2016年FIG通達について |
2016年2月25日付でFIGのNewsletter#30が発行されました。日本では2月3日に『男子体操競技情報23号』が発行されたばかりで、なぜいつもこういうタイミングになってしまうのかよく分かりませんが、2015年の通達のときのようにいつまでも改訂版などが出ない可能性があるので、もう内容をまとめておきたいと思います(何しろ『情報23号』でようやくNewsletter#28、#29の内容が反映されたばかりです)。
いつも書いていることですが、解釈に間違いがあるかもしれません。競技関係者の方は必ず原本を直接確認してください。また「⇒」以降は例によって私のコメント(戯言)になります。
1. ゆか FX
● 後方伸身宙返り3/2ひねり前方かかえ込み宙返り(コロステリェフ)(D:III)
注:異なる姿勢が混在する新たな2回宙返り技の申請は認められない。
⇒先日の新技の通達にはなかった技です。この技やコリバノフ(後方伸身宙返り2回ひねり屈身宙返り)のような技は今後は申請できないということになります。
コロステリェフ Korosteljev
2. あん馬 PH
● あん馬は、選手が落下または大欠点により難度が認められないと判断した場合に、終末技のやり直し(1回に限る)ができる唯一の種目である。やり直しは許された時間内に行わなければならない。選手がポディウム(階段を含む)を下りた場合、演技は終了する。
● ショーン系またはベズゴ系の技が(旋回からでなく)立った状態から行われた場合、難度は2段階格下げとなる。
⇒本家本元のショーンは開始技として行っていました。現在は旋回中に行われるのが通常ですが、最近だれかがやったんでしょうか。
● 一演技中、縦向きでの3/3移動は、前移動1回、後ろ移動1回のみ認定される。このルールは、以下の6つの技にのみ適用される。
・III-45 縦向き前移動(3/3:馬端-把手-把手-馬端)(C)
・III-46 縦向き前移動(3/3:馬端-把手-あん部馬背-把手-馬端)(マジャール)(D)
・III-47 縦向きとび前移動(馬端~馬端)(ドリッグス)(E)
・III-51 片手ずつ支持して前移動連続横向き支持(ビロゼルチェフ)(C)
・III-57 縦向き後ろ移動(3/3:馬端-把手-把手-馬端)(C)
・III-58 縦向き後ろ移動(3/3:あん部馬背着手)(シバド)(D)
すなわち、ニン・レイエス系(ひねりを伴う3/3移動)の技はこのルールに含まれない。
⇒特に新しい事項ではありませんが、適用される技が明文化されました。
● 馬端下向き転向(IV-43)(A)を追加
⇒というか、Code of Pointsの2015年6月改訂版で突如として消えたものが復活しただけです。やはり馬端で行う場合はA難度ということのようです。
● D難度のシュピンデルである
・II-28 横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
・II-34 縦向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)(マジャール)
は、一演技中で両方実施することができる。
注:採点規則に記載されている全ての技は、閉脚旋回でも開脚旋回でも同一枠、同難度である。II-28であれば以下のような異なった実施がある。
・閉脚横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
・開脚横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
・1つのポメルを挟んで開脚横向き旋回1回ひねり(2回以内の旋回で)
⇒特に新しい事項ではないと思います。
● 振動倒立技で脚が下がった場合、
・小欠点 | 15°まで |
・中欠点 | 16°~30°まで |
・大欠点 | 31°~45°まで |
・大欠点と難度不認定(D審判) | 45°を超える |
● 以下の技にさらに技を付け加えても難度を上げることはできない。
・IV-4 上向き転向、下向き逆移動、上向き転向(モギルニー)
・IV-16 下向き逆移動、上向き転向、下向き逆移動(ベレンキ)
⇒以前にアレクサンダー・シャティロフ(イスラエル)が申請して却下されています。
3. つり輪 SR
● 力技を実施する際に手首を曲げて技を容易にする正しくない握りは毎回0.1の減点となる。正しい握りは、輪を握るか握らないに関わらず手首がまっすぐの握りである。
注:手首がまっすぐで手を開いた姿勢で評価が変わることはない。
⇒合っているでしょうか。
時間がないので続きます。