2013年 03月 15日
2007年世界選手権:種目別鉄棒の演技構成 |
2007 Worlds Stuttgart (GER) EF HB Routine Guide
2007年の世界選手権・シュトゥットガルト大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 ZONDERLAND Epke (NED)
A:6.9
B:8.800
Score:15.700
多くの選手がアドラー1回ひねり~ヤマワキ(E+D)で組合せ加点を得る中、この頃からすでにコバチ系の連続という独自の方向に進んでいる。5年の時を経て、カッシーナ(G)も含めた3連続にまで技を高めてオリンピックで金メダルを取ることになるが、それは後の話。荒削りな実施は今と変わらず、6では大きくバランスを崩しかける。伸身新月面の着地の強さも相変わらず。
#2 PEGAN Aljaz (SLO)
A:6.8
B:9.025
Score:15.825
2007年から握り方が違うだけのひねり技(エンドー1回ひねり片大逆手(C)と大逆手(D)など)は繰り返しと見なされるようになったため、エンドーやシュタルダーに加えて、新たにアドラーやワイラーのひねり系を入れている。Aスコアは2006年から0.3アップ。実施は相変わらず安定しており、終末技の3回宙返りも小さな跳ねに抑える。
#3 WAMMES Jeffrey (NED)
A:6.4
B:8.750
Score:15.150
ヤマワキは完全に腰が曲がっているが、認定はしてもらえたようだ。アドラーひねりで流れる。着地は後ろに1歩。
#4 水鳥寿思 MIZUTORI Hisashi (JPN)
A:6.8
B:8.975
Score:15.775
コバチ系を3つ入れて歓声を誘う。後半のひねり系を無難に実施し、着地も止める。
#5 冨田洋之 TOMITA Hiroyuki (JPN)
A:5.8
B:7.500
Score:13.300
冨田がまさかの2度の落下。技のやり直しをしなかったため、A難度技が2つカウントされて予定の6.7から大きくAスコアを下げてしまう。いつもはきれいに決めるコールマン(F)だが、この大会では個人総合でも落下しており鬼門となった。
#6 POZZO Enrico (ITA)
A:6.2
B:8.950
Score:15.150
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまいヤマワキとの組合せ加点が得られなかった。8は以前は片手懸垂でもリバルコと認定されていたが、2006年からは片大逆手扱いと同じC難度となっている。
#7 MARAS Vlasios (GRE)
A:6.3
B:7.975
Score:14.275
ペガンは脚が開くが本来どおりの実施。6が流れてバランスを崩してしまいバーから下りてしまう。スペシャリストが痛恨のミス。
#8 HAMBUECHEN Fabiuan (GER)
A:7.0
B:9.250
Score:16.250
コールマンをきれいに決め、得意のトカチェフ連続は雄大に実施。手放し技以外もバランスよく技が組み合わされ、演技の流れもよく、2006年のルール改訂後の一つの理想形とも言える構成を見せた。
HAMBUECHEN Fabian (GER)
PEGAN Aljaz (SLO)
水鳥寿思 MIZUTORI Hisashi (JPN)
ほとんどの選手が組合せ加点が得られる連続技を取り入れ、全体的に大きくAスコアが上がっています。組合せの種類としては(失敗した選手も含め)5人がアドラー1回ひねり~ヤマワキを行い、価値点アップに有効な連続技として広がりを見せています。ひねり技の制限はペガンの他、日本人選手の構成にも影響しています。
優勝は地元の大声援を受けたハンビュヘン。組合せ加点でAスコアを7.0まで上げ、Bスコアも8人中最高で、並みいるスペシャリストを押さえての圧勝でした。連続技の重要性があらためて浮き彫りになり、これ以降も鉄棒のAスコア(Dスコア)はどんどん上昇していくことになります。
2007年の世界選手権・シュトゥットガルト大会:種目別鉄棒の演技構成です。
#1 ZONDERLAND Epke (NED)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 大逆手振り上がりひねり | El Hop 1/2 | B | IV | |
3. | コバチ | Kovacs | D | II | |
4. | ~コールマン | + Kolman | F | II | (CV:0.2) |
5. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
6. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV | |
7. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
8. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | II | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:6.9
B:8.800
Score:15.700
多くの選手がアドラー1回ひねり~ヤマワキ(E+D)で組合せ加点を得る中、この頃からすでにコバチ系の連続という独自の方向に進んでいる。5年の時を経て、カッシーナ(G)も含めた3連続にまで技を高めてオリンピックで金メダルを取ることになるが、それは後の話。荒削りな実施は今と変わらず、6では大きくバランスを崩しかける。伸身新月面の着地の強さも相変わらず。
#2 PEGAN Aljaz (SLO)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ペガン | Pegan | E | II | |
3. | ~リバルコ | + Rybalko | D | I | (CV:0.2) |
4. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
5. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
6. | シュタルダーとび1回ひねり大逆手 | Stalder Hop 1/1 to El | D | III | |
7. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
8. | ワイラー1回ひねり大逆手 | Weiler 1/1 to El | D | III | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方かかえ込み3回宙返り下り | Triple Back | E | V |
A:6.8
B:9.025
Score:15.825
2007年から握り方が違うだけのひねり技(エンドー1回ひねり片大逆手(C)と大逆手(D)など)は繰り返しと見なされるようになったため、エンドーやシュタルダーに加えて、新たにアドラーやワイラーのひねり系を入れている。Aスコアは2006年から0.3アップ。実施は相変わらず安定しており、終末技の3回宙返りも小さな跳ねに抑える。
#3 WAMMES Jeffrey (NED)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
3. | アドラー | Jam | C | IV | |
4. | 大逆手エンドー | Endo El | C | IV | |
5. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV | |
6. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
7. | 前方車輪1回ひねり大逆手 | 1/1 to El | C | I | |
8. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV | |
9. | シュタルダー | Stalder | B | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:6.4
