大逆手エンドーに早い角度で入る実施は、国内でもよく見受けられ、対応が必要になります。シュタルダーに早い角度で入るのは昔の映像でよく見かけました。近年はほとんど見ませんが、あれは逆に味があって好きだったのですが。
by kaki_aqr
| 2016-12-01 21:00
| 採点規則 COP
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