2つのミクラック |
お気づきの方も多いと思われますが、あん馬のD難度技であるミクラックには大きく2とおりの捌き方があるようです。
ミクラックの課題表記は「正交差とび横移動ひねり逆交差入れ(馬端~馬端)」。ポイントは「とび横移動ひねり」の部分です。採点規則の図は以下のとおりですが、今回は動画と見比べやすいように図をこしらえました。
まずは本家本元、サミュエル・ミクラック(アメリカ)の実施。動画は2016年パシフィックリム選手権・エバレット大会から。いきなり図と馬端の向きが反対で恐縮ですが、手前の馬端でひねってからとび移動をするような捌きになっています。
続いて同じ大会からジャスティン・カーシュタット(カナダ)の実施です。ひねりながら反対の馬端へ移動するような捌きになっています。
前者の捌きは「正交差横移動ひねり逆交差入れ」に「とび移動」を加えたような感じで、一旦手前のポメルを支持するのが余分な感じがします。本家が行っていることもあり、他の選手の実施もこの捌きが多いようです。
一方で後者の捌きは、余分な支持こそないものの、手前の馬端馬背と反対側のポメルの両方を支持(1-4)している局面があり、「とび」の局面がないのではないかという気がします。
現在のところはいずれもD難度として判定されているようです。捌き方はどうであれ、ダブルセアで馬端から馬端まで移動していればOKということになります。
あるいはこの技の理想的な実施は下図のように、手前のポメルを支持することなく反対の馬端にとび横移動することなのかもしれませんが、今のところこのような捌きが出現するには至っていないようです。