B:8.750
Score:15.150
ヤマワキは完全に腰が曲がっているが、認定はしてもらえたようだ。アドラーひねりで流れる。着地は後ろに1歩。
#4 水鳥寿思 MIZUTORI Hisashi (JPN)
1. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV | |
---|---|---|---|---|---|
2. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
3. | 伸身コバチ | Kovacs Lay | E | II | |
4. | コールマン | Kolman | F | II | |
5. | コバチ | Kovacs | D | II | |
6. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I | |
7. | エンドー1回ひねり片大逆手 | Endo 1/1 to MG | C | III | |
8. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り1回ひねり下り | Double Back Lay 1/1 | E | V |
A:6.8
B:8.975
Score:15.775
コバチ系を3つ入れて歓声を誘う。後半のひねり系を無難に実施し、着地も止める。
#5 冨田洋之 TOMITA Hiroyuki (JPN)
1. | 懸垂振り出し倒立 | Stem | A | III | |
---|---|---|---|---|---|
2. | 後ろ振り上がり倒立 | Back Uprise | A | I | |
3. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV | |
4. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
コールマン〈落下〉 | Kolman | ||||
閉脚シュタルダーとび3/2ひねり大逆手〈落下〉 | Stalder Pk Hop 3/2 to El | ||||
5. | シュタルダーとび1回ひねり片大逆手 | Stalder Hop 1/1 to MG | C | III | |
6. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III | |
7. | 前方車輪1回ひねり大逆手 | 1/1 to El | C | I | |
8. | 大逆手振り上がりひねり | El Hop 1/2 | B | IV | |
9. | シュタルダーとび1回ひねり | Stalder Hop 1/1 | C | III | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:5.8
B:7.500
Score:13.300
冨田がまさかの2度の落下。技のやり直しをしなかったため、A難度技が2つカウントされて予定の6.7から大きくAスコアを下げてしまう。いつもはきれいに決めるコールマン(F)だが、この大会では個人総合でも落下しており鬼門となった。
#6 POZZO Enrico (ITA)
1. | シュタルダーとび3/2ひねり片大逆手 | Stalder Hop 3/2 to MG | D | III |
---|---|---|---|---|
2. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III |
3. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV |
4. | ヤマワキ | Yamawaki | D | II |
5. | エンドー | Endo | B | III |
6. | アドラーひねり | Jam 1/2 | D | IV |
7. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I |
8. | 後方とび車輪3/2ひねり | Hop 3/2 to MG | C | I |
9. | アドラー | Jam | C | IV |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:6.2
B:8.950
Score:15.150
アドラー1回ひねりで振り戻ってしまいヤマワキとの組合せ加点が得られなかった。8は以前は片手懸垂でもリバルコと認定されていたが、2006年からは片大逆手扱いと同じC難度となっている。
#7 MARAS Vlasios (GRE)
1. | エンドー1回ひねり大逆手 | Endo 1/1 to El | D | III |
---|---|---|---|---|
2. | ペガン | Pegan | E | II |
3. | リバルコ | Rybalko | D | I |
4. | 大逆手エンドー | Endo El | C | IV |
5. | 前方車輪1回ひねり大逆手 | 1/1 to El | C | I |
6. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手〈この後落下〉 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III |
7. | ツォウ・リミン | Zou Limin | C | I |
8. | アドラー | Jam | C | IV |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:6.3
B:7.975
Score:14.275
ペガンは脚が開くが本来どおりの実施。6が流れてバランスを崩してしまいバーから下りてしまう。スペシャリストが痛恨のミス。
#8 HAMBUECHEN Fabiuan (GER)
1. | コールマン | Kolman | F | II | |
---|---|---|---|---|---|
2. | シュタルダーとび3/2ひねり大逆手 | Stalder Hop 3/2 to El | E | III | |
3. | アドラー1回ひねり | Jam 1/1 | E | IV | |
4. | ~ヤマワキ | + Yamawaki | D | II | (CV:0.2) |
5. | 伸身トカチェフ | Tkatchev Lay | D | II | |
6. | ~トカチェフ | + Tkatchev | C | II | (CV:0.1) |
7. | リバルコ | Rybalko | D | I | |
8. | アドラー | Jam | C | IV | |
9. | 後方とび車輪1回ひねり | Hop 1/1 | C | I | |
10. | 後方伸身2回宙返り2回ひねり下り | Double Back Lay 2/1 | E | V |
A:7.0
B:9.250
Score:16.250
コールマンをきれいに決め、得意のトカチェフ連続は雄大に実施。手放し技以外もバランスよく技が組み合わされ、演技の流れもよく、2006年のルール改訂後の一つの理想形とも言える構成を見せた。
HAMBUECHEN Fabian (GER)
PEGAN Aljaz (SLO)
水鳥寿思 MIZUTORI Hisashi (JPN)
ほとんどの選手が組合せ加点が得られる連続技を取り入れ、全体的に大きくAスコアが上がっています。組合せの種類としては(失敗した選手も含め)5人がアドラー1回ひねり~ヤマワキを行い、価値点アップに有効な連続技として広がりを見せています。ひねり技の制限はペガンの他、日本人選手の構成にも影響しています。
優勝は地元の大声援を受けたハンビュヘン。組合せ加点でAスコアを7.0まで上げ、Bスコアも8人中最高で、並みいるスペシャリストを押さえての圧勝でした。連続技の重要性があらためて浮き彫りになり、これ以降も鉄棒のAスコア(Dスコア)はどんどん上昇していくことになります。
by kaki_aqr
| 2013-03-15 21:00
| 五輪&世界選手権 OG&WC EF
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